映画を観る前に知っておきたいこと

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
シリーズ初のスピンオフ!

投稿日:2016年11月10日 更新日:

ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー

希望は、死なない ──

これは『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(77)の少し前の物語。壮大なサーガの中に存在する、もうひとつのスター・ウォーズ。

実写映画としては『スター・ウォーズ』シリーズ初となるスピンオフ「アンソロジー・シリーズ」の第1弾!レイア姫がR2-D2に託した、帝国軍の宇宙要塞デス・スターの設計図。反乱軍はいかにして、この究極兵器の設計図を帝国軍から盗み出したのか?初めて描かれるキャラクターたちが繰り広げる新たな物語によって、『スター・ウォーズ』の世界はさらにドラマティックに進化する!

監督には、2014年のハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』を手がけたギャレス・エドワーズ。子供の頃に観た『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』が映画監督を目指すきっかけになったと語る、自身も認める大の『スター・ウォーズ』ファンだ。

博士と彼女のセオリー』(14)でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたフェリシティ・ジョーンズが主人公の女戦士ジン・アーソを演じる。

予告

あらすじ

銀河全体を脅かす帝国軍の究極兵器デス・スターの設計図を入手するため、反乱軍は極秘チーム“ロ―グ・ワン”を結成した。そこに加わった女戦士ジン・アーソ(フェリシティ・ジョーンズ)は様々な葛藤を抱えながら、仲間とともに97.6%生還不可能なミッションに挑む。

ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー

© 2016 Lucasfilm Ltd.

その運命のカギは、天才科学者であり、何年も行方不明になっている彼女の父ゲイリン・アーソに隠されていた……

映画を観る前に知っておきたいこと

これまで小説、アニメなどのスピンオフ作品は数多く製作されてきた『スター・ウォーズ』シリーズだが、実写映画のスピンオフは初の試みとなる。

2012年にウォルト・ディズニー・カンパニーがルーカスフィルムを買収により、旧三部作(エピソード4〜6)と新三部作(エピソード1〜3)の全6作で完結していたはずのシリーズに加え、新たに続三部作(エピソード7〜9)が製作されることとなった。『スター・ウォーズ』の生みの親であるジョージ・ルーカスはもともと全9作の壮大な構想を考えていたため、この状況はファンも歓迎するものだった。

しかし、スピンオフ作品が増えてくるとライト層のファンが困惑してしまう可能性がある。“エピソード・シリーズをどの順番で観るべきか?”というファンの間で交わされる議論が一つの醍醐味となっているが、エピソードという括りを離れた作品が現れたことで、置き去りにされるファンが出てきてはおもしろくない。

「アンソロジー・シリーズ」とは?

「アンソロジー・シリーズ」とは、これから公開されるスピンオフ作品を新たにまとめたシリーズであり、本作はその第1弾となる。なお、2018年には若きハン・ソロを描くスピンオフ第2弾の公開が決定している。

今のところ、「アンソロジー・シリーズ」の製作はこの2作品に留まっているので、そう構える必要はない。

ルーカスフィルムの社長キャスリーン・ケネディは、「アンソロジー・シリーズ」は本来のエピソード・シリーズの世界の中に存在する物語と明言している一方で、そこで新たに生まれたキャラクターがエピソード・シリーズに出入りすることはないという。また、新三部作(エピソード1〜3)とはクロスオーバー(キャラクターが同じ設定のまま別の作品へ登場すること)しないとされている。

こうした状況を押さえておけば、『スター・ウォーズ』シリーズの壮大なサーガの中で迷子になることもなくなる。

スピンオフも含めたシリーズすべてを時系列で捉えるなら、本作は『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』と『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の間に位置する。

基本的なシリーズの順番はこちらで解説しているので、新たにスピンオフ作品をどこに組み込むか考えてみるのも、きっと楽しいはずだ。

「カノン」と「レジェンズ」

ここまでは映画限定の話だったが、小説やアニメなど、これまで生まれた数々のスピンオフ作品を区別するために「カノン(正史)」と「レジェンズ(非正史)」という分類がディズニーによって新たに設けられている。

ディズニーによるルーカスフィルム買収以前に、すでに『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(83)以降の世界を描いた作品が多く存在していた。

ディズニーは新たに続三部作(エピソード7〜9)を製作していく上で、映画のエピソード・シリーズ以外のスピンオフ作品に沿って作るか、異なる新たな物語に仕立てるかの選択を迫られることとなった。

結果的に後者を選択したディズニーは、続三部作(エピソード7〜9)の物語と矛盾するスピンオフ作品を「レジェンズ(非正史)」として、すべてパラレルワールドの物語ということにしたのだ。

一方、ディズニーによって監修された続三部作(エピソード7〜9)の世界観と矛盾しないスピンオフ作品を「カノン(正史)」としている。

多少強引なやり方ではあるが、これはファンに新しい物語を提供するための苦肉の策であった。もちろん、本作を含む「アンソロジー・シリーズ」は「カノン(正史)」になる。

エピソード4へのオマージュ

本作ではシリーズ第1作『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』で使われた構図で撮影されたシーンが挿入されており、エピソード4とのつながりを明確に意識させる演出が使われている。

レイア姫率いる反乱軍たちが作戦会議をしていた部屋と、本作でジンが任務の説明を受けたのは同じ場所であることを示唆するように、このシーンは同じ構図で撮影されているのだ。

子供の頃に観た『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』が映画監督を目指すきっかけになったと語るギャレス・エドワーズ監督によるオマージュがファンの心をくすぐる。

そして本編はエピソード4の10分前、まさに直前までを描いたストリートとなっている。

あとがき

本作が公開された次の日の12月17日には、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』でグリードやダース・ベイダーたちを演じた“中の人”のその後を追ったドキュメンタリー『エルストリー1976 新たなる希望が生まれた街』も公開される。

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』が『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の少し前の物語なら、こちらはその後の物語だ。ここにも、もうひとつのスター・ウォーズがある。

-SF, 洋画
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