フランス文学を代表する小説家ギュスターヴ・フローベールの最高傑作「ボヴァリー夫人」をモチーフにしたフランスの人気コミックを、『ココ・アヴァン・シャネル』のアンヌ・フォンテーヌ監督が映画化。国内では4週連続興行成績1位の大ヒット。
小説と現実世界を混同するパン屋が巻き起こす官能的でユーモラスな新感覚ドラマ。そこには誰も予想できない結末が待っている。
- 製作:2014年,フランス
- 日本公開:2015年7月11日
- 上映時間:99分
- 映倫区分:R15+
- 原題:『Gemma Bovery』
Contents
- 1 予告
- 2 あらすじ
- 3
映画を見る前に知っておきたいこと
- 3.1 小説の「ボヴァリー夫人」
予告
あらすじ
フランス西部ノルマンディーの美しい村でパン屋を営むマルタン。毎日の退屈な生活に唯一の友は文学だった。とりわけボロボロになるまで愛読していたのは、ここノルマンディーを舞台にしたフローベールの「ボヴァリー夫人」だった。妻と息子と平穏に暮らしていたある日、隣にフランス人夫婦が引っ越してくる。なんと妻の名はジェマ・“ボヴァリー”! マルタンは奇妙な偶然と若く魅力的なジェマに魅了され、次第に小説の主人公エマと彼女を重ね合わせていく。一方ジェマもマルタンが作る優しく芳醇な香りのパンに魅せられていく。
「ボヴァリー夫人」を読んだこともないジェマは小説さながらの行動をとるのだった。そこへアポロンのごとき美青年が現れる。そしてジェマは夫の目を盗み情事を重ねるようになる。それを知ったマルタンは、小説と現実が混同し妄想が膨らんでいった。このままでは彼女は「ボヴァリー夫人」と同じ運命を辿って自殺してしまうのではないかと心配し、思わぬ行動に出る・・・
映画を見る前に知っておきたいこと
小説の「ボヴァリー夫人」
作者のギュスターヴ・フローベールは、作品の中から作者の主観を排除し、客観的で精密な文体を通じて作中の登場人物に自己を同化させることを信条とした。1856年に発表された「ボヴァリー夫人」はまさに、フランスのロマン主義的理想が現実に破れる様を客観的で精密な文体で描き、写実主義文学の礎となった。フローベールの「ボヴァリー夫人は私だ」という言葉は、彼の文学的信条を表すものとして知られている。
興味のある人は映画を見る前に読んでみると映画もより面白くなるだろう。小説はかなり悲しい結末を迎えてしまうので、映画の中での結末がより気になるかもしれない。また小説の「ボヴァリー夫人」にユーモアを加えたらこうなったのかもしれない、そんな想像を掻き立ててくれる。