映画を観る前に知っておきたいこと

デスノート Light up the NEW world
正統な続編第3弾!完全オリジナルストーリー

投稿日:2016年9月21日 更新日:

デスノート

あの事件から10年ー
これで、すべてを終わらせる。

2006年に前後編が連続で公開された『デスノート』、『デスノート the Last name』の正統な続編となる作品です。夜神ライトの死をもって決着したかに思われたデスノートにまつわる一連の事件。しかしあれから10年後の世界、再び死神によって地上にデスノートがもたらされます。

前2作が原作を基に脚色されたストーリーで構築されていましたが、今回は原作に存在しながら使われることのなかった「人間界で同時に存在していいデスノートは6冊まで」という“6冊ルール”だけが唯一のつながりとなる完全オリジナルストーリーです。ただ、そこには原作者・大場つぐみのアイデアも盛り込まれているようです。ファンにとっては無視できないだけに、賛否両論が巻き起こる続編となるのではないでしょうか。

デスノート“オタク”の捜査官・三島に扮するのは東出昌大、竜崎には池松壮亮、紫苑に菅田将暉。譲れない“正義”を持った3人の壮絶な頭脳戦が描かれた新世界の幕開けです。

予告

あらすじ

デスノートで犯罪のない世界を目指した“キラ”こと夜神ライト。暴走する彼を阻止しようとした世界的名探偵“L”。天才 VS 天才の対決から10年が経過したある日、世界中のネット回線がジャックされ、存在しないはずの“キラ”からメッセージが発信された。

「デスノートを手に入れろ!」

今も夜神総一郎が立ち上げた“デスノート対策本部”は存続していた。すでに亡くなった夜神総一郎の跡を継ぐべく、キラ事件に精通した三島を筆頭に、対策特別チームの捜査官たちを中心に警視庁内に本部を構えていたのだ。

デスノート Light up the NEW world

© 大場つぐみ・小畑健/集英社

ロシア、ウォール街そして渋谷でのデスノートによる大量殺人。世界的私立探偵にして、“Lの正統な後継者”竜崎が“デスノート対策本部”加わり事件の解明に挑む。

デスノート Light up the NEW world

© 大場つぐみ・小畑健/集英社

地上には6冊のデスノートが存在し、すべて手にした者が地上を制する。キラ復活を望む者、それを阻止する者たちとの究極の争奪戦がはじまる!

映画を観る前に知っておきたいこと

累計3000万部という驚異的なヒットで社会現象までなった漫画「DEATH NOTE」。映画化やドラマ化、そこに巻き起こる賛否両論はもはや大ヒット作の宿命かもしれません。原作者の手を離れ、作品が一人歩きしている状態もしばしば見受けられます。

本作は、2006年に前後編が連続で公開されこちらも驚異的なヒットを記録した『デスノート』、『デスノート the Last name』の正統なる続編第3弾です。前2作が原作を基に脚色していたのに対し、今回は完全オリジナルストーリーとなっています。

同じオリジナルストーリーでも、2008年に公開されたスピンオフ映画『L change the WorLd』(Lが主人公)は、ビジュアルキャラブックや小説などのメディアミックスによる商業的な戦略がファンを置き去りにしていた印象です。また、設定がまったく違うTVドラマ版もファンにとって必要だったのか疑問が残りました。そんな中、原作者・大場つぐみのアイデアも盛り込まれた本作はファンとしては無視できないところです。

そこで映画の予習の意味も含め、前2作『デスノート』と『デスノート the Last name』のあらすじを結末まで紹介しておきます。この2作だけ押さえておけば問題ないと思います。ネタバレするかどうかは自由に選べるので、結末まで知りたい人はあらすじ結末をクリックして読み進んでください。

また、あらすじの後には映画と原作の違いも簡単に整理してあります。

『デスノート(前編)』あらすじ(ネタバレ)

デスノート

© sonicch.com

警視庁刑事部部長の息子・夜神ライト(藤原竜也)は東応大学に通う秀才で、将来は父のように警察庁に入ることを志していた。ある日、自宅のPCから、警察庁の極秘犯罪ファイルを閲覧し、殺人などの大きな犯罪を犯した者が、不起訴処分になり反省の色もなく自由な生活を送っている事実を知った。自分の将来に悲観して、勉強中の法律書物を捨ててしまうライトだった。

ある日、ライトは黒い一冊のノートを拾った。

「このノートに名前を書かれた者は40秒で心臓麻痺で死ぬ」

そこには英語でこう書かれていた。ライトは子供じみたいたずらだと信じなかったが、試しに誘拐殺人犯の名前を書き込むと翌日の新聞にその男の獄中死が報じられた。ノートを手にしたことで死神リュークの姿が見えるようになったライトはデスノートが本物だと確信する。そして、自らの手で犯罪者を裁き、新世界の神になることを決意した。

やがて悪に裁きを加える存在に気付いた世間は殺し屋(=Killer)の意味から“キラ”と呼び始め、キラを神と崇拝する者まで現れはじめた。

警察組織はキラの行為はあくまでも連続殺人であるとし、事件解決のためにある人物を送り込んだ。これにより警察を裏から指揮し、数々の難事件を解決してきた世界的名探偵L(松山ケンイチ)とライト、天才対天才の正義を懸けた戦いが幕を開ける。

Click!※あらすじ結末(ネタバレ)
キラの存在は確実に犯罪の抑止力となっていた。しかし、キラであるライトと同じ大学で検察官を目指す恋人・詩織のキラに対する意見は違っていた。

そんなある日、 テレビでキラに関する臨時ニュースが流される。そこに現れたLと名乗る男リンド・L・テイラーがキラの犯行を幼稚と挑発する。まんまと乗せられたライトは、その場でデスノートにリンド・L・テイラーの名前を書き込んで殺してしまった。

しかし、それはすべてLが仕組んだ巧妙な罠だった。この臨時ニュースは日本の関東圏にしか放送されていないことから、Lはキラが直接手を下さずに人を殺せることと居場所を突き止めた。リンド・L・テイラーはただの死刑囚だったのだ。

父・総一郎が捜査本部の責任者だと確信したライトは、総一郎のパソコンから捜査状況を手に入れる。捜査本部は犯行の時間帯からキラが学生の可能性があるとしていることを知ったライトは、早速1時間ごとの犯行に切り替える。

しかしLはライトのその行動を逆手に取り、捜査本部の情報が筒抜けになっている状況からキラは身内にいる可能性、そしてキラは死の時間を操れることを突き止めるのだった。

ついにLの視野に捉えられたライトにFBIの尾行がつけられる。しかし、ライトは「死因を書くと更に6分40秒の詳しい死の状況を記載する時間が与えられる」というデスノートのルールを刑務所の犯罪者で実験していく。

翌朝、ライトは恋人・詩織とデートに出掛けた。すると二人の乗ったバスを逃走中の容疑者・恐田がジャックする。ライトは詩織に「安心して」というメモを見せると、後部座席に乗っていた男が慌ててライトを止める。そして男はライトを信用させるためFBIの身分証を見せるのだった。こそこそとやり取りをする二人を見つけた恐田は、近づきライトが書いたメモを拾う。それはデスノートの切れ端他だった。突然、死神リュークの姿が見えるようになった恐田は錯乱し、バスを飛び出したところで事故死した。

すべてはライトの計算通りだった。まんまとFBIの尾行者レイ・イワマツの身元をあぶり出したライトは次の行動へと移る。ライトは再びイワマツに接触し、他のFBI捜査官の名前をデスノートに書かせイワマツを含めた全員を始末する。ついにライトは自分の野心のために犯罪者以外を手にかけたのだった。

しかし、これにより身の危険を感じた捜査員たちは次々にキラ事件から降りた。残ったのは総一郎を含む6人だけだった。

一方、イワマツは婚約者で自身もFBI捜査官であるナオミは、バスの運転手からライトの存在を突き止める。また、ナオミの行動からLもライトが最もキラの人物像に近い人間だと直感していた。

部屋に監視カメラと盗聴器を仕掛けられ、行動を監視されるライトだったが、普段通りの勉強する真面目な学生を演じていた。しかし、傍に置かれたポテトチップスの袋の中には超小型テレビとノートの切れ端が。ライトはそこから新しい犯罪者の情報を仕入れ、キラの裁きを継続していた。一旦は容疑者から外れたライトだったが、Lはあまりに自然なライトの行動に逆に違和感を抱いた。

ライトの次の標的はイワマツの婚約者であるナオミだった。デスノートに彼女の名前と死の詳細を書き込む。そこにはもう一人別の名前も……

ナオミはライトの恋人・詩織を拉致して、ライトを欧名美術館に呼び出した。そして銃を詩織に突きつけながら「正直に言わないと愛する者を殺す」と脅た。通報により警察官たちも駆け付け、Lは美術館の監視カメラで一部始終を見守っていた。

するとナオミは誤って詩織を撃ってしまい、錯乱したまま自らの命も絶った。そう、二人の死はすべてライトの計算通りだった。そしてキラによって恋人を殺された被害者となったライトは捜査本部へ入る動機を手に入れた。

ついにライトとLが直接対峙する。そしてエルの手にはポテトチップスが……

同じ頃、売り出し中のアイドル・弥海砂(あまねみさ/戸田恵梨香)がストーカーに追われていた。海砂と心中しようとするその男は突然、心臓麻痺を起こした。驚く海砂の目の前にはノートが。それは地上にもたらされた2冊目のデスノートだった。

『デスノート the Last name』に続く……

映画と原作の違い

  • 主人公・夜神月は「東応大学生」で「司法試験初受験合格者」という設定になっている。
  • L(エル)は「ICPOが東京に送り込んだ謎の人物」という設定になっている。
  • 日系アメリカ人FBI捜査官であるレイ・ペンバーの姓がイワマツになっている。
  • 映画オリジナルキャラクターとして、月の幼馴染で東応大学同学年の秋野詩織、キラ捜査本部の女性刑事の佐波が登場する。また、原作に出てきた刑事伊出は登場しない。
  • リューク以外の死神は一切登場しない(レム、ジェラスは後編に登場)。

『デスノート the Last name』あらすじ(ネタバレ)

デスノート the Last name

© 公式サイト

海砂がデスノートを拾うと、そこには死亡したストーカー坂城の名が書かれていた。ふと見上げると翼を持つ白い死神・レムの姿が。海砂は驚きと同時に、キラ事件のカラクリを理解するのだった。キラを崇拝する海砂は、寿命の半分と引き換えに“顔を見るだけで相手の名前と寿命が見える死神の目”を手に入れ、ライトに近づこうとする。

一方、Lにキラだと疑われるライト。死神リュークはライトに「死神の目を持てば、Lの本名が分かる」と囁く。

そんな折、さくらTVが“第2のキラ”を名乗る者からのメッセージを放送した。捜査本部の模木がさくらTVの放送を中止させようとすると、心臓発作で倒れてしまう。第2のキラは、邪魔者を容赦なく殺していった。これを見たLは、第2のキラは顔を見ただけで相手を殺せると判断する。

さくらTVを通してキラの正体がライトだと突き止めた海砂は、突然ライトの部屋へ押しかける。死神の目を持つ海砂を部屋に通すしかないライト。海砂の扱いに手をこまねいていると、海砂は自分のデスノートを渡し「不要になれば私を殺してもいい」とライトに告げる。

海砂は3年前に家族を強盗犯に殺された被害者であり、無罪となった犯人を裁いたのがキラ、ライトだったのだ。こうしてライトはLを殺す切り札を手に入れた。

Click!※あらすじ結末(ネタバレ)
ある日突然、東応大学にやって来たLはライトに「第1と第2のキラは繋がったのかも」と言い放つ。そこにはちょうどライトに会いに来た海砂がいた。偶然訪れた、死神の目を持つ海砂がLの本名を知るチャンス。ライトの勝利は目の前と思われたその時、Lは海砂を容疑者として拘束する。さくらTVに送られたビデオに、海砂の衣服の繊維が付着していたことが逮捕の決め手だった。

第2のキラとして捕まった海砂は、顔を見ただけで殺せるからという理由から監禁される。一切、食事も摂らず衰弱する海砂を見かねた死神レムは、ライトに海砂の救出を強要する。

追い詰められたライトは、海砂と自分にかけられた容疑を晴らすべくある作戦を決行する。自分のノートを樹の根元に埋め、死神リュークに「次に僕が“捨てる”と言った時は、所有権を放棄する時だ」と告げ、Lに自分を監禁させるのだった。

当然、キラと第2のキラであるライトと海砂が監禁されたことで犯罪者に対する裁きは止んだ。

「みっともないが、プライドは“捨てる”。」

ライトがそう言うと、2週間後に再びキラの裁きは再開された。この時、デスノートの所有権は死神レムによりさくらTVのレポーター・高田清美に渡っていた。清美は第3のキラとなったことを光栄に感じていた。

第3のキラが現れたことでライトと海砂の容疑は晴れ、二人は解放された。そして、デスノートの所有権を放棄したライトにはデスノートに関する一切の記憶が消えていた。これによりライトは本来の性格通り、Lと協力して第3のキラを追っていく。

本気でキラを追い詰めようとするライトはある事実に気付く。それは以前のキラに比べ第3のキラの裁きは、より世間の注目が集まる人物、女性問題を扱った事件、さくらTVが取り上げる事件に偏っていることだった。そして、第3のキラである清美が容疑者として浮上する。

清美に仕掛けられた監視カメラにより、デスノートの存在を知ったLとライト。清美は逮捕され、デスノートに触れたLや捜査官には死神レムの姿が見えた。この時、デスノートに触れたことで記憶を取り戻したライトは、混乱に乗じて腕時計の中に仕込んでいたデスノートの切れ端に清美の名前を書いた。清美が死んだことでデスノートの所有権は再びライトに戻っていた。

そして、Lが証拠として手に入れたデスノートには「ノートに名前を書いた者は、13日以内に名前と書きこまなければ死ぬ」という嘘のルールが書き足されていた。これにより、2週間以上監禁されていたライトと海砂への疑いは完全に払拭された。

すべてはライトの計画通りに進んでいた。

一方、海砂も樹の根元に埋められたライトのデスノートを手に入れ、再び記憶を取り戻していた。しかし、一度見たはずのLの本名は思い出せなかった。どうしてもライトの役に立ちたいと願う海砂は、再び寿命の半分と引き換えに死神リュークから“死神の目”を手に入れる。

海砂を操り、Lを抹殺しようとするライト。しかし、死神レムは海砂に再び容疑がかけられることを危惧し、自分が持っていたデスノートにLの名前を書き込んだ。人間のためにノートを使用したことで死神レムは灰となった。そして海砂の持つデスノートには父・総一郎の名前がすでに書かれていた。

ライトは完全勝利を確信した。しかし、Lも総一郎も生きていた。

Lによって海砂のデスノートはすり替えられていた。デスノートに名前を書かれた犯罪者が本当に死んでいたかのように報道し、Lはライトと海砂を欺いていたのだ。

さらにLは、息子のライトを最後まで信じる総一郎の協力を得るため自身の名前を本物のデスノートに書き込んでいた。20日後に死ぬように。これにより死神レムが書き込んだエルの名前は無効となった。(最初に書き込んだものが適応されるルールがある)Lは自分の命を賭して、事件解決までの時間を手に入れていた。

追い詰められたライトは腕時計に仕込んだデスノートの切れ端に、その場にいる者の名前を書こうとしたところで松田(青山草太)に足を撃たれてしまう。

「もっと面白いものを見せてやるから、こいつらの名を書け!」

最後は死神リュークに頼ろうとしたライトは、逆に自分の名前を書かれてしまう。こうしてキラ事件は決着した。

その後、Lは一人静かにソファで安らかな眠りについた。

事件の後、デスノートは焼却され、海砂はライトへの愛情だけを残してデスノートに関するすべての記憶をなくした。

映画と原作の違い

  • 高田清美の所属するテレビ局がNHNではなく、さくらTVになっている。
  • ライトと高田清美は原作では大学の同級生だが、本作では面識が無く、高田のほうが年上とい設定。
  • 映画オリジナルキャラクターとして、さくらTVのトップキャスターの西山冴子、社員の1人の吉野綾子が登場する。
  • 原作に登場したヨツバグループ、アイバーとウエディなどは登場しない。
  • 出目川の名前は仁ではなく、裕志。
  • 夜神総一郎の肩書は、警察庁刑事局局長ではなく、警視庁刑事部部長。
  • 前編同様、リュークとレム以外の死神は登場しない(ただし、ジェラスは原作同様回想シーンに登場する)。
  • 模木と宇生田のキャラクター設定が入れ替わっている。

-ミステリー・サスペンス, 邦画
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