「ザ・ビーチ・ボーイズ」の中心人物、ブライアン・ウィルソンの栄光と苦悩の半生を、本人公認のもとに映画化したドラマ。監督は、本作が初監督作品となるビル・ポーラッド。2つの時代のブライアンを60年代はポール・ダノ、80年代はジョン・キューザックがそれぞれ演じている。
- 製作:2014年,アメリカ
- 日本公開:2015年8月1日
- 上映時間:112分
- 原題:『Love & Mercy』
Contents
- 1 予告
- 2 あらすじ
- 3
映画を見る前に知っておきたいこと
- 3.1 ザ・ビーチ・ボーイズ
- 3.2 ザ・ビーチ・ボーイズのフォロワー
予告
あらすじ
60年代
ザ・ビーチ・ボーイズはスターダムの頂点にいた。しかし、全てが順風満帆とはいかなかった。
新たな音を求めて曲に心血を注ぐブライアン・ウィルソンと、ツアーを楽しむメンバーたちの間には亀裂が生まれ、マネージャーを務めていた威圧的な父との確執も深まり、ブライアンはドラッグに逃げ込むようになる。頂点を走り続けるプレッシャーに負け、ブライアンは心が完全に折れてしまう。
80年代
20年後、ブライアンは表舞台から完全に姿を消していた。そんな彼の人生に再び光をもたらしたのは、美しく聡明な女性メリンダとの出会いだった。出会ってすぐに惹かれ合う二人。
しかし、二人の間にはブライアンの生活すべてを管理する精神科医ユージンが立ちはだかる。メリンダの協力のもと、遂にブライアンは自分の本当の歌を取り戻すために立ち上がるのだが─。
映画を見る前に知っておきたいこと
ザ・ビーチ・ボーイズ
軽快でポップなメロディー、当時の若者文化を取り入れたテーマで有名なザ・ビーチ・ボーイズだが、キャッチーな曲群とは打って変わって、その凄さは誰にも真似できない圧倒的なオリジナリティにある。
それらは全てブライアン・ウィルソンの仕事であり、曲のアレンジにはさまざまな工夫やアイデアがふんだんに取り入れられている。よく話題にあがるのは「カリフォルニア・ガールズ」のイントロ部分。それから、「グッド・バイブレーション」でテルミンという楽器を使用したり、「キャロライン・ノー」のアウトロ部分では電車の走る音や犬の鳴き声を入れてみたり。
https://youtu.be/8JL-Ng15hcI
現代に至るまで圧倒的な数のフォロワーを生み出したビートルズに比べて、ザ・ビーチ・ボーイズは孤高の存在と言える。誰にも真似出来ない、真似した所で二番煎じにもなりえない比類なきオリジナリティは、ブライアン・ウィルソンの孤独を象徴しているかの様だ。
ザ・ビーチ・ボーイズのフォロワー
それでも、偉大なミュージシャンであるブライアン・ウィルソンは多くのミュージシャンに影響を与えている。フォロワーと呼んでしまうには少し乱暴だが、少なからず影響を感じさせるミュージシャン達を紹介する。
The High Llamas
ブライアン本人に「僕の方が彼らの影響を受けている」と言わしめた。本気なのかリップサービスなのかはよく分からないが、繋がりが深いのは確か。ビーチボーイズマニアの間では彼らを認めるかどうかの議論が尽きない。
Jim O’rourke
派手なことは何もしないゆるく漂うギターに絡まって、Jimの線の細いボーカルが絡みつく。エッセンス的に鳴るピアノが曲の色をハッと際立たせる不思議な世界観を持ったアルバム。
ビーチボーイズの曲を基盤に、壮大なミニマルミュージックを作ろうとしていたり、ブライアンを強く意識していることを感じさせる。
もっとたくさん紹介しようかと思っていたのだが、映画関係ないしちょっと飽きてきたのでこの辺にしておく。まだ二組だけど・・・。