映画を観る前に知っておきたいこと

【ボリショイ・バビロン】華麗なるバレエの舞台裏

投稿日:2015年8月30日 更新日:

ボリショイ・バビロン 華麗なるバレエの舞台裏

世界三大バレエ団のひとつボリショイ・バレエ団。創立から240年の歴史を持つロシアの至宝であり「秘密兵器」とまで言われる、そのバレエ団は頑なに閉ざされ続けた世界であった。これまでその世界にカメラが入ったことはなく、本作が史上初のボリショイ・バレエ団の舞台裏を映したドキュメンタリーである。

マリーヤ・アレクサンドロワ、マリーヤ・アラシュ、スヴェトラーナ・ザハーロワらスターダンサーによる、「ラ・バヤデール」「白鳥の湖」などの華やかなステージや、ここでしか見られない練習風景もさることながら、2013年に起こったボリショイ・バレエ団の元スターダンサーにして芸術監督のセルゲイ・フィーリンが何者かに顔面に硫酸を浴びせられるという世界を震撼させた事件の真相に迫る。逮捕されたのは、同じボリショイ・バレエ団のソリストのパーヴェル・ドミトリチェンコだった・・・

監督は、殺人を犯してロシアの刑務所に収監されている受刑者を撮った作品『The Condemned』でも共同監督であったニック・リードとマーク・フランチェンの二人である。製作総指揮は、『マン・オン・ワイヤー』『シュガーマン 奇跡に愛された男』でアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を2度受賞したサイモン・チン。そして、もう一人製作総指揮を務めたのはマクシーム・ポズドローフスキンであり、彼らスタッフ全員がドキュメンタリー作品に特化したスペシャリストたちである。

華麗なるアートと社会的事件の融合が、観客をスリリングかつドラマティックな世界に引き込む。

  • 製作:2015年,イギリス
  • 日本公開:2015年9月19日
  • 上映時間:87分
  • 原題:『Bolshoi Babylon』

予告

あらすじ

2013年1月、ボリショイ・バレエ団の元スターダンサーにして芸術監督のセルゲイ・フィーリンが何者かに顔面に硫酸を浴びせられるという衝撃の事件が起こった。逮捕されたのはなんと、同じボリショイ・バレエ団に所属するソリストのパーヴェル・ドミトリチェンコだった。セルゲイ・フィーリンが多くの新しいダンサーを入れバレエ団が分裂したことが発端となり、動機は二人がキャスティングを巡って対立していたことであった。そして、事件の背景に隠された、熾烈な勢力争い、嫉妬、横領、賄賂などのスキャンダルが暴かれていく。やがてパーヴェル・ドミトリチェンコに判決が下されるも、バレエ団の混乱は収まらなかった。ボリショイ・バビロン 華麗なるバレエの舞台裏事件の傷跡を残すボリショイ・バレエ団。片目を失明したフィーリンが芸術監督として復帰しシーズンが開幕するが、事件後退団するスターダンサーが続出してしまう。そんな中、バレエ団を国際政治に利用しようとする政府によって新しい総裁としてウラジーミル・ウーリンを送り込まれる。ウラジーミル・ウーリンとフィーリン、この二人もかつて反目し合った仲だった。カメラは彼らがぶつかる決定的瞬間を逃さない。ボリショイ・バビロン 華麗なるバレエの舞台裏それでも世界一のバレエ団で踊り続けるダンサーたち。そして、ケガに苦しみ年齢の限界と闘うダンサーを支えるスタッフ。それぞれの葛藤を抱えながら、240年の歴史を持つロシアの至宝と言われるボリショイ・バレエ団の誇りを取り戻す戦いが描かれる。彼らの願いはひとつ、最高の舞台を創ることだった。ボリショイ・バビロン 華麗なるバレエの舞台裏ボリショイ十八番『ラ・バヤデール』の影の群舞、『白鳥の湖』のリハーサル風景、プリンシパル(バレエ団の中のトップダンサー)たちの練習風景を通して、華やかなボリショイ・バレエ団の影の部分を映し出す。


映画を見る前に知っておきたいこと

世界一のバレリーナ

バレエというと免疫のない人には、かなり敷居が高く感じてしまうだろう。僕もその一人だ。しかし、以前に興味があって少しだけ調べたことがあった。どんな芸術で、何がすごいのか。とりあえず、世界一と称されるようなバレリーナの演目を見てみようと思い、行き着いたのがウリヤーナ・ロパートキナ (Ulyana Lopatkina)だった。彼女はボリショイ・バレエ団ではないが、ロシアで最も古い歴史と伝統をもつマリインスキーバレエ団のプリンシパルダンサーで、彼女もまたロシアの至宝と呼ばれていた。ウリヤーナ・ロパートキナの「瀕死の白鳥(Dying swan)」は世界一だと言われていたので、動画を探して見てみたのだが・・・

何もバレエのことをしらない僕でも、とにかく凄いと感じた。本当に知識がないので、それをなんと表現していいかわからないのだが。美しいとも思った、激しい動きではないのに迫力みたいなものも感じた、圧倒されたような気もする。短い動画だったが見入ってしまっていた。陳腐な言葉でしか説明できないのが申し訳ないが、本気で白鳥だと思った。この動画なら、ひょっとしてらバレエに何も興味がない人でも何か感じるものがあるんじゃないかと思う。試しに一度見てほしい。映画が見たくなるかもしれない。
ウリヤーナ・ロパートキナ 「瀕死の白鳥(Dying swan)」

ボリショイ・バレエ団で踊り続けた日本人

ボリショイ・バレエ団で外国人として初のソリストを務めた日本人がいる。彼の名前は岩田守弘。166センチという身長のハンデがありながらも、卓越した技術力を誇り、道化や悪魔などの個性的なキャラクターと言われる役のスペシャリストであった。彼の実力なら他のバレエ団であれば主役を務めれたという。それでも、引退するまでボリショイ・バレエ団に拘り踊り続けた。とにかくロシアのバレエが大好きだと常に言っていた。

引退の理由も、ボリショイ・バレエ団で踊れる実力を維持できないと判断したからだった。その拘りと貫徹した心の強さは賞賛しかない。こうした一人の日本人バレリーナの生き様からバレエに興味を持ってみるのもいいと思う。本作とはあまり関係ないが、WOWOWでは彼のドキュメンタリーを放送している。

-ドキュメンタリー, 洋画

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。