映画を観る前に知っておきたいこと

【カミーユ、恋はふたたび】中年女性が見た目はそのまま16歳の頃にタイムスリップ!

投稿日:2015年9月27日 更新日:

カミーユ、恋はふたたび

第65回カンヌ国際映画祭SACD賞、第65回ロカルノ国際映画祭ピアッツァ・グランデ賞ほか、フランスのアカデミー賞であるセザール賞で最多13部門にノミネートされた話題作。『ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール』などで女優としても活躍する、現在フランスで最も注目されている女性監督ノエミ・ルヴォウスキーが監督・脚本・主演を務めるコメディドラマ。

25年連れ添った夫から離婚を言い渡された中年女性が、見た目はそのままで16歳の学生時代にタイムスリップし、2度目の青春を通して人生を見つめ直す姿を描く。

本国フランスでは並みいるメジャー作品を抑え、100万人を動員する大ヒットを記録。ネーナの「ロックバルーンは99」や、カトリーナ&ザ・ウェイヴスの「ウォーキング・オン・サンシャイン」をはじめとする懐かしの名曲たちと、「アメリ」「ミックマック」「イヴ・サンローラン」の衣装担当として名を馳せたマデリーン・フォンテーヌによる80年代ファッション、本作は鮮やかでポップな世界観に彩られた大人の夢物語だ。


  • 製作:2012年,フランス
  • 日本公開:2015年10月31日
  • 上映時間:115分
  • 原題:『Camille redouble』

予告

あらすじ

パリ在住、40歳のカミーユは人生の折り返し地点を迎えている。そんな彼女は、25年連れ添った旦那に突然離婚を言い渡されてしまう。どん底のカミーユは、気分転換のために出掛けたパーティーで大はしゃぎ、酔っ払って転倒してしまい意識を失う。目覚めると、彼女は学生時代にタイムスリップしていたのだった……カミーユ、恋はふたたび
姿は40歳のままなのに、周囲には16歳に見えているカミーユ。彼女は違和感を抱えながらも、今は亡き大好きな両親や個性的な友人たちと、2度目の青春を謳歌する。カミーユ、恋はふたたび人生を見つめ直す機会を得たカミーユ、そこに恐れていた若き日の旦那との出会いが再び訪れる……


映画を見る前に知っておきたいこと

ヒットの要因は大人なら誰もが一度は考えることがテーマだから

本国フランスでは並みいるメジャー作品を抑え、100万人を動員する大ヒットを記録した本作。それは、「今の自分のまま若い頃に戻れたら……」という、大人なら誰でも一度は考えてしまうテーマに、多くの人たちが興味を持ったからではないだろうか。しかし、フランスのアカデミー賞であるセザール賞で最多13部門にノミネートされたが、受賞を果たさなかったのは、芸術性の高い映画が多いフランス映画の中で、そのテーマのわかり易さゆえだったのかもしれない。(最多13部門にノミネートされている時点で評価はされているわけだが。)もちろん他の作品との兼ね合いもあったと思うが、「今の自分のまま若い頃に戻れたら……」というテーマには俗っぽさを感じてしまうのも事実だ。

それでもカンヌ国際映画祭監督週間においてはSACD賞を受賞している。カンヌ国際映画祭監督週間とは、「政治的配慮や商業的思惑などを排除して自由な立場で世界中の監督を紹介すること」を目的とし、今では本選のコンペティション部門と並ぶ人気部門となっている。カンヌ国際映画祭監督週間では本作のような作品はあまり選ばれないイメージもあるのだが、監督週間の理念から考えると単純におもしろい映画だったのだろうと思う。

セザール賞で最多13部門にノミネートや、カンヌ国際映画祭監督週間においてはSACD賞の受賞、100万人を動員する大ヒットを記録したこと、それは「今の自分のまま若い頃に戻れたら……」というテーマ同様に万人に受ける、誰が見てもおもしろい映画の証明だと思う。受賞歴や興行的な数字は映画の本質を表すものではないが、この3つの評価はなかなか起こりえないので、あえてこの作品の本質を表していると言いたい。

現在フランスで最も注目されている女性監督ノエミ・ルヴォウスキー

本作の監督であるノエミ・ルヴォウスキーは、『ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール』(2001)で女優としても活躍しており、デビュー作であったにも関わらずセザール賞・助演女優賞にノミネートされた。本作では主演を務めているし、監督に加え脚本まで手掛けている。才能にあふれる彼女は現在フランスで最も注目されている女性監督である。

「今の自分のまま若い頃に戻れたら……」という本作のテーマは彼女の視点によって描かれるので、女性が見るとよりいっそうおもしろい作品だと思う。実際、主演まで務めているので彼女が考えていることをそのまま表現しているようにも感じる。作品のヒットは映画に共感したのではなく、彼女に共感したということだと思う。

僕も、「今の自分のまま若い頃に戻れたら……」と考えたことが幾度もある。ばかばかしいが、誰もが考える。正直、男性視点の本作を見てみたいと思った。

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