映画を観る前に知っておきたいこと

【フォーカス】クライム・サスペンスだと錯覚していた……(感想・ネタバレ)

投稿日:2015年5月5日 更新日:

フォーカス

ウィル・スミスとマーゴット・ロビーが天才詐欺師に扮して騙し合いを魅せる『フォーカス』。この映画、マジで詐欺師とカモしか登場しない。予測を立てて見ていても絶対に裏をかかれる面白さ。さすがアポロ・ロビンスというべきか、全く別方向を向かされていることに気付いた時のやられた感が気持ち良い。ウィル・スミスの胡散臭さとマーゴット・ロビーのミステリアスさもこの映画にマッチしていて、これは上手いこと使ったなーと感服した。

さてさて、映画『フォーカス』。観客の視点(フォーカス)を逸しまくり、最後に「驚愕の大どんでん返しが待っている!」ということで、騙されまくって帰ってきた感想を綴る。

※最後のまとめ以外はかなりネタバレします。見てない人は絶対に読まないで。そのうち地上波もレンタルもあるのでそっちを楽しみに。こういうエンターテイメント作品は基本、ネタバレしたら終わりなので。

映画『フォーカス』の感想

Click※ネタバレ注意

いつからクライム・サスペンスだと錯覚していた……

フォーカス
まずこの映画をクライム・サスペンス!と紹介している記事が多くあるが、実は『フォーカス』はクライム・サスペンスじゃない。どちらかと言うと、ラブ・ロマンスがメイン。もうのっけから騙されている。しかしこの辺りはグレン・フィカーラ&ジョン・レクアの得意分野というところか、さすがに作りこまれていて面白い。

序盤は時系列を巧みに入れ替えて、まず観客の焦点をぼやかす。映画を見ているというよりもダイジェストを見ている気分になるかも。3年後のメインストーリーまではかなり早いテンポで伏線を貼りまくる。一回見ただけじゃ全部は意識できないくらい伏線を貼りまくる。伏線が回収される瞬間、もう全然あさっての方向にフォーカスさせられてるので、次から次に騙されまくった。

スリの手口はアポロ・ロビンスの監修だけあって鮮やか。パフォーマンスを見てるような気分で楽しめる。ターゲットのクレジットカードを盗んだその場で使い、すぐに返したりするシーンは、「おぉ・・・」と声が漏れた。

大どんでん返しの結末の正体

フォーカス
見終わってから思えば、最初から最後まで手のひらの上だった・・・。最後の大どんでん返しの正体はオーウェンがニッキーの親父さん(バッキー)なのかよ!っていうところだよね。

オーウェンは2人が金をせしめようと狙うラスボスのギャリガの警備。こやつ最初からこの一大プロジェクトに関わっておったのだ。蓋を開けてみれば何のことはない、最後に主人公の肉親が出てくる結末なんて割と使い古されたやり口なのに。なのに・・・!ウィル・スミス(ニッキー)とマーゴット・ロビー(ジェス)の2人にフォーカスしまくってて、完全に頭になかった。このやられた感・・・!!

結果、ニッキーはジェスを取り返して、最終的にラブロマンスでした!と言われても、こっちはそのつもりで見てないので「ハッピーエンドで良かった!」みたいな清々しさしか残らないのも、気持よく見終われて良かった。

感想まとめ

この映画は構えてみると面白くないだろうなと思う。批評家の間では辛辣な意見はあるものの、そもそも批評家が見て面白い映画じゃない。『ドラえもん』に大人が文句つけるみたいなもんだ。「さあ俺を騙してみろ!!」ぐらいのテンションで行くと、面白いぐらい手玉に取られて気持よく帰れる。


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