映画を観る前に知っておきたいこと

ジェイソン・ボーン
マット・デイモン健在、原作不在のシリーズ最新作

投稿日:2016年9月22日 更新日:

ジェイソン・ボーン

取り戻した記憶すべてが覆された時、新たな戦いがはじまる。

近年のCGを用いたアクション映画とは対照的にリアリズムを重視したことで、21世紀の映像表現に革命を起こしたと評されている『ボーン』シリーズ第5弾となる作品です。これまでマット・デイモンを主演に迎えた3部作『ボーン・アイデンティティー』(02)『ボーン・スプレマシー』(04)『ボーン・アルティメイタム』(07)、そしてジェレミー・レナーを主人公にした『ボーン・レガシー』の計4作で人気を博している『ボーン』シリーズ。

本作では、再び主演マット・デイモン×監督ポール・グリーングラスで9年ぶりに記憶を失った最強の暗殺者ジェイソン・ボーンが帰ってきます。CIAの極秘作戦によって鍛え上げられた本当の自分を思い出したところで終わりを告げた3部作のその先へ。

予告

あらすじ

CIAの極秘プログラム“トレッドストーン計画”によって生み出された暗殺者ジェイソン・ボーン(マット・デイモン)。記憶を取り戻した彼が消息を絶ってから何年もの歳月が流れていた。

ある日、世間から姿を消してひっそりと暮らすボーンの前に現れたCIAの元同僚ニッキー(ジュリア・スタイルズ)は、彼にある事実を告げる。

ジェイソン・ボーン

© Universal Pictures

それはボーンの過去にまつわる衝撃的な真実と、CIAが世界中の情報を監視・操作する事を目的とした極秘プログラムを開始したという情報だった。技術開発やテロ活動までをも裏で操作しようとするCIA。ボーンの新たな戦いがはじまろうとしていた。

ジェイソン・ボーン

© Universal Pictures

ボーンの追跡を任されたCIAエージェントのリー(アリシア・ヴィキャンデル)は、彼が最も求めているものを提供すれば、再度CIA側に取り込めるのではないかと考え始める。しかし“史上最も危険な兵器”であるボーンは、追跡者が想像すらできないある目的を持って動いていたのだった……

映画を観る前に知っておきたいこと

2、3作目の監督を務めたポール・グリーングラス監督と共にマット・デイモンが主演で帰ってきます。4作目がスピンオフのようになってしまった『ボーン』シリーズですが、最新作はようやくファンが待ち望んだ形となったのではないでしょうか。しかし、そこにはひとつの懸念があるので紹介させてもらいます。

原作不在の最新作

ロバート・ラドラム

© orlandoolguin.wordpress.com

『ボーン』シリーズの生みの親は、スパイ冒険小説を得意としたアメリカの作家ロバート・ラドラムである。『ボーン』シリーズの映画がヒットしたことで日本でも知られるようになったが、世界で累計部数が2億部とも言われる作家だ。

マット・デイモンを主演に迎えた3部作『ボーン・アイデンティティー』(02)『ボーン・スプレマシー』(04)『ボーン・アルティメイタム』(07)は、それぞれラドラムの3冊の原作を基にしている。

これ以降の『ボーン』シリーズの小説はラドラムが亡くなったこともあり、別の作家(エリック・ヴァン・ラストベーダー)によって続編が書かれている。『ボーン』シリーズは2015年までに9作が発表されている。

映画化第4作目にあたる『ボーン・レガシー』は、エリック・ヴァン・ラストベーダーが書いた同じタイトルの小説が存在しているが、原作というわけではない。映画はジェイソン・ボーンが登場しないスピンオフのような立ち位置となっている。これはファンの間で賛否両論となった大きな要因であった。

この4作目も、もともとポール・グリーングラスが監督するはずだったが、脚本が気に入らなかったため降板している。それに伴いマット・デイモンも出演を断ったという経緯がある。

「3度目の監督をしないのは、監督として単に異なる要求を感じたからだ」

「正しい脚本が出来上がらない限り、いかなる新作の『ボーン』にも関わらない」

ポール・グリーングラス監督

© Wikipedia

「別の俳優と別の監督によるある種の前日譚」

マット・デイモン

© Wikipedia

これはファンにとって随分フラストレーションが溜まる状況だっただろう。しかし、こうした状況が9年ぶりに実現した主演マット・デイモン×監督ポール・グリーングラスによる最新作の期待感を大きくさせたのも事実だ。

ただ、ひとつそこには大きな懸念もある。公式サイトでは『ボーン』シリーズの最高傑作と紹介される本作だが、ここから先はラドラムの原作がない未知の領域だ。そういう意味でも『ボーン』シリーズの新章となることは間違いない。

-10月公開, アクション, 洋画
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