映画を観る前に知っておきたいこと

誰のせいでもない
巨匠ヴィム・ヴェンダースの新たな挑戦!

誰のせいでもない

一つの事故。一人の男。三人の女。

すべては雪の日に始まった。ドイツの巨匠ヴィム・ヴェンダースがサスペンスフルに映し出す、揺れ動く感情のランドスケープ(風景)。

『パリ、テキサス』(84)『ベルリン・天使の詩』(87)などの名作や『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(99)『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』(11)などの大ヒットドキュメンタリーで知られるヴェンダース監督7年ぶりの劇映画!しかも『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』で見せた3D映像をさらに進化させて新たな映像表現に挑んでいる。

自らが発見したノルウェーの作家ビョルン・オラフ・ヨハンセンのオリジナル脚本を得て、“罪悪感と赦し”というテーマを、時に繊細に、時に大胆に、心の奥をカメラで覗き込むようにして、人間の感情こそがいかにサスペンスフルかを見せつける!

「誰のせいでもない」その優しい言葉の裏側で心は激しく揺れ動く……


予告

あらすじ

冬の夕暮れ。作家のトマス(ジェームズ・フランコ)は雪が視界をさえぎる田舎道に車を走らせる。すると突然、丘からソリが滑り落ちてくる。車はブレーキをきしませて止まった。静寂……そこには車の前で虚ろに座り込んでいる幼い少年がいた。幸い怪我もないようだ。ほっとしたトマスは彼を家まで送る。しかし、少年の母ケイト(シャルロット・ゲンズブール)は弟がいないことに気付く……

誰のせいでもない

© 2015 NEUE ROAD MOVIES MONTAUK PRODUCTIONS

この悲劇的な事故は、トマスの過失によるものではない。弟にあと少しの注意を払うべきだった小さなクリストファーの責任でも、そしてまた、もっと早く家に帰るように息子たちに言えたはずのケイトの責任でもない。

事故はトマスの心に大きな傷を残し、そのせいで恋人サラ(レイチェル・マクアダムス)との関係は壊れてしまう。トマスにできることは、ただ書き続けることだけ。しかし、他人の悲しみをも含んだ自らの経験を書く権利が、彼にあるのだろうか?ようやく書き上げた小説は、トマスに新しい扉を開かせることになった。

誰のせいでもない

© 2015 NEUE ROAD MOVIES MONTAUK PRODUCTIONS

月日が流れ、やがてトマスは作家として成功を収め、編集者アン(マリ=ジョゼ・クローズ)とその娘ミナと新しい生活を始めようとしていた。一方、ケイトやサラもまたそれぞれの人生をゆっくりと歩み、すべては良い方向に進んでいると感じはじめた頃、11年前に5歳だったクリストファーからトマスのもとへ一通の手紙が届く……


映画を観る前に知っておきたいこと

映画ファンにはたまらないヴィム・ヴェンダース監督最新作。前2作がドキュメンタリーだったので、劇映画は実に7年ぶり!巨匠と呼ばれても、未だ失敗を恐れない芸術家としての挑戦と魂を感じる意欲作。

しかしそれゆえ、観客を置き去りにする危険性をはらんでいる。作品の真意を掴むには3Dで鑑賞する必要があったり、ヴェンダース監督のことを知る努力が求められるなど、少し敷居の高い映画だ。

ヴィム・ヴェンダース監督

1967年から映画監督としての道を歩みはじめたヴィム・ヴェンダース監督。その長いキャリアで数多の映画賞を獲得し、常に新しい挑戦で映画ファンを魅了したドイツを代表する映画監督だ。

ちょうどヴェンダース監督が映画を撮りはじめた頃、ドイツ映画にも“ニュー・ジャーマン・シネマ”と呼ばれる新しい波が起こった。“ニュー・ジャーマン・シネマ”とはフランス映画でいう“ヌーヴェルヴァーグ”のような運動であり、事実その影響下にあった。

“新しい波”を意味する“ヌーヴェルヴァーグ”同様、ドイツでも既存の映画を否定し、作家とその個性に重きを置いた芸術的な作品が生み出されていった時代であった。ヴェンダース監督はその潮流の担い手としても知られる。

そして1984年、西ドイツとフランスの合作で製作された『パリ、テキサス』は、ヴェンダース監督の代表作であると同時に今ではロードムービーを代表する名作となっている。テキサスを一人放浪していた男の妻子との再会と別れを描いたこの作品で、その年、フランス映画賞の頂点であるカンヌ国際映画祭のパルム・ドールを見事受賞した。

この時代、フランス“ヌーヴェルヴァーグ”の影響を受けた“ニュー・ジャーマン・シネマ”を代表する監督たちの多くがカンヌで評価された。

今も生きる“ニュー・ジャーマン・シネマ”の魂

『パリ、テキサス』以前の1974〜76年に撮った『都会のアリス』『まわり道』『さすらい』の3本はヴェンダース監督の「ロードムービー3部作」として映画史に刻まれている。ロードムービーの旗手として知られるヴェンダース監督だが、キャリアを通じてドキュメンタリーを撮ることも多い。

ロードムービーやドキュメンタリーを得意とする監督だけに、その作風はどこか淡々としている。しかし、そこには揺れ動く感情とリアリティ、そして新たな挑戦が常にある。

本作もサスペンスフルでありながらヴェンダース監督らしい世界観は健在だ。淡々と描かれる物語の中に映し出される感情の動き、リアリティ、それらを3Dで表現しようとする挑戦。

“ニュー・ジャーマン・シネマ”はひとつのムーブメントとしてとっくに終わりを告げているが、今でもヴェンダース監督の中にその魂を見ることができる。

「『誰のせいでもない』では多くのことがキャラクターの内部で起こり、まさにこの心の深い奥こそ3Dで語るに相応しい」

ヴィム・ヴェンダース監督

出典 公式サイトより

CAST.STAFF.BACK.

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