映画を観る前に知っておきたいこと

マイ・ベスト・フレンド
すべての女性に贈る感動作

投稿日:2016年11月6日 更新日:

マイ・ベスト・フレンド

あなたがいない明日を、
あなたがくれた強さで生きる。

幼い頃から互いの全てを知っている親友のミリーとジェス。ある時、ミリーに乳がんが見つかり、同じ頃、不妊治療を続けてきたジェスの妊娠が発覚する。ジェスが母となる喜びを誰よりも伝えたい相手がミリーだった。しかし、ミリーを想うがゆえに言葉にできないことが増えてゆく……

『リトル・ミス・サンシャイン』(06)のトニ・コレットと、『チャーリーズ・エンジェル』(00)のドリュー・バリモアは本作で初共演。映画を通じて実際に親友となった二人の演技が、笑顔と涙があふれ出す感動の物語を作り上げる。

女性にとって、時に本当に必要なのは、恋人より、家族より、何でも話せる女友達かもしれない……

予告

あらすじ

誰もが振り返る最先端のファッションに身を包むバンドボーイのキット(ドミニク・クーパー)と付き合い、刺激的な毎日を送るミリー(トニ・コレット)。幼馴染のジェス(ドリュー・バリモア)の方はいたって堅実な女性。しかし、互いのことは何でも知っている二人の友情だけは何ひとつ変わらなかった。

マイ・ベスト・フレンド

© 2015 S FILMS(MYA) LIMITED

やがてミリーとキットは結婚し、二人の子どもにも恵まれた。何もかもが順調だった。役所で働くジェスも、環境保護活動で出会った整備士のジェイゴ(パディ・コンシダイン)と暮らし始めたが、ただひとつ、子どもができないことだけを悩んでいた。

マイ・ベスト・フレンド

© 2015 S FILMS(MYA) LIMITED

幸せな日々が続くと信じていたある日、ミリーに乳がんが見つかる。そして、時を同じくして不妊治療を続けてきたジェスの妊娠が判明した。

ジェスは誰よりもミリーにそのことを伝えたかったが、彼女の病状を考えるとどうしても打ち明けられない。二人の間には、初めて秘密ができてしまった……

映画を観る前に知っておきたいこと

トニ・コレットとドリュー・バリモアの共演もそうだが、女性の活躍が印象的な作品だ。女性脚本家のモーウェナ・バンクスは、自身も乳がんを経験し、作品のディティールは彼女の実体験に裏打ちされている。また、監督のキャサリン・ハードウィックも女性であり、彼女たちが綴った物語には、やはり女性に関心を寄せてほしいのである。

キャサリン・ハードウィック監督

監督のキャサリン・ハードウィックは、2003年に『サーティーン あの頃欲しかった愛のこと』で監督デビューするや、サンダンス映画祭の監督賞やナショナル・ボード・オブ・レビューの特別賞など、ハリウッド期待の女性監督として注目を集めた。

彼女の代表作には、アメリカのベストセラー女流作家ステファニー・メイヤーが8400万部以上を売り上げた恋愛小説「トワイライト」を原作とした『トワイライト〜初恋〜』(08)がある。

内気な高校生と完璧な容姿を持つヴァンパイアのロマンスを描いたこの原作は、本国アメリカで「ハリーポッター」シリーズに次ぐ大ベストセラーとなっただけに、映画も興行的に大きな成功を収めている。

しかし、翌2009年に制作された続編『ニュームーン/トワイライト・サーガ』では監督を降板している。その理由については「彼女の世界観がダークすぎたため」と言われているが、本当のところはわからない。

というのも、前作『赤ずきん』(11)は、無邪気で愛らしく騙されやすい永遠の少女「赤ずきん」の“その後”を描いたダーク・ファンタジーだったが、彼女のキャリアは作品数が少ないわりにジャンルが多彩だからである。

僕がハードウィック監督作品の中で最も印象に残っているのは、『ロード・オブ・ドッグタウン』(05)だ。1970年代のアメリカ西海岸ドッグタウンから広がった新たなスケートボード・ブームを描いたこの作品は、斬新なスタイルでそのムーブメントの引き金となった伝説的チームZ-BOYSの光と影を映し出す。

実際に、Z-BOYSの中心的メンバーだったステイシー・ペラルタが映画の脚本を担当したこともあり、ハードウィック監督はこの作品で若者たちの青春とカルチャー、そして時代を見事に切り取ってみせた。

キャサリン・ハードウィックという監督は、『サーティーン あの頃欲しかった愛のこと』や『ロード・オブ・ドッグタウン』のような人間ドラマを中心に添えた作品でこそ、その手腕が発揮されるように感じる。

-ヒューマンドラマ, 洋画
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