1965年、アラバマ州セルマ組織された、公民権運動のデモ中に起こった「血の日曜日事件」を題材に、苦悩し、戦う人々を描いたヒュードラマ。主人公となるキング牧師を演じたデビッド・オイェロウォほか、トム・ウィルキンソン、ティム・ロス、キューバ・グッディング・Jr.、プロデューサーも兼ねたオプラ・ウィンフリーらが共演。
主題歌「Glory」は第87回アカデミー賞で主題歌賞の他、ゴールデングローブ賞主題歌賞も受賞した歴史に残る名曲だ。
- 製作:2014年,イギリス・アメリカ合作
- 日本公開:2015年6月19日
- 上映時間:128分
- 映倫区分:PG12
- 原題:『Selma』
Contents
- 1 予告
- 2 あらすじ
- 3
映画を見る前に知っておきたいこと
- 3.1 マーティン・ルーサー・キング・Jr
- 3.2 1965年・血の日曜日事件-Bloody Sunday
- 3.3 映画に描かれるキング牧師
- 3.4 主題歌 “Glory”
- 3.5 批評家からの圧倒的な支持
予告
あらすじ
1965年3月7日、マーティン・ルーサー・キング・Jr牧師の指導により、アラバマ州セルマで大規模なデモ隊が組織された。黒人の有権者登録の妨害に抗議する600人が立ち上がったのだ。白人知事はどんな手を使ってでもデモを阻止すると宣言、武力によってこれを鎮圧する。
その時の映像や写真が世界中に報道され、それを見た人々の声は次第に大きくなっていく。2週間後に再び組織されたデモの参加者は2万5000人にまで膨れ上がる。事態はやがて大統領をも巻き込み、世論を大きく動かしていく・・・。
映画を見る前に知っておきたいこと
マーティン・ルーサー・キング・Jr
キング牧師の名で知られる、人種差別の解消を求める大衆運動”公民権運動”の指導者として活動した人物だ。彼の「I have a dream(私には夢がある)」は20世紀のアメリカ合衆国で最高の演説とも言われている。
彼の率いた運動は、インド独立の父マハトマ・ガンディーに啓蒙され、徹底した「非暴力主義」を貫いた。この無抵抗な姿勢は、弱腰だと非難を浴びる事もしばしばある。だが、彼の信念は「非暴力主義を貫くことで、絶対服従しないという姿勢を全世界にハッキリと見せる」という、積極的なものだった。事実、この無抵抗な姿勢が世論を勝ち取り、世界は動いたのだ。
1965年・血の日曜日事件-Bloody Sunday
アメリカでは、日曜日に起こった残酷な事件をBloody Sunday(血の日曜日)と呼んでいる。過去に起きたBloody Sundayで有名な事件はいくつもある。この映画の題材となったのは、1965年にセルマで起こった事件だ。
セルマに住む黒人の半数以上は、差別や脅迫によって有権者登録を妨害されていた。警官のデモ隊への暴力による傷害事件は度々起こっていて、中には死傷者が出るほど非道いものあった。
1965年、3月7日の日曜日。この日のデモ隊は、州都モンゴメリーまでの行進を予定していて、その目的は警官達の合衆国憲法違反を訴えることだった。キング牧師がこのデモ隊を組織したのは、有権者登録をした黒人達を、知事に保護させようとしたためである。
白人の知事はこのデモを何としてでも阻止することを宣言。州兵や保安官の妨害によって、デモは6ブロックしか進むことが出来なかった。催涙ガスや武器を使った容赦無い暴力によって、無抵抗のデモ隊はセルマまで追い返された。それも、多くの報道機関の目の前で。
結果、影響
無抵抗のまま血だらけで殴られ、倒れる人々の残酷なシーンはTVや新聞で報道され、公民権運動を後押しする形になった。その中でも、アメリア・ボイントン・ロビンソンという女性は瀕死の重症を追い、その写真は世界中のニュース雑誌や新聞の第一面に掲載された。
参加者のうち17人が重症を追い病院に運ばれ、この事件は血の日曜日と呼ばれるようになった。
映画に描かれるキング牧師
この映画は、この「血の日曜日事件」の舞台となった『Selma』をタイトルとして、キング牧師を「人種差別解消の為に尽力した英雄」ではなく、「暴力と非暴力、差別に苦しむ人々の間で揺れ、悩む一人の人間」として描いている。
彼もまた、「血の日曜日事件」の爪痕を心に残した人々の中の一人なのだ。
主題歌 “Glory”
この映画は、コモン&ジョン・レジェンドとコモンによる主題歌「Glory」がゴールデングローブ賞主題歌賞や第87回アカデミー賞主題歌賞を受賞するなど、高い評価を得ている。確実なことは言えないが、邦題の『グローリー/明日への行進』も、この曲に由来するのではないだろうか。
第87回アカデミー賞で演奏され、会場にいた関係者は感動の涙を流していた。デヴィッド・オイェロウォも例外ではなく、主演を務めた彼にはまた特別な想いが湧いていたのではないだろうかと思う。歌詞についてはここが分かりやすく和訳・解説している。
批評家からの圧倒的な支持
「『グローリー/明日への行進』は重要な歴史の教えでありながら授業のように感じさせない。学校が始業したら、全米の中学校は課外授業としてこの映画を観させるべきだ」
「たとえ何が起こるかわかっていても、『グローリー/明日への行進』はサスペンスと驚きをもって行進する。事件と魅力的なキャラクターにあふれたそれは、手際よく、確固とした映画的ストーリーテリングの勝利である」
「キングを人間的な矛盾や欠点、そして卓越した政治的手腕をもった生き生きした人物として描いている」
この様に、『グローリー/明日への行進』は批評家たちから圧倒的な支持を得た。「Rotten Tomatoes」には204件のレビューがあり、支持率は99%、平均評価は8.7/10と観客たちからも高い評価を得ていることが伺える。
しかし、賛辞は100%ではなく、歴史映画によくある史実についての論争がこの映画についても起こっている。具体的にはキング牧師とジョンソン大統領との関係だ。
ジョンソン大統領はどちらかと言うと公民権法制定を推進する立場をとった人物で、キング牧師の協力者としてよく知られている。この映画では、ジョンソン大統領を非協力的な人物として描いていて、FBIにキングの監視や嫌がらせを指示するシーンなどもある。
とりわけ、ジョンソン大統領の元で大統領特別補佐官を務めたジョセフ・アンソニー・カリファノの批判には注目が集まった。
「その方が良いストーリーになるからといって映画を嘘で塗り固め、亡き者に対する責任から免れていいのか」
―ジョセフ・アンソニー・カリファノ
こうした批判的な意見についてデュヴァーネイ監督は、「この映画は歴史の正確な描写に拘ったドキュメンタリーではなく、あくまで自分自身の解釈である」と主張している。
史実を元にしていると言っても飽くまで映画。ともあれ、映画そのものは高い評価を得ているのは事実だ。この辺りは、観客として見る時にこだわるポイントを間違えないようにしたい所だ。
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