「第11回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞」「マンガ大賞2013」を受賞した吉田秋生のマンガが実写映画化。監督は「そして父になる」「誰も知らない」などで国際的にも評価の高い是枝裕和だ。第68回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された。
主人公の四姉妹を演じるのは、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず。両親を許せない長女と、自分を許せない四女、それぞれの想いが複雑に絡み合いながら、四人が本当の家族になっていく一年間の物語。
Contents
- 1 予告
- 2 あらすじ
- 3
映画を見る前に知っておきたいこと
- 3.1 漫画:海街Diary
- 3.2 登場人物
- 3.3 漫画版のあらすじ(全6巻)
予告
あらすじ
鎌倉に暮らす香田 幸(綾瀬はるか)、佳乃(長澤まさみ)、千佳(夏帆)の3姉妹のもとに、15年前に家を捨てて出て行った父の訃報が届が届いた。葬儀に出席するために赴いた山形で、3人は腹違いの妹・すず(広瀬すず)と出会う。
既に母も亡くなっていて、一人ぼっちになってしまったすず。それでも葬儀の場では背筋を伸ばし、毅然と立ち振る舞っていた。父の再々婚相手はずっと泣きっぱなしだというのに、すずは涙ひとつ見せない。幸はそんな子供らしくないすずの振る舞いを見て、自分と似た何かを感じ取ったかのようだ。
「父の看病をずっとあなたがしてくれたんでしょう?ありがとう。父も喜んでると思う。」
看護師である幸は、再々婚相手の度量を推し量って、すずにそう声をかけた。それを聞いて、堰が切れたように泣き出すすず。すずのそんな姿を見て、3姉妹も初めて父親を懐かしみ、涙を流す。
「すずちゃん、鎌倉で私達と暮らさない?」
「行きます!」
すずは即答してその申し出を受け、四十九日の翌週から鎌倉へ。香田家の四女として新しい生活を始めるのだった。
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映画を見る前に知っておきたいこと
漫画:海街Diary
この物語は、吉田秋生による漫画が原作となっている。吉田秋生は是枝監督の映画『海街Diary』を見て「幸せな時間でした。そしてなんだかちょっぴりくやしかった。」と賛辞を送った。
第11回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、マンガ大賞2013受賞。個人的には、宝島社の「このマンガがすごい!」2012年のオンナ編7位にリストアップされていることに注目している。「このマンガがすごい!」はどれを読んでもハズしがほとんどない。
物語の内容はあらすじの通り。さらに、同じく吉田秋生の漫画『ラヴァーズ・キス』というクロスオーバー作品も存在する。『ラヴァーズ・キス』も2005年に映画化されていて、『海街Diary』で次女・佳乃の元カレとして登場する藤井朋章が主人公だ。『ラヴァーズ・キス』を知っている人は、その辺りも楽しめる所。
登場人物
登場人物の設定はかなり細かくて深い。映画で全てが語られるのか少し不安になるほど。というわけで、補足というわけではないが簡単にこの物語の中心となる四姉妹を紹介したい。どのキャラクターも人間臭くて愛着が湧く。
しかし飽くまで漫画版。そもそも佳乃はアフロではないし、削ってある設定やなんかもあるかも知れない。どこまで原作に忠実に作ってあるかも分からないので、飽くまで漫画に登場したキャラクターだと思って読んで欲しい。
長女・香田幸(29)
内科病棟に勤務する看護師。生真面目なしっかりした性格は教師だった祖母譲り。母とは全く反りが合わず、会う度に衝突している。母は父の不倫で離婚が成立した直後に、娘達を大叔母に押し付けて男の所へ逃げたのだ。幸はその事を今でも憎んでいる。
同じ病棟の小児科医・椎名和也と絶賛不倫中3年目。彼と上手くいかない事があると果物を大量に買ってくる。
次女・香田佳乃(22)
地元の信用金庫で働いている。仕事柄、お金のことにはかなりシビア。酒癖が頗る悪い上に男運も極めて悪く、ホストに100万ほど貢いだ過去がある。
『ラヴァーズ・キス』の主人公、藤井朋章と付き合っていたが、外資系企業で働いていると嘘をついていた。朋章の方も大学生と偽っていて、お互いの嘘がバレた折に破局。それ以降は恋愛事には縁がない。
三女・香田千佳(19)
スポーツ用品店勤務。掴み所のない破天荒な性格で、父の葬儀の前日にアフロヘアーにするなど、色々とぶっ飛んでいる。歳が違いのもあって、すずとは一番仲が良い。
四女・浅野すず(13)
父が亡くなって消沈しているが、普段は積極的で明るくしっかりした性格。病気で母が亡くなるまでは仙台でサッカーをやっていて、全国大会で優勝したこともある「青山JFC」のレギュラーだった。
漫画では、「湘南オクトパス」というチームに入り、あれやこれやと青春の日々を過ごす。
漫画版のあらすじ(全6巻)
漫画のあらすじは以下の通り。映画では”1年を描いた”ということなので、映画化されたのは3巻までだろう。映画がどこまでプロットをいじっているかは分からないが、ネタバレするかもしれない内容なので注意されたし。
原作は全く知りませんでした。
映画版は今風の映画にありがちな どんでん返しや派手なたところはありませんがそのかわりに登場人物の心の きび さりげない日常が丁寧に描かれていて 往年の小田作品を彷彿とさせるシーンが素敵でした。
コメントありがとうございます。
是枝裕和監督は、派手な演出よりもさりげない日常を大事にするような作風であるように思います。その辺りがカンヌ国際映画祭を始め、ヨーロッパで高い評価を受ける理由にもなっていると思います。
感動。なんだか涙が、あふれた。
映画も観てDVDも何度も繰り返し観ています。
心がざらついたり不安になる時 海街を観るとやすらぎます。
私にとって最近の映画の中では大ヒットです。
次回作を期待しています。