人の脳内を映像化し、未解決事件の真犯人に辿り着くMRI捜査。それは絶対に知られたくない心の秘密まで暴いてしまう禁断の捜査だった……
原作は清水玲子による少女漫画「秘密 THE TOP SECRET」。発売直後から売り切れが続出する大ヒットとなったSFサスペンスだ。
脳内記憶やMRIスキャナーなど映像化不可能と言われた原作を『るろうに剣心』シリーズの大友啓史監督が5年の歳月を懸け、エンターテイメント超大作となってスクリーンに映し出される。
主演に生田斗真を迎え、岡田将生、吉川晃司、松坂桃李、栗山千明、大森南朋、リリー・フランキー、椎名桔平と豪華なキャストが顔を揃える。
- 製作:2016年,日本
- 日本公開:2016年8月6日
- 上映時間:149分
- 映倫区分:PG12
- 原作:漫画「秘密 THE TOP SECRET」清水玲子
Contents
予告
あらすじ
ー死刑になった父親の脳を見て、行方不明の娘を捜せ!ー
2060年の近未来。死んだ人間の脳をスキャンして、記憶を映像化するMRIスキャナーにより難事件を解決する特別捜査機関、通称「第9」。室長の薪、新人捜査官の青木たちに、死刑囚・露口の脳をスキャンし、行方不明の長女・絹子を捜し出すというミッションが与えられた。しかし、映し出された記憶の映像に捜査官たちは息を呑む……
ーなぜ、死んだはずの少女は生きていたのか?ー
そこには刃物を振り上げる絹子の姿が映し出された。「第9」は刑事・真鍋と共に捜査を続けるが、事態は急転、絹子が発見される。さらに絹子は父親の犯行のショックから記憶喪失になっていた。一方、真鍋は絹子と関係があった男を突き止めるが、男は目の前で自殺。やがて同時刻に、全国で9人が自殺した事が判明する。
ーなぜ、繋がるはずのない事件が次々と連鎖するのか?ー
同時刻に9人が自殺した謎を追っていくうちに、かつて日本を震撼させた凶悪犯・貝沼の存在が浮上する。貝沼は既に獄中で死亡。彼の脳の記憶を見た「第9」捜査官たちは次々と命を落としていった。薪の親友で「第9」の元メンバーだった鈴木も、「貝沼事件」に関わった事で悲劇的な死を遂げていた。
ーなぜ、「第9」は貝沼事件を封印したのか?ー
絹子と貝沼の繋がりを解く手掛かりは、貝沼の記憶を見た鈴木の脳の中にあった。薪はこれまで鈴木の記憶を見る事を避けてきたが、ついに覚悟を決める。鈴木のかつての恋人で監察医の雪子に協力を要請し、彼の記憶を再生する。そこには鈴木が命と引き換えにしてまでも守りたかった最大の秘密があった!
登場人物&キャスト
生田斗真(薪剛役)
「第9」室長にして、「第9」発足時からの唯一のメンバーとして、すべての事件に関わる。頭脳明晰、冷静沈着。凶悪犯の脳の中を見ながら、正気を保ち、周囲から特別視されている。「第9」を一緒に立ち上げた親友・鈴木を正当防衛で射殺してしまい、今でも自責の念とトラウマを抱えている。死ぬ時は脳を壊して欲しいと、普段から防弾チョッキを着用している。
岡田将生(青木一行役)
薪に選抜され、新しく「第9」に配属された捜査官。家族を殺された過去を持ち、犯罪心理学、法医学に精通する。寝たきりの父親を介護しながら、MRI捜査に取り組む。
吉川晃司(貝沼清孝役)
「28人連続殺人事件(貝沼事件)」の犯人。拘留中に自殺。貝沼の脳を見た者は、その思考の異常性から次々と錯乱する。「第9」の闇とされる存在。
松坂桃李(鈴木克洋役)
薪と共に「第9」を立ち上げた捜査官。貝沼事件の捜査中に命を落とす。薪を叱咤できる唯一の男で、最大の理解者でもあった。
栗山千明(三好雪子役)
法医第一研究所の監察医。鈴木の恋人であり、薪とは古い友人。
小田梨沙(露口絹子役)
露口浩一の長女。「露口一家殺人事件」の後、行方不明となっていた。露口浩一の死刑が執行後、突然姿を現す。怪しい魅力で「第9」を翻弄する。
リリー・フランキー(斉藤純一郎役)
絹子の主治医で、精神科医。薪の過去を知る男。映画オリジナルのキャラクター。
椎名桔平(露口浩一役)
脳医学の世間的権威で絹子の父親。「露口一家殺人事件」の犯人として真鍋に逮捕され死刑になる。
大森南朋(真鍋俊介役)
露口浩一を逮捕した叩き上げの刑事。MRI捜査に嫌悪感を感じながら、絹子の捜査にあたる。映画オリジナルキャラクター。
映画を見る前に知っておきたいこと
豪華なキャストや原作をエンターテイメント作品へと昇華する大友啓史監督
この豪華なキャスティングに加え、原作は清水玲子による大ヒットコミック「秘密 THE TOP SECRET」、さらに監督は『るろうに剣心』シリーズを手掛けたヒットメーカー大友啓史と、かなり充実した内容が揃っている。
ただ大友啓史監督というと、やはり最初に出てくるのは『るろうに剣心』シリーズなので、本作のジャンルを考えると適任ではないと感じる人もいるかもしれない。
しかし、大友啓史監督は過去に東野圭吾のベストセラー・ミステリー小説「プラチナデータ」の用な作品も映画化している。この作品は、近未来の進化したDNA捜査によって検挙率100%、冤罪率0%となった日本を描いており、そこに隠された謎が次第に明かされていくスリリングな展開など、本作と非常に良く似ている。
これまで大友啓史監督は実に多彩な作品を生み出している。『ハゲタカ』(09)のような金融業界を描いた社会派映画から、「龍馬伝」(10)のような大河ドラマまで撮れるオールラウンダーだ。
そして大友啓史監督作品に共通しているのがそのエンターテイメント性の高さだ。『るろうに剣心』シリーズはその部分が最も強く表れた映画だった。
本作の豪華なキャストや原作をエンターテイメント作品へと昇華するには大友啓史監督は打ってつけの存在と言える。
漫画「秘密 THE TOP SECRET」のあらすじ(ネタバレ)
原作の漫画「秘密 THE TOP SECRET」は全12巻で既に完結している。映画ではそこに収録されている事件すべてを扱うわけではないので、「秘密 THE TOP SECRET」をもっと堪能したい人は是非漫画を読んでみて欲しい。
現在は新シリーズとなる「秘密 season0」が連載されているので、これから先もさらに楽しめる。
ここで原作のあらすじを簡単に紹介しておくが、多くの事件が複雑に連鎖的に絡み合うので、映画でも中心的な事件として扱われる「貝沼事件」の真相についてだけまとめておく。あくまで原作からのあらすじだが、まったくネタバレしたくない人は避けて欲しい。