ちょっとなついただけ。
飼ってほしいわけじゃない。
日活の成人映画レーベル「ロマンポルノ」の45周年を記念し、日本映画界の第一線で活躍する監督たちが新作ロマンポルノを手掛ける「日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」第3弾!
『日本で一番悪い奴ら』(16)の白石和彌監督がオリジナル脚本で挑むロマンポルノ。あえて3人の風俗嬢による群像劇にすることで、ロマンポルノ初期の傑作『牝猫たちの夜』(72)にオマージュを捧げながら、現代社会を逞しく生きる女性のいまをジャーナリスティックな視点で描き出していく。眠らぬ街で互いを店の名前で呼び合うだけで、本名も働く理由も知らない牝猫たちは、ただ愛を求めて寄り添う。
主人公・雅子に映画初主演となる気鋭の女優・井端珠里、シングルマザーの結依を真上さつき、主婦でありながら風俗嬢として働く里枝を美知枝、三人の女優がそれぞれの悩みを抱えた牝猫たちを妖しく演じきる。
Contents
- 1 予告
- 2 あらすじ
- 3
映画を観る前に知っておきたいこと
- 3.1 『牝猫たちの夜』への挑戦
- 3.2 『牝猫たちの夜』
予告
あらすじ
ネオンの煌めく池袋の繁華街をさすらい、漂う三人の女。呼び出されては男たちと体を重ね、そして、また夜が明ける……

© 2016 日活
ネットカフェ難民、シングルマザー、不妊症、それぞれの悩みを抱える3匹の牝猫たちは、都会の中で孤独を感じながら、好きでもない男の前で素肌をさらす。いつまで続くかわからないその生活に、愛を探し、求めながら、彼女たちは颯爽と生き抜いていく。
Sponsored Link映画を観る前に知っておきたいこと
神代辰巳と並ぶロマンポルノを代表する監督のひとり田中 登、今は亡き彼が残した名作『牝猫たちの夜』を彷彿とさせる作品が、「日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」によって生み出された。
ロマンポルノの最初の作品『団地妻 昼下りの情事』(71)に出演していたロマンポルノの女王・白川和子もSMクラブのオーナーとしてカメオ出演し、当時を知る彼女が「若かったら主演をしたかった」と脚本を絶賛した。
古きファンにも一見の価値がある作品だ。
『牝猫たちの夜』への挑戦
本作では『牝猫たちの夜』でヒロイン昌子の恋人役を務めた吉澤 健も出演するなど、随所で『牝猫たちの夜』へのオマージュが見受けられる。
主人公の名前を昌子から雅子に変え、舞台を新宿から池袋へと移し、再び訳ありの三人の風俗嬢を描き出した本作。映像へのこだわりが常軌を逸するとまで言われた田中監督の『牝猫たちの夜』にある独特の浮遊感までも見事に再現してみせる。
そして、流されるように生きる女性たちの抱える悩みをより現代風にアレンジし、その中で懸命にもがきながら生きる牝猫たちの姿をジャーナリスティックな視点で捉えた本作には、白石監督によるオマージュ以上の強いこだわりを感じる。
『牝猫たちの夜』

© 1972 日活株式会社
日活ロマンポルノで監督デビューした田中 登の『花弁のしずく』(72)に続く監督第2作目『牝猫たちの夜』。ロマンポルノ創生期の名作のひとつとして知られる。
ポルノ映画なのでここではあらすじぐらいしか紹介できないが、AmazonでDVDも手に入る。『牝猫たち』にポルノとしてではなく、純粋に映画としてのおもしろさを感じたなら、チェックしてみるのもアリかもしれない。ポルノとしてはさすがに古すぎる……
『牝猫たちの夜』あらすじ
新宿のトルコ風呂(ソープランド)で働く昌子とジュンとおみつ。三人とも売れっ子のトルコ嬢だった。
昌子はアパートの隣に住む本多と付き合っていたが、本多はゲイの誠を可愛がっていた。ある時、恋人ができた誠を男にしてほしいと頼まれ、昌子は仕方なく誠と体を重ねた。しかし誠は恋人チコとの本番で、あえなく失敗し衝動的にマンションから飛び降りた。
ジュンはチンピラの健と付き合っていたが、健の兄貴分の堺に寝取られてしまう。そしておみつは美容院経営を目指して貯め込んだ金を、銀行員に持ち逃げされてしまうのだった……
作品データ
原題 | 『牝猫たち』 |
---|---|
製作国 | 日本 |
製作年 | 2016年 |
公開日 | 2017年1月14日 |
上映時間 | 84分 |
映倫区分 | R18+ |
キャスト
キャスト | 井端珠里 |
---|---|
真上さつき | |
美知枝 | |
音尾琢真 | |
郭智 博 | |
村田秀亮 | |
吉澤 健 | |
白川和子他 |
監督・スタッフ
監督 | 白石和彌 |
---|---|
脚本 | 白石和彌 |
製作 | 由里敬三 |
製作総指揮 | 田中 正 |