前作『マッドマックス/サンダードーム』以来、27年ぶりとなる4作目『マッドマックス 怒りのデス・ロード』。圧倒的な世界観とイカれた奴らのド派手なアクションで世界中を魅了したシリーズの最新作だ。主人公”マッド”マックス役にはトム・ハーディ。フュリオサにシャーリーズ・セロン。監督はシリーズを通して務めてきたジョージ・ミラーだ。
- 製作:2012年,アメリカ
- 日本公開:2015年6月20日
- 上映時間:120分
- 映倫区分:R15+
- 原題:『Mad Max: Fury Road』
Contents
- 1 予告
- 2 あらすじ
- 3
映画を見る前に知っておきたいこと
- 3.1 マッドマックスシリーズ
- 3.2 マッドマックス/怒りのデスロード
- 3.3 お花畑で撮影中止
予告
あらすじ
荒廃した未来。砂漠化し、人類が生活のために狂ったように争う、”イカれたヤツが正義”の世界。そんな世界に再び秩序をもたらすことが出来るかもしれない。その鍵を握るマックスとフュリオサの2人の反乱者の物語。
一匹狼の旅人、マックスは心の平穏を探していた。妻子を失った傷は癒えずに、今もマックスを苛めていたのだ。旅の途中、頭蓋骨をシンボルとして、世界の資源を独占する凶悪武装集団「ウォーボーイズ」に捕まり砦の要塞「シタデル(CITADEL)」に囚人として連れてかれる。
マックスはここから、全身白塗りの男ニュークスと反逆を企てるフュリオサと共に、自由を求めた逃走を開始する。止むことのない執拗な追跡を受けながらの、決死の砂漠横断。果たしてマックス達は、自由を手にすることが出来るのか。世界に再び秩序はもたらされるのだろうか―。
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映画を見る前に知っておきたいこと
マッドマックスシリーズ
1971年に公開された低予算映画から始まった人気シリーズ。荒野の近未来、暴走族による凶悪事件が多発する世界。この世界観が独特で、当時たくさんの作品に影響を与えた。僕ら日本人は『マッドマックス』の世界観から「北斗の拳」の世紀末を想像する人は多いと思う。原哲也が大きく影響を受けた作品のひとつだ。
マッドマックス
独特の世界観が話題を呼び、ジョージ・ミラー、メル・ギブソンの出世作となった。主演オーディションで、前日の夜に喧嘩して傷だらけで現れたメル・ギブソンを気に入って採用したという逸話は有名だ。ちなみに、メル・ギブソンは当時演劇学校のただの学生だった。
登場する暴走族はほとんどが本物。撮影現場には常に不穏な空気が流れていたという・・・。「カワサキ・Zシリーズ」「カワサキ・マッハ」「ホンダ・CB」など、人気の国産バイクが多数登場する。往年の名車ファンには今でもたまらない作品だ。低予算映画のくせに予算のほとんどをマシンの改造費に充てていたので、費用の面ではかなり切迫していたらしい。
マッドマックス2
1作目の大ヒットを受けて、10倍の予算をかけて作られた第2作目。大国同士の戦争後の荒廃した世界、モヒカン刈りで暴れまわるイカれた暴走族など、1980年代の多くのSF作品に影響を与えた。あの「北斗の拳」が影響を受けているのも『マッドマックス2』からだ。
10倍の予算は1作目と同様、ほぼマシンの改造費に充てられた。ジョージ・ミラー、車の改造好きすぎ。1作目より好き勝手出来て、さぞ楽しかったことだろうと思う。メル・ギブソンをスターに押し上げた作品だが、彼の台詞は17回しかない。
マッドマックス/サンダードーム
1985年に公開されたシリーズ第三作で完結編。前2作とはかなり毛色が違い、サンダードームという金網の中で行われる格闘戦がメイン。カーチェイスはあまり登場しない。ハリウッドと大きくコミットしたことでも話題になった。
マッドマックス/怒りのデスロード
そして今回公開される『マッドマックス/怒りのデスロード』は、マックスが駆るフォード・ファルコンXB・GTクーペ 1973を始めとする多数の改造車が登場するカーチェイス・アクションとして復活した。
本当は2005年に公開される予定だったのだが、伸びに伸びてはや10年、ようやく公開にこぎ着けた。主演はこれまで同様、メル・ギブソンを予定していて、彼の方も興味を持っていたようだが、思うように進まない製作に興味を失ってしまったようだ。
お花畑で撮影中止
出典:http://akema.jp/blog/?p=1024
製作が発表されたのは2003年。アフリカのナミビアで撮影が開始された。2005年の公開を目指していたが、イラク戦争により世界情勢が不安定になると、アメリカを始めとする各国が出荷制限をかけたため、大型車両や撮影機材の出荷が困難になり、撮影が長引いてしまう。
さらに、予算がオーストラリアのワーナー・ブラザースから1億ドルの予算の許可を得ていたのだが、オーストラリアドルの高沸により経済情勢が悪化。制作費の調達も難しくなる。そのため、撮影延長のみならず、製作自体が危機に陥ることに。
2007年頃から次第にオーストラリアの経済も安定してきたためにジョージー・ミラーは撮影再開に意欲を燃やしていた。2011年からオーストラリアのブロークンヒル撮影を再開すると発表し、主演となるトム・ハーディとの交渉も上手くいったようだ。
そして来る2011年撮影再開か・・・と思われたのだが、撮影地のブロークンヒルの荒野が長く続いた大雨によって緑化。お花畑になってしまう。やむなく当初の予定通り、アフリカのナミビアに撮影地を移し、紆余曲折を経て2015年にようやく公開となった。
いやほんと、お疲れ様でした・・・!撮影が進まず暇で仕方がなかったのか、5作目、6作目の企画も既に出来上がっていて、今回の『デスロード』と合わせて3部作となる予定だ。