映画を観る前に知っておきたいこと

シンデレラ 紀元前1世紀から語り継がれる物語の実写化

投稿日:2015年3月26日 更新日:

シンデレラ 実写 ガラスの靴

1950年にディズニーが上映したアニメ「シンデレラ」の実写版を映画化。予告動画で見て分かるように、その映像美ときたら「さすがディズニー」と舌を巻いてしまう。絢爛豪華な衣装と美術はそれだけでも一見の価値有り。

  • 製作:2015年,アメリカ
  • 日本公開:2015年4月25日
  • 原題:『CINDERELLA』
  • 原作:ディズニーアニメ『シンデレラ』
  • 上映時間:105分

予告

https://youtu.be/uhVN0CT0xD8

あらすじ

ディズニー・スタジオが総力を結集し、「シンデレラ」の実写版を映画化した夢のプロジェクト。「本当の魔法は、あなたの勇気」──ガラスの靴やカボチャの馬車に代表されるロマンティックなイメージはそのままに、シンデレラの勇気と優しさから生まれる“奇跡の愛”が感動的に描かれていく。絢爛豪華な衣裳と美術、超一流のスタッフ&キャストとのコラボレーションが可能にした、ディズニー・ラブストーリーの原点にして頂点。
-公式サイトより-

映画を見る前に知っておきたいこと

シンデレラの原点

世界中シンデレラの元となるストーリーは世界各地に見られる。現在知られている中で最も古い記録のひとつは、紀元前1世紀にギリシャの歴史家ストラボンが記録した「ロードピス」の話だ。話の大筋は大体同じ。女奴隷のロードピスはいじめられていて、ガラスの靴は、バラのサンダルとして登場する。そして王子と結婚する。
その話は、語られる国の文化に伝わりやすいよう様々な形を経て今に至る。一番古く日本に伝わった記録は1886年のこと。郵便報知新聞が発表した「新貞羅」である。その後1900年には高等小学校の教科書用に「おしん物語」の題名で書かれたりもしている。

シンデレラ・コンプレックス

もたざる女性が、一夜にして愛も財も地位も手に入れる。そんな物語をシンデレラストーリーと呼ぶ。それと同じように、男性に高い理想を追い求め続ける女性の心情を表した「シンデレラ・コンプレックス」という言葉がある。1981年に、米国の女流作家コレット・ダウリングが提唱した概念だ。「面倒を見てもらいたい」という潜在的な欲求によって、女性が「精神と創造性」とを十分に発揮できずにいる状態を「シンデレラ・コンプレックス」と言った。シンデレラがラブストーリーの原点にして頂点と言われていることに、女性が持つ「シンデレラ・コンプレックス」の普遍性が見てとれる。

最高の良縁によって、最高の生活と愛を手に入れるシンデレラの話が、それを自らブロックする深層心理に揶揄されるというのも、皮肉な話である。そして物語の中のシンデレラは、一片としてそれを望んでいる風を見せない。だからこそ、シンデレラが美しいラブストーリーとして成り立っている、という点は非常に興味深い。もし、シンデレラが自分をいじめた女中達に仕返しをしたり、自慢をしたり、そんな態度をとったその瞬間に、シンデレラの物語は地に落ちる。

映画を見る前に知っておきたくないこと?

時、場所を問わずに語り継がれてきた物語「シンデレラ」。これは大衆文化として”人気があった”ということに他ならない。人気があるということは、共感を生んだであろうし、憧れられたであろう。そんな美しい物語を紹介する場で、女性のもつ普遍的なコンプレックスを切り口にするのは、夢がないというか、意地が悪いというか。

ここまで書いておいてなんだが、正直なところ今回ばかりはサブタイトルを「映画を見る前に知っておきたくないこと」に変えたほうがいいかもしれないと思った。空気が読めないにも程があると自覚はしているけれど、めんどくさいので素直に思った事を書いたので、もうそのまま掲載することにする。ごめんなさい。

-ラブストーリー, 洋画

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