映画を観る前に知っておきたいこと

【はなちゃんのみそ汁】実話エッセイをもとにした暖かくて優しい闘病記録

投稿日:2015年11月30日 更新日:

はなちゃんのみそ汁

実話エッセイをもとに24時間テレビでドラマ化もされた「はなちゃんのみそ汁」の映画化。がんと闘病する中で娘と、命と向き合った一人の女性と家族の感動ドラマだ。

監督は『ペコロスの母に会いに行く』で脚本を担当した阿久根知昭。主人公の千恵を演じるのは国民的ヒロイン、広末涼子。恋人の信吾を滝藤賢一、娘のはなはオーディション1000人の中から選ばれた演技経験ゼロの赤松えみな。千恵の姉の松永志保を一青窈がそれぞれ演じている。


    • 製作:2015年,日本
    • 日本公開:2015年12月19日
    • 上映時間:118分
    • 原作:エッセイ「はなちゃんのみそ汁」安武信吾・千恵・はな著

予告

あらすじ

恋人の新聞記者・信吾との幸せな毎日を送っていた音大生の千恵。子供を生んで、家族を作って、幸せの道はどこまでも続いているかに見えた矢先、乳がんを宣告されてしまう。はなちゃんのみそ汁不安と恐怖に押しつぶされそうになる千恵に、信吾は彼女を支える決意をもってプロポーズをする。そして二人は夫婦になった。

がんとの闘病生活が始まり、抗がん剤治療の副作用で卵巣機能が低下していることもあり、二人は子供を作ることは諦めていた。しかしそんな中、千恵が妊娠していることが発覚する。

子供を産むということはがん再発のリスクを高め、自分自身の命を危険にさらすこと。

それでも千恵は周りの支えに勇気付けられ、悩んだ末に産むことを決意。出産は無事成功し、生まれてきた女の子に“はな”と名づけた。

家族3人の幸せな生活―。それは長くは続かなかった。千恵のがんが再発、病魔は千恵の余命を長くは残してくれなかった。

自分が娘に伝えられることは何だろう。食事療法に傾倒していた千恵は、はなが自分がいなくても生きていけるようにと、料理や家族の大切さを教えはじめる。はなちゃんのみそ汁


映画を見る前に知っておきたいこと

ブログから映画へ

この物語は、千恵さんと家族の癌との闘病記を綴ったブログから始まった。2012年にはエッセイとして発売され、大きく話題になった。

関連書籍も続けざまに発表され、娘さんの作文は道徳の教科書に採用されるなど、ある種の社会現象にまでなり、今回の映画化に至ったというわけである。

はなちゃんのみそ汁 作文 娘

はなちゃんのみそ汁 作文 娘

はなちゃんのみそ汁 作文 娘

余命いくばくかと告げられた千恵さんは、それでも生きることを諦めなかった。それは治る治らないとは全く別の次元で、自分が娘にしてあげられることを精一杯、そうして今日を生きたんだと思う。

自分を振り返ってみると、本当にくだらないことでやる気をなくすし、人に何がしてあげられるかを真剣に考えることなんかあまりなかったりする。

『はなちゃんのみそ汁』が誘う涙は、悲劇に打ちひしがれるものではなく、とても前向きなものだ。「死」というどうしようもない現実を目の前に、それでも前向きに生きる千恵さんの姿勢に多くの人が勇気をもらった。

だからこそ、『はなちゃんのみそ汁』は社会現象を巻き起こすまでに売れた。

“何のために生きているのか”

そんな漠然とした不安と悩みを抱える人がたくさんいる昨今、千恵さんの生き方に学ぶべきところは多いのではないだろうか。

日本中を巻き込んだこの一大ブームは、間違いなく千恵さんのはなちゃんに対する思いと彼女が生きたエネルギーの形なのだと思うと、生きることを真正面に見つめた一人の人の力というのは凄まじいなと感じ入る。

2015年現在、千恵さんが他界して7年が経ち、はなちゃんは今年で中学生になる。ブログは現在も夫の信吾さんが更新を続けている。

「自分の家族の姿をさらけ出すという作業は、とても勇気のいること。映画を見てくださった方が、『家族の時間を大切にしたい』と感じてくださることができれば、きっと千恵も喜んでくれると思う。千恵の生きた証も映画を通して残すことができる」

安武信吾

ブログ
早寝早起き玄米生活 ~がんとムスメと、時々、旦那~

関連書籍

純粋な感動ドラマ

しかし、安武さん一家の闘病の日々や、亡くなられた千恵さんへの思いを考えると心苦しくもあるのだが、この一連の大騒ぎを問題視する声も多いということは語っておかねばならない。

まず、この映画からはブームに乗っかった商業臭さがどうしても漂ってくる。

もちろん経済性を重視することは悪いことではないし、“売れる”というのは資本主義の世の中では絶対正義でもあるので否定はしない。しかしあまりにも見えすぎる。

この物語が24時間TVで感動ドラマとして紹介された時、視聴者からは抗議の声が少なからず上がっている。その内容は主に感動ドラマを前面に押し出しすぎて、抗がん剤治療や代替医療に対する理解を妨げる結果になるのではないかというもの。

この一件が示唆する通り、『はなちゃんのみそ汁』で描かれるドラマは、踏み込めば踏み込むほど代替医療と呼ばれる食事療法や民間療法への傾倒、医者との信頼関係、がんと子供の後遺症の関係など、どんどんテーマが複雑になってくる。

その辺に目を瞑れば、ひたすらひたむきな感動ドラマとして見れるのだが、実際に人の命に関わる問題だけにあえて目を逸らす訳にもいかないのが難しいところである。

道徳の教科書にしてもそうだ。“心を打たれる”というだけで、倫理観を育てる重要な教科書に採用するというのは如何なものか。倫理と感情とは決して同一の方向を向いてはいない。

とは言え、ブームに乗って分かりやすく売れる商業娯楽映画を作るには、議論を呼ぶような難しい問題には一切触れず、とことんまで感動作品として作るしかない。宣伝の仕方や予告編などを見ても、そういう作りになっていることが分かりやすく語られている。

本作は実話エッセイをもとにしているだけに、そうした裏側がどうしても見えすぎる。個人的な意見を言うと、ただ感動させるための映画化には全くノれないというのが正直なところ。

そして、そのやり方はやはりドラマ版で指摘されている様に「抗がん剤治療は問題だらけで、代替療法は良いものだ」と実態を無視して宣伝してしまう効果が少なからずあるのではないかと思う。

見る角度を変えると、癌治療に関わる問題など水を差す内容を全て排除して、純粋な感動ドラマとして観られるという見方も出来るが・・・。

-ヒューマンドラマ, 邦画
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執筆者:


  1. 黒住果歩 より:

    一人娘と父親をのこして天国へ旅立ちだった千恵ちゃん、子どもに何が出来ると思うと,料理など家事教えることだと思います。五歳の誕生日にエプロン。包丁持たせること勇気いること、私だったら出来ないと思います。今、料理のレパートリー増えて、いるこてでしょ
    これからも頑張ってください。

  2. 黒住果歩 より:

    一人娘と父親のこして天国へ旅立ちだった千恵ちゃんの五歳の娘に包丁を持たせて料理など家事を教えることだと思う。

  3. 黒住果歩 より:

    これからも頑張ってください。

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