映画を観る前に知っておきたいこと

【チャンス商会~初恋を探して~】人生最後の初恋

投稿日:2015年9月1日 更新日:

アクション映画である『シュリ』や挑戦戦争を描いた『ブラザーフッド』など、骨太な作品で知られるカン・ジェギュ監督が描く人生最後の初恋。70歳になって初めて恋をした頑固で不器用だがどこか憎めないところのある老人。彼の前に現れたのは謎多き花屋の女主人。『大変な結婚』のパク・クニョンと『ハウスメイド』のユン・ヨジョンが、年老いたカップルを演じる。韓国の人気男性グループ「EXO」のチャンヨルが、2人の恋を応援する心優しい高校生役で映画デビューを果たしている。

優しい嘘と切ない秘密を知った時、純粋な涙がこぼれる・・・

  • 製作:2015年,韓国
  • 日本公開:2015年9月25日
  • 上映時間:111分
  • 原題:『Salut d’Amour』

予告

あらすじ

チャンスマートで働く70歳のソンチルは独身であり、戦友を亡くして一人死んでいくことを考え始めていた。孤独を感じるある日、家の向かいに引っ越してきた花屋の女性店主グンニムに出会う。ソンチルは彼女に心ときめかせるようになり、これが最後の恋かもしれないと思うものの、どうしても素直に自分の気持ちを伝えることができずにいた。チャンスマートの社長チャンスや町の人々は、そんな不器用なソンチルの恋を応援するのだった。チャンス商会~初恋を探して~純粋にお互いのことを想い合うソンチルとグンニムだったが、グンニムと街の人々にはソンチルに言えないある秘密があった・・・

映画を見る前に知っておきたいこと

カン・ジェギュ監督が描くピュアなラブストーリー

カン・ジェギュ監督といえば、日本ではアクションシーンに定評がある『シュリ』が有名だと思うが、『ブラザーフッド』や『マイウェイ 12,000キロの真実』などリアルに戦争を描いたものがある。『マイウェイ 12,000キロの真実』ではオダギリジョーが主演として迎えられ、本人が「生きて帰れない」と思ったほど過酷な撮影だった。アジアからヨーロッパに及んだ大陸横断ロケは8ヶ月240日と映画史上最大のスケールとなっただけでなく、リアルな戦闘シーンのために戦車が3台特注され、用意された弾丸も45,000発とこれまでとは全く違うスケールだった。命がけというのもわかる気がする・・・そんな骨太な作品を撮ってきたカン・ジェギュ監督が、本作ではなんともピュアなラブストーリーを描いている。それだけでも興味が湧いてくる。70歳になって初めて恋をした老人が主人公なので、変わった設定ではあるが。

恋愛映画自体が初というわけではないのだが、1996年に製作された『銀杏のベッド』は恋愛であっても、銀杏の木でできたベッドを介して千年の時空を超える因縁に翻弄される男女の運命を描くという少し変わった作品だった。ここまで純粋な恋愛を描くのは初めてではないだろうか。

それでも大きく括れば、人間ドラマを描くことが得意な監督なので、テーマが違えどそこにある感動は同じだと思う。『マイウェイ 12,000キロの真実』ではスケール感やリアルさ、それらを本作ではどんなところを追追求するための妥協のなさを見せてくれたカン・ジェギュ監督が恋愛というテーマでどんなリアリティを追求するのか楽しみである。

-ラブストーリー, 洋画
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