西暦1066年、征服王ウィリアムにより制圧され、10万人ものサクソン人が虐殺されたイングランドを舞台に、”放浪者シャドウ・ウォーカー”の復讐劇を描いたアクション大作。監督は「U2」「Blur」「Jamiroquai」など世界的な大物ミュージシャン達のミュージックビデオを編集しているジム・ウィードン。TVシリーズ「ボルジア」のスタンリー・ウェーバー、新「トランスポーター」シリーズのエド・スクラインら若手俳優陣が出演している。
- 製作:2015年,イギリス
- 日本公開:2015年6月27日
- 原題:『Sword of Vengeance』
- 上映時間:86分
Contents
予告
あらすじ
西暦1066年。征服王ウィリアムにより制圧されたイングランド。いくつもの村が焼かれ、10万人ものサクソン人が虐殺された。家を失った流浪の農民たちはデュラント卿の圧政に喘ぎ苦しんでいた。
そんな中、彼らの前に突然現れた”放浪者シャドウ・ウォーカー”は兵士たちを斃し、デュラント卿の息子アルトゥスを人質に取る。シャドウ・ウォーカーはかつて父王を叔父のデュラント卿に殺され、国を奪われ、奴隷に売られたノルマン貴族の王子だった。
「復讐だけが俺の信じるものだ・・・。」
農民たちはシャドウ・ウォーカーをリーダーに砦を築き、怒り狂った軍勢との最終決戦に臨む。血で血を洗う決闘を生き残るのは誰だ・・・。
映画を見る前に知っておきたいこと
ノルマン・コンクエスト(ノルマン征服)
きっかけはエドワード懺悔王没後の王位継承権の争いだった。問題は紛糾し、もつれにもつれ、これを解決するには武力しかないという状況に陥り、侵略を開始した。征服後はデーン人やサクソン人が各地に割拠している状況だったイングランドを、統一へ向け推進。緩やかな支配に慣れていたサクソン諸侯は相次いで反乱を起こしたが、各個撃破された。この侵略の影響は数多く残ることとなった。説明が長くなるのではしょるが、この後あれやこれやあって、あの「百年戦争」に繋がっていく。
ウィリアム王は自身もフランス語を使うフランス人で、ギヨーム(Guillaume)という名の方が通りが良いだろう。これを機にイングランドにはフランスの文化が数多く取り入れられ、原題のイギリス文化の基礎となっていく。その後、フランス語が原地の住民の言葉と混ざり合って英語が出来たと言われている。
『バトルフィールド』では、征服後のイングランドが舞台。主人公のシャドウ・ウォーカーはノルマン貴族の息子で、裏切者の伯父デュラント卿を倒すために、征服されたサクソン人たちの不満を利用する。
しかしシャドウ・ウォーカーとは如何にも中二病である。監督のジム・ウィードンは日本のチャンバラ映画の大ファンということなので、その影響かもしれない。NINJA!!
息つく暇のないノンストップバトルアクション
『バトルフィールド』というタイトルだけあって、無骨な戦士たちが剣を打ち鳴らす骨太のバトルが見所。原題『Sword of Vengeance』を直訳すると”復讐の剣”。撮影は氷点下にまで落ち込む真冬のセルビアの荒野で行われ、過酷を極めたようだ。張り詰めた零下の空気感がまた映像に凄みを与えている。
同時代を描いた漫画「ヴィンランド・サガ」
中世ヨーロッパを舞台にした話は数多あるが、今回は同時代のヴァイキングの物語を描いた「ヴィンランド・サガ」という漫画をあわせて紹介したい。懺悔王エドワードより少し前、スヴェン王やクヌート王の時代のイングランドが舞台だ。
こちらも復讐に燃えるバトル漫画かと思いきや、物語は思いもよらない意外な展開を見せる。少し話が逸れてしまうが、絵もうまいしストーリーにも深みがあって読み応えがある。とても面白いのでおすすめのタイトルだ。