不況にあえぐ漁村。追い込まれた船長は危険な仕事に手を出した・・・。2001年に実際に起こった「テチャン号」の事件を元に製作された舞台「海霧(ヘム)」の映画化。人間の本質を暴き出す極上のサスペンス。2014年、本国韓国で大ヒット。名実ともに2014年の韓国映画を代表する一本。
- 製作:2014年,韓国
- 日本公開:2015年4月17日
- 英題:『Haemoo』
- 原作:舞台『海霧』
- 上映時間:111分
Contents
- 1 予告
- 2 あらすじ
- 3 テチャン号事件の詳細
- 4 映画を見る前に知っておきたいこと
予告
あらすじ
不況にあえぐ漁村。今日もチョンジン号は6人の乗組員を乗せ、一発逆転の大量を狙い出航する。しかし一向に漁がうまくいく気配はなかった。強い責任感から切羽詰った船長は、危険な仕事に手を染めてしまう。それは中国からの不法移民の密入国を手引きするという、闇ルートからの違法な仕事だった。
沖合いで密航船と合流し、密航者たちを乗り換えさせて陸へ運ぶ。簡単な仕事のはずだった。だが計画は、海上警察の調査、悪天候に阻まれ、思わぬ事態に陥っていく。
テチャン号事件の詳細
映画を見る前に知っておきたいこと
狂気と人間らしさ
事件だけを淡々と見れば、人を人とも思わないおぞましい殺人事件というように映る。その事件に”人間らしさ”を表現したのが、舞台「海霧」。それを原作に生まれたのがこの映画だ。
責任感が強いあまりに追い詰められ、道を誤っていく漁村の船長。海上という逃げ場のない舞台で疑心暗鬼に陥り、正気を失っていく船員達。純粋なあまり、船長の行為に疑問を持ち、想いをよせる密航者女性を守ろうとする青年。貧しい生活から抜け出そうと願う密航者達。事件に関わる登場人物はあまりにも狂気に満ちて、そしてあまりにも人間らしい。
この映画を観る者は、そんな人間の卑しさ、おぞましさ、愛おしさが、ごっちゃになって襲い来る混沌の渦中に投げ出されるだろう。
監督・キャスト
監督:シム・ソンボ
2003年に公開された、実際の事件を元にした戯曲『殺人の追憶』の映画脚本に関わっていた人物。今回が初の監督作品となる。
プロデューサー:ポン・ジュノ
上記『殺人の追憶』(2003年)の他、『グエムル-漢江の怪物-』(2006年)を監督し、が韓国内で記録的なヒットを飛ばした名監督。本作品にはプロデューサーとして関わっている。右目は失明している。
キム・ヨンソク
2008年にほとんどすべての映画祭に当たる主演男優賞6冠王という記録を立てた、名実共に韓国の国民的俳優。刑事役で人気を博したが、ジャンルに関わらずいろんな役に挑戦しており、年々円熟さを増していく実力派でもある。
パク・ユチョン
日本でも人気を誇ったアイドルグループ、東方神起の元メンバー。当時はミッキー・ユチョンの芸名で活動していた。好きな女性のタイプはキム・テヒとグウィネス・パルトロー。
虫がとても苦手。
ハン・イェリ
生後28ヶ月の頃から舞踏にのめり込んでいたという、文字通り生まれながらのダンサー。現在ではダンサーというよりも、女優としての肩書きのほうが有名。とある映画の記者会見中に、役の女性を思って泣いてしまうなど、感情豊かな一面を見せる。