映画を観る前に知っておきたいこと

攻殻機動隊:新劇場版 草薙素子の誕生秘話が遂に明かされる

投稿日:2015年5月11日 更新日:

攻殻機動隊 新劇場版

大人気シリーズ『攻殻機動隊』の最初の劇場版が公開されてから25周年。『新劇場版』は公安9課(通称:攻殻機動隊)が組織されるまでのストーリーを描いたと同時に、”少佐”こと草薙素子の誕生の秘密が遂に明かされる。

  • 製作:2015年,日本
  • 日本公開:2015年6月20日
  • 原作:漫画『攻殻機動隊』士郎正宗
  • 攻殻機動隊 (1)    KCデラックス 攻殻機動隊 (2)    KCデラックス 

ダイジェスト/予告動画

あらすじ

2029年3月、内閣総理大臣が暗殺された。先の大戦以来、最大にして最悪の事件だ。草薙素子の元上司、501機関に所属していたクルツ大佐も被害者の一人。素子はすぐにバトーやトグサ達を集めて捜査を開始。ただの寄せ集め集団の彼らに向かって素子はこう言い放つ。「お前らはただのパーツだ。パフォーマンスを発揮できない奴はパージする。」

捜査を開始して見えてきた事件の背後。それは戦後の義体開発の行く末を左右する技術的障害【デッドエンド】をめぐる政治的取引だった。さらには「洗脳、侵入、擬似記憶の形成」を同時に行う電脳ウィルス【ファイアスターター】の存在もチラついてくる。手がかりを追い捜査を進めていく中で、事件は草薙素子の生い立ちにも関わりを見せ始める。
攻殻機動隊 新劇場版暗躍する謎のサイボーグ、総理大臣暗殺の真相、”第三世界”の存在。そしてその先に張られている何者かの罠。一人で戦場へ向かう素子は、メンバーに最後の命令を出す。

「自分のゴーストに従え」

6人がそれぞれのゴーストに従い、個々のスタンドプレーが結果として最高のチームパフォーマンスを発揮する。そして今ここに”攻殻機動隊”が誕生する。

映画を見る前に知っておきたいこと

攻殻機動隊を見たことがない人のために

まずは攻殻機動隊を見たことがない人のために、シリーズの設定や時代背景などを簡単に解説する。

時代背景

攻殻機動隊第三次核大戦と第四次非核大戦を経て「地球統一ブロック」となった近未来の日本。科学技術が飛躍的に発展し、マイクロマシン技術を使用して脳の神経ネットに直接デバイスを接続する「電脳化技術」や「擬態化(サイボーグ)技術」が広くに普及した。そんな時代の犯罪攻性組織「公安9課」(通称:攻殻機動隊)の活動を描いた物語だ。

「ゴースト」とは、人間の意識や自我など漠然とした霊的なものを指している。あらすじで言われている「ゴーストに従え」とはそのまま「直感に従え」ということだが、高度に電脳化された社会では自己意識というものの概念が現実世界とはやや異なっているようだ。どの映像作品でも専門用語や時代背景についての詳しい説明はない。

攻殻機動隊シリーズ

攻殻機動隊25年前の1990年、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』は公開された。当時の日本ではあまりウケなかったが、海外に渡って火がつき、逆輸入という形で日本でもその人気を不動のものとする。劇場公開されたのは2作目の『イノセンス』3作目『攻殻機動隊S.A.C SOLID STATE SOCIETY 3D』に続き、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊:新劇場版』が4作目となる。ちなみに、ハリウッドではスカーレット・ヨハンソン主演で実写化されることも決まっている。

それぞれが同じ原作を元にした別の作品

攻殻機動隊 S.A.C『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』『イノセンス』では押井守、『攻殻機動隊 S.A.C』では神山健治、『攻殻機動隊 ARIES』『新劇場版』では黄瀬和哉と冲方丁(うぶかた とう)がそれぞれ総監督、脚本を務めている。

監督によってその作風や時代背景、草薙素子のキャラクター設定などが異なり、それぞれが同じ原作を元にした別作品とも言える。その為、時系列や設定などを知らずに全作品を見ようとすると混乱しやすく、気にはなっているもののどれから見ればいいのか分からないという人も少なくない。

どれから見ればいいのか

攻殻機動隊 S.A.C
押井守の『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』『イノセンス』は高度に電脳化された社会の中で、自身の存在意義を問う哲学的なテーマを扱っていた。対して、神山健治の『攻殻機動隊 S.A.C』は、先の2作品のパラレルワールドという設定で、社会問題を中心にすえて物語を展開させる。

どれも見応えのある充実した作品だが、新劇場版に備えてどれから見ようか迷っている人は『攻殻機動隊 S.A.C』シリーズをお勧めする。なぜならば、TVシリーズの『S.A.C』の方が、隊員たちの活躍が細かく描かれているからだ。攻殻機動隊の結成の秘話を見るのに、6人それぞれの隊員たちに愛着を持てたほうがより楽しめるというもの。

黄瀬和哉と冲方丁の『ARIES』は公安9課が組織される以前、草薙素子の所属していた501機関に焦点を当てている。『ARIES』では『新劇場版』に繋がるエピソードも描かれるので、ぜひ見ておきたい。

-アニメ映画

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