スーダンの内戦で両親と家を失った戦争孤児”ロストボーイズ”。彼らを就職させようと奮闘する、職業紹介所で働く女性との奇妙な友情を描いたヒューマンドラマ。傷つくことが怖くても、それでも人と寄り添って生きることの素晴らしさを思い出させてくれるエモーショナルな感動作。
- 製作:2014年,アメリカ
- 日本公開:2015年4月17日
- 原題:『The Good Lie』
- 上映時間:110分
Contents
- 1 予告
- 2 あらすじ
- 3
映画を見る前に知っておきたいこと
- 3.1 人に寄り添うということ
- 3.2 フィリップ・ファラルドー
- 3.3 リース・ウィザースプーン:(キャリー)
予告
あらすじ
1983年に起こったスーダンの内戦で両親と家を失った戦争孤児”ロストボーイズ”。2000年、アメリカとスーダンが協力し、難民キャンプで育った3600人のロストボーイをアメリカで就職させる計画が実施された。
カンザスシティーの職業紹介所で働くキャリーは、“ロストボーイズ”と呼ばれる難民であるマメールと2人の仲間たちを空港まで迎えに行くところから物語りは始まる。電話を見るのも初めての彼らを就職させる。それは「傷つくのが怖いから」という理由で人と距離を置き、そつなく仕事をこなしてきたキャリーにとって最難関のミッションだった。
車に乗せれば一瞬で酔うし、牧場を見ると「猛獣はいますか?」と確認、面接では珍回答の連続で、なかなか仕事が決まらない彼らに最初はイラつくキャリーだったが、その成長を見守るうちに思いがけない友情が芽生え始める。
そうして、新生活が徐々に落ち着きを見せ始めたころ、悪い報せが入る。仲間の一人が問題を起こして警察沙汰になってしまったのだ。それは「いくら働いても誰にも相手にされない」そんな怒りと悲しみを爆発させてのことだった。そしてその思いは、彼だけのものではなかった。マメールたちはアメリカでの生活の中で、文化の違いや出生からの痛みと不満を、キャリーには知られずに耐え続けてきたのだった。
今まで他人と距離を置いて生きてきたキャリーは、3人を助けようと立ち上がる。彼女は彼らを救うことが出来るのだろうか――。
映画を見る前に知っておきたいこと
人に寄り添うということ
3600人の戦争孤児”ロストボーイ”と、それを受け入れたアメリカという背景に起こったドラマを描いた『グッドライ』。人を傷つけたくない、人に傷つけられたくない、そんな思いから人と距離を置くことは誰にでも経験のあることだろう。
この映画では、そんな人同士の対立を「文化の違い」として極端に分かりやすく描いているにすぎない。他人の事を理解できないとき、理解されないとき、その瞬間に生まれる痛みや苦しみを全く分からないという人は居ないと思う。その構図は”文化の違い”に置き換えてしまえば、誰にでも分かりやすい。
大きな括りでは国同士の文化の違いとして現れているが、その差異は今隣にいる人にも変わらずにあるのだ。この映画が多くの人を感動させるのは、その壁を越える勇気を、見せてくれるからではないだろうか。
監督・キャスト
フィリップ・ファラルドー
カナダ出身。「大事なことは学校では教えてくれない」のキャッチコピーで、日本でも大成功を収めた『ぼくたちのムッシュ・ラザール』を撮った監督。
リース・ウィザースプーン:(キャリー)
1976年、アメリカ・ルイジアナ州ニューオリンズ生まれ。伝記映画『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』(05)のジューン・カーター・キャッシュ役で、06年アカデミー主演女優賞、英国アカデミー賞主演女優賞、ゴールデン・グローブ賞主演女優賞、全米映画批評家協会賞、ピープルズ・チョイス・アワードのほか11本もの賞を受賞。代表作は『カラー・オブ・ハート』(98)『キューティ・ブロンド』シリーズ(01/03)、『メラニーは行く!』(02)、『悪女』(04)、など。一時期は「ラブコメの女王」と称されることもあった。また、Type A Filmsという制作会社を立ち上げ、『Wild』(原題)、『ゴーン・ガール』などの作品を発表している。
関連リンク