繰り返しは退屈だ ──
昔のオレはどこにもいない。
“ジャズの帝王”と呼ばれた男マイルス・デイヴィス。彼の輝かしいキャリアには創作活動を休止した“空白の5年間”があった。本作は、マイルスの知られざるその5年間にスポットライトを向け、史実とフィクションを織り交ぜながら彼の実像を映画化した意欲作。
この念願の企画で監督デビューを飾り、トランペットの特訓を積んでマイルスの外見、性格、仕草を完璧なまでに体現してみせたのは、『ホテル・ルワンダ』(04)でアカデミー賞にノミネートされたドン・チードル。
マイルスが遺した珠玉の名曲を全編にフィーチャーし、エンディングでは彼の音楽性を今に受け継ぐ豪華ミュージシャン競演によるライヴ・シーンを実現。
最愛の妻との別れ、ドラック、襲い来る現実と幻想、そして天才であるがゆえの創作の苦しみや隠遁願望……いま初めて明かされる天才の狂気と真実。
没後25年、マイルス・デイヴィス初の映画化!
Contents
- 1 予告
- 2 あらすじ
- 3
映画を観る前に知っておきたいこと
- 3.1 フィクションゆえのおもしろさ
予告
あらすじ
長らく音楽活動を休止中のマイルス・デイヴィス(ドン・チードル)の自宅に、彼のカムバック記事を書こうと音楽記者デイヴ(ユアン・マクレガー)が押しかけてくる。しかしドラッグと酒に溺れるマイルスは、創作上のミューズでもあった元妻フランシスとの苦い思い出にも囚われ、キャリア終焉の危機に瀕していた。
やがてデイヴと行動を共にするうちに、悪辣な音楽プロデューサーに大切なマスターテープを盗まれたマイルスは、怒りに駆られて危険なチェイスに身を投じていく。
その行く手に待ち受けるのは破滅か、それとも再起への希望の光なのか……
Sponsored Link映画を観る前に知っておきたいこと
まさかマイルス・デイヴィス初の映画が伝記とは。いつか撮られる彼の映画は音楽ドキュメンタリーだと勝手に思い込んでいた。しかもフィクションを意図的に織り交ぜた、ドン・チードルによるかなり挑戦的な作品となっている。
それゆえ、本作ではマイルスの音楽性以上にその人物像がフューチャーされる。その生き様から迫るマイルスの実態は、どこまでがリアルで、どこからがフィクションかわからない幻想に溢れている。
フィクションゆえのおもしろさ
もちろん、実際のマイルスのキャリアの中にも“空白の5年間”は存在している。それは1975年の来日時、大阪でのライブ録音を最後に1980年に活動を再開するまでの5年間だ。
この“空白の5年間”、マイルスは一度もトランペットを手に取ることはなかったと言われている。そしてドラックに溺れた彼は共に音楽を追求した仲間からも見限られていた。酒とドラッグとセックスに明け暮れていたとされるこの空白の期間にこそ、彼の物語を脚色する余地が残されているのだ。
“空白の5年間”が映画の中心的なプロットとなっているため、この物語はフィクションとして捉えるのが正解かもしれないが、監督兼マイルス役を務めたドン・チードルの作品に対する作り込みは徹底している。
自身の役作りもさることながら、ライブシーンではマイルスとの共演経験もあるハービー・ハンコック、ウェイン・ショーターら、一線級のミュージシャンを起用し、マイルスの精神を音楽からも再現している。
ドキュメンタリーにはない映画としてのおもしろさを追求しながら、マイルスに対する敬意に裏付けられたファンも魅了する作品だ。
作品データ
原題 | 『Miles Ahead』 |
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製作国 | アメリカ |
製作年 | 2015年 |
公開日 | 2016年12月23日 |
上映時間 | 101分 |
映倫区分 | PG12 |
キャスト
キャスト | ドン・チードル |
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ユアン・マクレガー | |
エマヤツィ・コーリナルディ | |
キース・スタンフィールド | |
マイケル・スタールバーグ |
監督・スタッフ
監督 | ドン・チードル | 脚本 | スティーブン・ベーグルマン |
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ドン・チードル | |
製作 | ダリル・ポーター |
ビンス・ウィルバーン | |
ダニエル・ワグナーetc. | |
製作総指揮 | マーク・アミン |
カシアン・エルウィズ | |
シェリル・デイビス | |
エリン・デイビスetc. |