デートの定番、映画デート。デートスポットの中では無難なように見えて、実は思われているよりハードルが高かったりする。素敵なデートを実現するために超えなければならないハードルはいくつもあるが、今回は映画のチョイスについて。
初デートに臨む人からまだ日の浅いカップルの人たちに向けて、これまでたくさんの映画を予習してきたLuckyNowから「デートの映画の選び方」をご紹介しよう。
Contents
- 1
デートに向いている映画の傾向
- 1.1 無難な映画が好まれる理由
- 2
映画のプレゼンテーション
- 2.1 プレゼンのコツ
- 3 デートで一番大事なこと
- 4 あとがき
デートに向いている映画の傾向
さて、デートに向いている映画とはどんな映画だろうか。これは難しいテーマだ。とても個人的な好みの問題が関わってくるので、一概に「これを選べば間違いない」と言える作品がほぼないのがデートの映画選びの難しさ。
さらに男女が一緒にとなると、視点がかなり違ってきたりもする。そこが面白いところではあるのだが、チョイスが難しい理由のひとつにもなっている。
なので、一般的には“とにかく無難な映画”がデートには好まれる。例えば、知名度のあるものや分かりやすいエンターテメント作品など。例をあげていくつか紹介する。
この手の映画はとにかく分かりやすい。難しいことを考えずに動物園に行くノリで見に行ける上に、話題性抜群で誘いやすいのもポイント。さらにやらしい話をすると、吊り橋効果も狙えるという優れものである。
デートにチョイスするにはなかなかにハードルの低い良作だ。「第1作目の方が~」とか野暮なことを言ってはいけない。
好みが分かれるところではあるが、テッドの下品さを笑える相手なら文句なしに候補に入る。本当に下品なので、人によっては「こんな映画が好きなの?」と嫌悪感を抱かれかねない。そんな一面はあるものの、1作目が世界中で話題になったので「テッド」という単語だけで好き嫌いが分かる点で無難な作品だと言える。
無難なところを選ぶなら、アニメ映画全般は候補に入る。あまり子供っぽい作品はNGだが、例えば宮崎駿の作品なんかは話題性もあり、見やすくて深みもあるのでよく選ばれる。実写映画に比べると世界観に入り込みやすく、見る人を選ばないのがアニメ作品の良い所だ。
無難な映画が好まれる理由
実はこの記事を書く前にいろいろなサイトを飛び回って、デートの映画選びについて一通り勉強してきた。それぞれに食い違っている点もあるが、共通して言われていることは「無難な映画を選べ」ということ。
- メイクがボロボロになるので号泣する感動系はNG
- 視点が人による難しい映画はNG
- 男女の視点が違うので恋愛系は避けたほうが無難
- 気まずくなるのでR指定は避けたほうが無難
- コメディ全般は無難なチョイス
なぜこの様に無難な映画が勧められているのだろうか。その理由は、映画選びの一番重要なポイントに関係している。
デートの映画選びには、何よりもまずおさえておきたい重要なポイントがあるのだ。それは「選んだ映画を相手にどうプレゼンテーションするか」ということ。そうして見に行く前にお互いの視点を同じところに調整しておく作業が、実はかなり重要なフェーズである。
失敗談の多くは、この作業を軽視、あるいは無視してしまっていることが多い。
相手の興味も分からないまま探ろうともせず、本やインターネットに書いてあることを鵜呑みにし、そのまま突撃して痛い目を見るというパターン。自分の好きな映画に相手を付き合わせておきながら、相手に何の事前知識も与えずに突撃して痛い目をみるパターン。予告動画や宣伝文句に二人して騙されて「思ってたのと違う」パターン。
「映画のプレゼンテーション」はイコール「いかに相手にその作品に興味を持ってもらうか」を考える作業だ。話題性が高い無難な映画がデートに好まれる大きな理由は、その作業が比較的簡単、或いはしなくても何とかなるからである。
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映画のプレゼンテーション
誰かを誘うときは「こんな映画があるんだけど」と映画に関する情報をいくつか伝えることになるだろう。
例えば、2015年の5月に公開された『フォーカス』を例にとってみよう。
「ウィル・スミスが出てる詐欺師の映画があるんだけど」ではウィル・スミス好きかサスペンス好きならたぶん食いつく。もう少し踏み込んでいくと「アポロ・ロビンスっていう世界一のスリ師が監修してて、劇中のスリのシーンが神がかってる」と言われると興味の幅が広がってくる。
ちょっとマニアックな話を出すと「『グレン・フィカーラ&ジョン・レクア』という監督は、ラブロマンスという世の中にありふれたジャンルの中で、ものすごい新鮮な脚本を書いたことで世界中から評価を集めた」と言われると、“人によっては”一体どんな脚本なのかが気になってきたりする。
さらに極端な例
デートには絶対おすすめできない『ムカデ人間3』を例にあげてみる。
はっきりいってこんなに胸くそ悪くなる映画はない。このシリーズを考えた人はイカれてるとしか思えないが、そのイカれ具合に特定のファンがいたりもする。
「デートで映画を見に行く」ではなく「そこまで言われる胸クソのイカれた映画がどんなものかを試しに見に行く」というふうに、二人の立ち位置を明確にしてしまえばなしではない。※でも初デートとかでムカデ人間は絶対にやめたほうがいい。逆にこの映画を笑って見れる二人なら、磐石の関係を築けると思う。
プレゼンのコツ
プレゼンのコツは、自分が興味を惹かれたところを言葉にして伝えること。「映画を見に行く」の映画の部分を、別の言葉に言い換えてみることだ。
「86分間たった一人の出演者が車で電話しながら、そいつの人生が崩壊していく様を見に行く」「すごい可愛いテディベアがすごい下品な笑えないギャグを連発している様子を見に行く」「恋に恋する乙女の脳内会議の様子を見に行く」などなど。
そうすると映画という色んな人が色んな角度から見るものを、二人で同じ場所から眺めることができる。
シリアスな映画は視点を共有するのが特に難しいので、デートで見に行くにはなかなかオススメされづらい。逆に言えば、それさえできればどんな映画でもアリになってくる。
その辺が関係次第でもあり、実力次第でもあり、映画デートの難しさである。こう書くとなんだかものすごい難しいことのように思えてきたりもするが、何もそんなに構えることもない。選んだ映画そのものは、つまらなくても良いのだ。
デートで一番大事なこと
デートで見に行く映画は、ぶっちゃけつまらなくても大丈夫。というのも、デートで大切なのは“面白い映画を見ること”ではなく“経験を分かち合うこと”だったりする。映画が面白くなくても、デートが面白くなくなるわけじゃない。
映画を通じてどういう経験をしたのかを分かち合えればそれでOK。「全然面白くなかったね」と映画にツッコミを入れながら帰るデートも全然有り。何を面白くないと感じたのかというところに、興味深いという意味で面白さがあったりする。
映画の最中に相手が寝てしまっても全然OK。疲れてたのかな、好みじゃなかったかな、そんなのは相手に思いやりを見せるチャンスだと思えばいい。
「ホラー映画で吊り橋効果を狙って距離を縮める」とか「ラブストーリーで共感を得て関係を深める」とか色々なテクニックがささやかれているが、一番考えるべきことは「いかに相手を楽しませるか」ということ。映画デートに限った話ではないが、テクニックは最後の味付けをする上澄みみたいなもので、テクニックに頼った自分本位のデートは中身がスカスカで全くおもしろくない。
「いかに相手を楽しませるか」それさえ忘れなければ、どんなくだらない映画を選んでもきっと素敵なデートになるだろう。
あとがき
「デートで失敗しない映画選び」をおすすめしている記事が軒並み無難すぎたので、ちょっとは攻めてもいいんじゃないかと思い立ってこの記事を書くに至った。デートに向いているかどうかを作品に頼るのではなく、こちらから無理やりデート向けにしてしまおうという考え方だ。もちろん向き不向きはあるので、どれもこれもというわけにはいかないが。
好きなジャンルやストーリー展開、俳優など、好みや興味は本当に人それぞれ。ましてや男女となると一致する方が珍しいだろう。その距離感を歩み寄って縮めていく方法の一つとして、参考になれば幸いだ。
執筆者が男なので、かなり男目線に寄った記事になってしまった。女性目線から読むと、また違う考え方があるのかも知れない。ぜひぜひ感想を頂きたいところです。
かなりの長文でしたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。