遠い遠い 異国の地で 気づいた。
人生は、なんとかなる!
『フィラデルフィア』(93)と『フォレスト・ガンプ/一期一会』(94)でオスカーに2度輝いたトム・ハンクスが、ある1冊の本を大絶賛するツイートを投稿した。それがベストセラー作家デイヴ・エガーズの『王様のためのホログラム』だった。それから4年、名優と名作の出会いが、ついに映画として結実した。
エリート人生から転落したアランに与えられたミッション。それは、砂漠の王様に最先端の映像装置“3Dホログラム”を売ること。アランに次から次へと襲いかかる異文化の嵐。けれど流れに身を任せた時、大切なものが見えてくる。人生に迷うすべての人に贈るハートフル・ストーリー!
2012年のSF映画『クラウド アトラス』に続き、再びトム・ハンクスとのタッグが実現した鬼才トム・ティクヴァが監督を務める。
Contents
- 1 予告
- 2 あらすじ
- 3
映画を観る前に知っておきたいこと
- 3.1 デイヴ・エガーズ
- 3.2 次作もトム・ハンクス主演
予告
あらすじ
立派な車、素敵なマイホーム、美しい妻、すべては煙のように消えてしまった。何もかも失った男の名はアラン(トム・ハンクス)。かつて大手自転車メーカーの取締役だった彼は、業績悪化の責任を問われ解任されたのだ。アランは愛する娘の養育費を払うためにIT業界に転職。一発逆転を賭け、いざ地球の裏側へ!

© 2016 HOLOGRAM FOR THE KING LTD.
サウジアラビアの国王に最先端の映像装置“3Dホログラム”を売るため、はるばる砂漠の国までやって来たアラン。しかし、オフィスはただのボロテント。壊れたエアコンにつながらないWi-Fi、そこにはランチを食べる店さえない。

© 2016 HOLOGRAM FOR THE KING LTD.
抗議したくても担当者はいつも不在、プレゼン相手の国王の居場所もわからない。そのうえ上司からはプレッシャーをかけられ、ついには体も悲鳴をあげる。しかし、追い詰められたアランを助けてくれたのは、予想もしない人物だった……!?
Sponsored Link映画を観る前に知っておきたいこと
トム・ハンクスが絶賛するほどの原作を生み出したデイヴ・エガーズとは何者なのか?
町の子供たちに読み書きを教える「826バレンシア」という組織を立ち上げるなど、本国アメリカでは活動家としても有名な彼は、常にシニカルな目線で人や現代社会を見つめる。
デイヴ・エガーズ
デイヴ・エガーズ、彼は現代アメリカ文学の旗手として、いま最も注目されている作家の一人だ。
立て続けに両親をガンで亡くした21歳のエガーズが弟を育てながら送った青春を綴った『驚くべき天才の胸もはりさけんばかりの奮闘記』(01)はデビュー作ながら、14週連続全米ベストセラーリスト入りを果たし、タイム誌ベストブック、ピューリッツァー賞ノミネート、ニューヨーク・タイムズ紙の“今年のベスト10”など、彼を一躍時代の寵児へと押し上げた。
両親の死がエガーズにとっての不幸でありながら、一方で自由を手にしたと感じる複雑な心情が描かれたこの作品は、物語をただの悲劇にも、ありきたりの感動作にも偏らせないものだった。
そして、この処女作で見せたエガーズ文学における悲喜劇の絶妙なバランス感覚は、映画の原作となった『王様のためのホログラム』でも健在だ。
映画では原作のバランスをあえて変えるように、よりコメディタッチなアプローチがされているが、すべてを失った男をユーモラスに演じるのはトム・ハンクスにとって最も得意とするところだろう。それはハンクス自身がこの原作に惚れ込み、主演を熱望したことからも感じることができる。
「この作品をほかの人にやらせるなんて僕にはできない」
トム・ハンクス
次作もトム・ハンクス主演
エガーズのもうひとつの代表作『ザ・サークル』(13)の映画化(2017年公開予定)もすでに決まっており、この作品でもトム・ハンクスが主演することが決定している(共演にエマ・ワトソン)。
『王様のためのホログラム』の翌年に刊行されたこの小説は、世界最高のIT企業“サークル”に就職した就職した若者が、検索エンジンとソーシャルメディアに翻弄され、次第にインターネットとプライベートの境界線を失っていくという、恐ろしい情報社会の未来を予見したような作品だ。
フィクションの中に現代的なリアリズムを追求するのもエガーズ文学の特徴であり、もちろん恐ろしいテーマの裏に彼らしいユーモアも見え隠れする。
2017年は、トム・ハンクス×デイヴ・エガーズのコンビが大きな話題となりそうだ。
作品データ
原題 | 『A Hologram for the King』 |
---|---|
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2016年 |
公開日 | 2017年2月10日 |
上映時間 | 98分 |
映倫区分 | PG12 |
原作 | 小説『王様のためのホログラム』 デイブ・エガース |
キャスト
キャスト | トム・ハンクス |
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アレクサンダー・ブラック | |
サリタ・チョウドリー | |
シセ・バベット・クヌッセン | |
ベン・ウィショー | |
トム・スケリット |
監督・スタッフ
監督 | トム・ティクバ |
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脚本 | トム・ティクバ |
製作 | ウーベ・ショット |
シュテファン・アルント | |
アルカディー・ゴルボビッチ | |
ティム・オヘア | |
ゲイリー・ゴーツマン | |
製作総指揮 | スティーブ・シェアシアン |
ジム・セイベル | |
ビル・ジョンソン |