映画を観る前に知っておきたいこと

【シークレット・アイズ】FBIをも欺いた衝撃のラスト20分!

投稿日:2016年5月26日 更新日:

衝撃のラスト20分!この結末にあなたは騙されるか?見破れるか?瞳は嘘をつかない……

FBI捜査官のレイは、殺人現場の若い女性の遺体を見て驚愕した。被害者は、レイのパートナーで親友の検察局捜査官ジェスの愛娘だった。レイはエリート検事補のクレアと共に容疑者を拘束する。しかし、FBIの上層部はその男を釈放してしまう。13年後、FBIを辞めたレイが新たな手掛かりを手にしてジェスとクレアのもとへと戻ってくる。3人を待ち受けていたのはFBIをも欺いた想像を超える真実だった……

ジュリア・ロバーツ&ニコール・キッドマン、2人のオスカー女優による初共演が実現したサスペンス・スリラー!

  • 製作:2015年,アメリカ
  • 日本公開:2016年6月10日
  • 上映時間:111分
  • 原題:『Secret in Their Eyes』

予告

あらすじ

元FBI捜査官のレイはアメリカ中の受刑者の写真を調べていたが、どうしても見つけられない男がいた。

シークレット・アイズ

13年前、9.11アメリカ同時多発テロ事件の衝撃からロサンゼルスの検察局に設置されたテロ対策合同捜査班に、現役FBI捜査官だったレイはニューヨークから派遣された。そこで検察局捜査官ジェスとコンビを組み、さらにエリート検事補のクレアも加わる。

シークレット・アイズ

捜査チームがアル・アンカラ・モスクの監視を続けるなか、モスクの隣の駐車場から若い女性の死体が発見される。被害者はシングルマザーのジェスの娘キャロリンだった。

シークレット・アイズ

ジェスとは親友でもあり、レイにとってもキャロリンは娘同然の存在だった。必死で手掛かりを探すレイは。捜査課のピクニックの時の写真で、キャロリンを見つめる不審な男に気付く。男はモスクに出入りしていると判明するが、間もなく逮捕されたのは別人だった。そして、FBI内部の事情により、容疑者は釈放されてしまう。失意を抱えたレイはFBIを退職する。

シークレット・アイズ

事件から13年後、レイは遂に受刑者の写真から容疑者に辿り着く。そして、検事になったクレアと捜査主任に昇格したジェスもとへ戻ってくる。レイの執念が実り、とうとう容疑者逮捕への手掛かりを掴むが、事件の解決が近づくにつれ思いもよらない現実が彼らの前に立ちはだかる……

映画を見る前に知っておきたいこと

ハリウッドがリメイクした衝撃のラスト!

衝撃のラスト20分!

最近多いこの手の謳い文句はどうしても好きになれない。多くの人の興味を惹くのは分かるが、映画全体をラストまでの伏線として見てしまったり、敷居が上がりすぎて結末にがっかりすることもしばしばある。

しかし、本作を紹介する上でこの謳い文句を敢えて使わせてもらった。

それは本作がアルゼンチン映画『瞳の奥の秘密』(09)のハリウッド版リメイクであり、オリジナルのラストは当時世界中を驚かせたのだが、本作はそんなラストまでもリメイクし、世界が2度息を飲む作りになっているようだ。

オリジナルのラストから、さらに大どんでん返しが待っているのか!?

ジュリア・ロバーツ&ニコール・キッドマンという2人のオスカー女優を起用し、その豪華さはいかにもハリウッド版リメイクという感じがするが、このラスト次第で作品の評価は決まってしまうだろう。

アカデミー賞外国語映画賞に輝いた『瞳の奥の秘密』

本作の基となったアルゼンチン映画『瞳の奥の秘密』は、2009年のアカデミー賞外国語映画賞を受賞した作品である。

僕としては、アカデミー賞の中でもこの外国語映画賞というのは実は最も栄誉ある賞ではないかと思っている。アカデミー賞は世界で最も有名な映画賞であるが、基本的には英語の作品を受賞の対象としている。

そして、それ以外の言語の映画の中から選考されるのが外国語映画賞だ。各国から代表作品が1つ出品され競われるというオリンピックのような賞である。

アカデミー賞作品賞に比べるとあまり話題にならない外国語映画賞だが、選考対象になる作品が全く違うので外国語映画賞受賞作品がその年のアカデミー賞で最も素晴らしいという現象が起こり得るのだ。

過去に日本映画はカンヌ、ベネチア、ベルリンの世界三大映画祭で何度も最高賞を受賞した歴史があるが、実はアカデミー賞で外国語映画賞を取ったのは『おくりびと』(08)だけである。この事実が外国語映画賞の敷居の高さを物語っている。

僕は常に、アカデミー賞の中でもこの外国語映画賞をダークホースとして気にしている。

本作『シークレット・アイズ』に話を戻すが、基となった『瞳の奥の秘密』が如何に評価の高い作品だったかが分かってもらえたと思う。ハリウッドが豪華キャストでリメイクするのも納得の作品だ。

僕としては、オリジナルの観客を引き込む脚本が主に評価されたと思っているので、正直ラストを変えるという試みはかなり賭けになると思っている。

多くの人はオリジナルの『瞳の奥の秘密』ではなく、本作の方を見る事になると思うが、アルゼンチンの映画が基になっていることは頭の片隅に置いておいて欲しい。そちらは確実に面白いはずなので。

本作が面白いと感じた人には『瞳の奥の秘密』を是非見てもらいたいし、つまらないと感じたなら尚更見てもらいたいと思うのである。

-ミステリー・サスペンス, 洋画
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