映画を観る前に知っておきたいこと

【ロパートキナ 孤高の白鳥】世界一の「瀕死の白鳥」

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ロパートキナ 孤高の白鳥

あなたはウリヤーナ・ロパートキナを知っているだろうか?彼女はバレエの神に愛された伝説のバレエダンサーだ。

ロシアで最も古い歴史と伝統をもつマリインスキーバレエ団のプリンシパルダンサーであるロパートキナの“白鳥”は世界一と称される。本作はそんな彼女が踊り始めた理由から、過酷なリハーサル風景、愛娘とのプライベートショット、貴重な舞台映像まで紹介した圧巻のドキュメンタリー。

世界に先駆け、日本先行公開!

  • 製作:2015年,フランス
  • 日本公開:2016年1月30日
  • 上映時間:93分
  • 原題:『Ulyana Lopatkina: A Russian Star』

予告

あらすじ

“ロシアで最も格調高いバレエ団”と讃えられ、世界五大バレエ団の一つマリインスキー・バレエ。チャイコフスキーの名曲にマリウス・プティパが振り付けた三大バレエ「白鳥の湖」「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」を世に送り出したことでも知られる。ロパートキナ 孤高の白鳥ロシアにはあのボリショイ・バレエ団もあり、200年以上の歴史を誇るこのバレエ王国で、20年もの間頂点に君臨するプリンシパルがウリヤーナ・ロパートキナだ。29歳で長女マーシャを出産した時もその座を譲ることはなかった。彼女の踊る“白鳥”は世界一と評されている。1991年に入団し、プリンシパルに昇格した95年以来、第一線で活躍を続ける彼女は、なぜ踊り始めたのか?カメラは母校のワガノワ・バレエ・アカデミーを訪問した彼女を追い、少女の頃の厳しい修業時代に関する意外な告白を捉える。ロパートキナ 孤高の白鳥マリインスキーの稽古場での過酷なリハーサル風景や、最愛の娘とのプライベートショット、貴重な舞台映像もふんだんに紹介。それらを通じて、舞台の客席からは見えない、つま先の繊細な動きから指先に込められた想いまでを映し出す。ロパートキナ 孤高の白鳥劇中で見られる演目

  • 愛の伝説
  • マルグリットとアルマン
  • レ・シルフィード
  • 病めるバラ
  • ロシアの踊り
  • イン・ザ・ナイト
  • ステイン・アライブ
  • カルメン
  • ダイヤモンド
  • 瀕死の白鳥
  • ヨハン・シュトラウス・ボール   他

映画を見る前に知っておきたいこと

ロパートキナの「瀕死の白鳥」

バレエは完全に芸術の領域なので、とにかく敷居が高いというイメージがある。もともと貴族の娯楽として発展してきた歴史があるせいか、世界でも敷居が高いというイメージは共通している。僕もバレエというものが気になったことはあったが、一体何を見ればいいのか、どう楽しめばいいのか、何もわからないので結局触れる機会を得れずにいた。

ある時、なんとなく世界一と称されるバレエダンサーを探してみようと思い、検索してみたことがあった。そしてその時行き着いたのがウリヤーナ・ロパートキナだった。何もわからないままとりあえず彼女が世界一と称される「瀕死の白鳥」という演目を見てみた。かなり衝撃を受けたのを覚えている。

バレエのことはわからないので、何が凄かったか詳細に説明することはできないが、とにかくその美しさと演技力に圧倒されてしまった。ダンスというジャンルでありながら、それは完全に瀕死の白鳥だった。激しさはないその動きは、異様な迫力があった。まるで人間ではないような動きだった。

ロパートキナの「瀕死の白鳥」を見て以降は、バレエのドキュメンタリー番組や映画も見るようになった。9月に公開された『ボリショイ・バビロン』は、史上初のボリショイ・バレエ団の舞台裏を映したドキュメンタリーだった。こちらはダンサー個人というよりはバレエ団に焦点を当てた作品だった。この作品によって舞台以外での物語に触れる事ができた。

僕が見たロパートキナの「瀕死の白鳥」の動画を貼っておくので、一度だけでも試しに見てほしい。なかなかバレエのドキュメンタリー映画を見ようとは思わないのも当然のことだが、入り口にはなってくれるはずだ。

ウリヤーナ・ロパートキナ 「瀕死の白鳥(Dying swan)」

プリンシパルとは?

ロパートキナは、ロシアで最も歴史が古く、最も格調高いマリインスキーバレエ団のプリンシパルダンサーと紹介されているが、プリンシパルがバレエ団の中でどのような存在なのか簡単に説明しておく。

プリンシパルとはそのバレエ団の中でトップの階級にあるダンサーのことを指す。基本的には主役しか踊らないダンサーのことである。一般的に主役を踊る女性ダンサーのことをプリマと言うが、プリンシパルは男性ダンサーも任命される。

そんな特別なポジションであるプリンシパルの座を20年に渡って務めることはもの凄いことだ。ましてやそれがマリインスキーバレエ団なら尚更だ。29歳で長女マーシャを出産した時もその座を譲ることはなかったというのも凄い話だ。ロパートキナのあの筋肉を見ても、ストイックなまでの鍛錬の賜物であることがわかる。

本作では、そんなロパートキナの素顔まで知ることができる。普通の女性としての一面も垣間見えるし、母親としての顔もある。間違いなくその魅力に惹かれていくはずだ。劇中で最も印象的だったロパートキナの言葉が、20年に渡ってプリンシパルを務められた理由を聞かれた時の答えだった。

「名声は忘れることね。何も知らない小学生のように。」

この言葉からは現在の地位を築いてもなお、向上心の固まりであることが伺える。彼女は生粋のダンサーであり、探求者である。バレエを芸術と感じるのは彼女のような存在がいるからだ。

-ドキュメンタリー, 洋画
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