映画を観る前に知っておきたいこと

ホワイトリリー
耽美的な世界を追求したレズビアン映画

投稿日:2017年1月5日 更新日:

ホワイトリリー

甘美な蜜の虜になる ──

日活の成人映画レーベル「ロマンポルノ」の45周年を記念し、日本映画界の第一線で活躍する監督たちが新作ロマンポルノを手掛ける「日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」最終作!

ロマンポルノの名匠・小沼 勝監督の元で助監督として学び、後に『リング』(98)で日本映画界にホラーブームを巻き起こした中田秀夫監督がロマンポルノに挑む。女同士の究極の純愛に果てにある恐怖。そこは踏み込んではならない秘密の花園 ──

女性陶芸家の師匠との愛に溺れていくヒロインはるかとして、美貌の女優・飛鳥 凛が初めてヌードを披露し、相手役の登紀子を演じる山口香緖里と共に体当たりで挑んだ、女同士の濃厚なラブシーンが「日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」を締め括る。

予告

あらすじ

閑静な住宅街で陶芸教室を開く有名陶芸家・登紀子(山口香緖里)と住み込み弟子のはるか(飛鳥 凛)、傷ついた過去を慰め合うように寄り添い生きてきた二人は特別な関係にあった。

ホワイトリリー

© 2016 日活

ある日、登紀子は有名陶芸家の息子・悟を新弟子として迎え、強引に住み込ませた。登紀子が悟に関係を強要するようになったことで、それぞれの愛が暴走しはじめる……

映画を観る前に知っておきたいこと

記念すべきプロジェクト第1作にして28年ぶりとなるロマンポルノの口火を切ったのは、退廃的かつ官能的な大人のラブストーリー『ジムノペディに乱れる』だった。対照的に、性を軽妙かつ自由に描き出したオフビート活劇『風に濡れた女』。ロマンポルノ初期の傑作『牝猫たちの夜』にオマージュを捧げながら、ジャーナリスティックな視点から現代社会を逞しく生きる女性の姿を映し出した『牝猫たち』。プロジェクト中、最も過激かつアナーキーな問題作としてロマンポルノの新たな可能性を模索した『アンチポルノ』。

より現代的かつ個性的な作品が並ぶ「日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」を締め括る作品『ホワイトリリー』は、かつてロマンポルノの一端を担った重要なテーマに挑む。

耽美的な世界の追求

セクシャル・マイノリティへの理解がまだまだ希薄だったロマンポルノ全盛の時代、レズビアンは女性を深く見つめるためのひとつの題材だった。

中田秀夫監督がかつて師事したロマンポルノの名匠・小沼 勝も『レズビアンの世界 恍惚』(75)や『女囚 檻』(83)などで、秘密の花園に足を踏み入れた監督の一人だ。

中田監督はそんな師匠に敬意を込めるように、「日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」でレズビアンの世界に挑む。物理的な到達点を目指す男女の交わりではなく、エモーショナルな交わり合いを描く女性同士のラブシーンの方が美しく耽美的に表現できると考えた中田監督が、時代と共に移り変わった価値観までも浮き彫りにする。

「師匠として尊敬する小沼監督の作品はラブシーンに遊びがあり、象徴的な見せ方をしていました。耽美的な世界を自分の作品で生み出そうと考えた時に出てきたテーマが、レズビアンだったのです」

中田秀夫

出典:eiga.com

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