映画を観る前に知っておきたいこと

【エレファント・ソング】愛を渇望する青年と真実を追う精神科医の心理サスペンス

エレファント・ソング

14歳の時、目の前で母が自殺した。僕は死にゆく母の手を取り、母が教えてくれた「ゾウの歌」を歌い続けた。痛ましいほどに愛を求める青年と、彼に翻弄されながら真実を追う精神病院職員との緊迫の心理サスペンス。

主演にグザヴィエ・ドランを迎え、『スター・トレック』のパイク提督役で知られるブルース・グリーンウッド、『マトリックス』のトリニティことキャリー=アン・モス、『カポーティ』『マルコヴィッチの穴』のキャサリン・キーナーなど、映画界にその名を轟かせる名優たちが出演している。


  • 製作:2015年,カナダ
  • 日本公開:2014年6月6日
  • 上映時間:100分
  • 原題:『elephant song』
  • 原作:戯曲『elephant song』ニコラス・ビヨン

予告

あらすじ

エレファント・ソング
マイケルが14歳の時、有名なオペラ歌手だった母が目の前で自殺した。その後はずっと精神病院に入院している。それ以来マイケルは、ゾウについてのあらゆる事に異常に執着するようなった。病院では度々問題を起こし、その美しい見た目とは裏腹に、一番の問題児とされていた。

事の始まりは精神病院で起こった失踪事件だった。マイケルの担当医であるローレンス医師の姿が消えたのだ。院長のグリーンは、マイケルから何か手がかりを得ようと話を聞こうと試みるが、看護師長のピーターソンは「あの子は茶化すだけで、本当のことなど何も話さない。」とアドバイスをする。

そして、事情を聞いたマイケルは話をする代わりに、と3つの条件を出した。

  • 僕のカルテを読まないこと
  • ご褒美にチョコレートをくれることを約束すること
  • この件に看護師長を関わらせないこと

エレファント・ソング
グリーンは条件を飲んだ。しかし、マイケルはゾウやオペラの話や嘘か本当かも分からないような話でグリーンを翻弄する。「母を殺したのは僕だ。」「ローレンス医師からは性的虐待を受けていた。」眉をひそめて話を聞くグリーン。それはマイケルが仕掛けた巧妙な罠の入り口だった……

映画を見る前に知っておきたいこと

愛されたことなどなかった……

エレファント・ソング
愛されたことのない子供は、人を愛せない子供になる。心理学をかじったことのある人には特に興味深いテーマだと思う。舞台は精神病棟だ。精神病棟というと「イカれた奴らの収容所」のようなイメージがあるが、実際に足を運ぶと”普通”という価値観が如何にアンバランスな物の上に成り立っているかを思い知らされる。

マイケルの叫びは愛を求める行為だ、と最初に客観的な視点で説明されている。だから、そういう物語を見に行く腹づもりで迎え撃てる。しかし、何も知らされずに見ると、観客はマイケルをどういう人物だと思うだろうか。病院でなく、僕らが過ごす日常の世界ではマイケルはどういう人物に映るだろう。考えさせられるテーマだ。

グザヴィエ・ドラン

近年世界中で注目を集めている若き天才グザヴィエ・ドラン。美しきカリスマの異名を持ち、その存在自体が新世代の象徴とも言われている新鋭の映画作家だ。俳優としても高い評価を得ていて、『エレファント・ソング』の脚本を読むなり「マイケルは僕だ。ぜひ僕に演じさせて欲しい。」と熱烈にアプローチしたのだとか。

彼については過去に記事を書いたのでそちらを参照して欲しい。

こちらは2015年5月に日本で公開でされた『Mommy/マミー』。映画監督グザヴィエ・ドランの最新作だ。

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