映画を観る前に知っておきたいこと

【ムカデ人間3】こんなに不快で癖になる映画はない

投稿日:2015年7月20日 更新日:

ムカデ人間3

人間の口と肛門をつなげるという異常なアイデアで全世界を絶句させ、世界各国で爆発的大ヒットと上映禁止騒動を繰り返してきた映画史上最もヤバい『ムカデ人間』シリーズの第3弾にして完結編。2009年『ムカデ人間』が3人、2011年『ムカデ人間2』が12人、そして今回は500人をつなぎ合わせる!もうやり過ぎ、変態、狂気、異常。これ以上ゲスな映画はもう二度と作れない。監督は1作目、2作目と同じく映画界最強のインモラル・テロリスト=トム・シックス。

これ本当に許されるの???こんなに不快で癖になる映画はない。見るかどうかはあなた次第。

  • 製作:2015年,アメリカ
  • 日本公開:2015年8月22日
  • 上映時間:108分
  • 原題:『The Human Centipede III (Final Sequence)』
  • 映倫区分:R18+

予告

https://youtu.be/UWphEZR7uuc

あらすじ

舞台はアメリカ某所にある巨大監獄ジョージ・ブッシュ刑務所。そこに絶対的独裁者として君臨する所長のビル・ボスは、秘書のデイジーを性奴隷として扱い、囚人たちの人権など無視して暴虐の限りを尽くしていた。そのせいでジョージ・ブッシュ刑務所は全米で一番暴動が多く、職員の離職率も一番、何よりビルが囚人たちを虐待するため医療費も全米一となっていた。そんな最悪の状況から、ビルは州知事に解雇をチラつかされるのだった。ムカデ人間3

「囚人を全員つなげてしまえ!」

刑務所の会計士にしてビルの右腕ドワイトは、自ら大ファンである映画『ムカデ人間』と『ムカデ人間2』をビルに見せ、この映画こそ刑務所経営を健全化させる最良のアイデアだと力説する。ビルもドワイトがオランダから呼んだトム・シックス監督の「私の映画は100% 医学的に正確」という意見を聞き、500人の囚人を全員つなげてしまうという暴挙を実行に移そうとする。そうすれば、暴動は決して起こらず、食費も一人分で済むのである。The Human Centipede III 2イカれた計画を実行しようとするビルは、『ムカデ人間』と『ムカデ人間2』の上映会を開き、受刑者たちに見せて彼らを“刑務所ムカデ人間”にすることを発表した。もちろん囚人たちは大暴動を起こし、デイジーが襲われて植物状態になるが、ビルはどうにか鎮圧に成功してしまう。ついに、無免許医師たちによる一大手術が開始され、常人の想像を絶する総勢500人のスーパー・ムカデ人間が生まれようとしていた・・・ムカデ人間3

映画を見る前に知っておきたいこと

完結編は全部盛り

こんなに不快で癖になる映画は他にない。見終わった後も気分が悪いのに続編は見てしまうという不思議な映画だ。興行的にもヒットしているし、絵的には最悪でも実はポップな要素も多いのがこの『ムカデ人間』シリーズだ。まあ、設定も分かり易い。

本作はトリロジー(3部作)の完結編になるわけだが、いかにも集大成という要素がふんだんに盛り込まれている。500人をつなぎ合わせたというシリーズ最多の人数ももちろんのこと、キャストも1作目で主人公・ヨーゼフ・ハイター博士を演じたドイツの怪優ディーター・ラーザーが所長のビル・ボスを演じ、2作目で主人公・夜間警備員マーティンを演じたイギリスの変態パフォーマー、ローレンス・R・ハーヴェイがドワイトを演じている。『ムカデ人間』『ムカデ人間2』の主演が共演している以外にも、1作目で“ムカデの先頭”を熱演した日本人俳優、北村昭博も再び出演している。さらに、所長の淫乱秘書デイジーを全米ポルノ界のスーパースターであるブリー・オルソンがセクシーに演じてエロ度も増加している。完全に“ムカデ・オールスター”である。

こうした分かり易いポップな演出が、変態、狂気、異常な内容でもヒットしてしまう理由だろう。中でも僕がこの映画で一番ポップと思ったのが、製作総指揮、共同製作はトム・シックス監督の妹イローナ・シックスだということだ。兄妹でこんな映画を撮ることが一番ホラーだと思う。

北村昭博

1作目で“ムカデの先頭”を熱演した日本人俳優、北村昭博を知っているだろうか。ハリウッドで活躍する数少ない日本人俳優の1人で、意外にこの『ムカデ人間』が出世作ともいえる。

当初“ムカデの先頭”は別の役者であったが来られなくなったため、代役としてオーディションで北村昭博が演じることとなった。これがきっかけで人気テレビドラマ「HEROES」のファイナル・シーズンに出演することになった。今では、入江悠監督の『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』や園子温監督の『地獄でなぜ悪い』、『TOKYO TRIBE』などに出演し、国内でも活躍の場を広げている。

1作目の『ムカデ人間』は日本でなかなか公開されなかったようだが。それでも下劣過ぎる内容が、逆にネットで興味を呼び公開に至ってしまった。俳優の道というのも何がチャンスになるかわからないものである。

-ホラー, 洋画

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