君たち、たかが映画じゃないか
映画監督フランソワ・トリュフォーが敬愛する監督アルフレッド・ヒッチコックにインタビューを敢行したことで生まれた「定本 映画術 ヒッチコック/トリュフォー」。現在では“映画の教科書”と呼ばれるこの伝説の映画本を紐解くドキュメンタリー。
トリュフォーによるヒッチコックのインタビュー音声に、マーティン・スコセッシら現代のフィルムメーカーたちのインタビューを交え、ヒッチコックの映画術をよみがえらせる。
監督は、NY国際映画祭のディレクターを務めるケント・ジョーンズ。
2015年カンヌ国際映画祭クラシック部門正式出品作品。
Contents
予告
あらすじ
1954年冬、二人の最初の出会いはフランスの映画評論誌「カイエ・デュ・シネマ」のためのインタビューでのことだった。その8年後の1962年、映画監督フランソワ・トリュフォーは敬愛する監督アルフレッド・ヒッチコックにインタビューを申し込む長い手紙をしたためた。
国籍も年齢もキャリアも違う二人は意気投合し、長時間のインタビューが実現する。そして誕生したのが「定本 映画術 ヒッチコック/トリュフォー」だった。世界中で出版され、今や映画関係者をはじめ、すべてのクリエイターの間で読み継がれている“映画の教科書”である。
© COHEN MEDIA GROUP 2015
当時のヒッチコックとトリュフォーの貴重な音声テープと、マーティン・スコセッシ、デヴィッド・フィンチャー、黒沢清、ウェス・アンダーソン、リチャード・リンクレイターら、ヒッチコックを慕う今日の映画界を牽引する10人のフィルムメーカーたちのインタビューを交え、ヒッチコックの時代を超えた映画術を新鮮な視線で生き生きと現代によみがえらせる。
Sponsored Link映画を観る前に知っておきたいこと
よほどの映画好きか、ヒッチコックのファンでなければ観ない映画だろう。その分、興味を持った人には有意義な時間を提供してくれるはずだ。将来、映画制作に携わろうと考える人には必須科目だが、たまには勉強のつもりで映画を観てみるのも悪くないのである。
フランス映画の墓掘り人フランソワ・トリュフォー
フランスの映画評論誌「カイエ・デュ・シネマ」の初代編集長であるフランソワ・トリュフォー。彼はこの雑誌のインタビューでアルフレッド・ヒッチコックと出会ったわけだが、「カイエ・デュ・シネマ」と言えばフランスの映画運動ヌーヴェルヴァーグを生み出した雑誌として有名である。
あのジャン=リュック・ゴダールも「カイエ・デュ・シネマ」に映画批評を投稿したヌーヴェルヴァーグを代表する監督の一人だ。
当時、トリュフォーは先鋭的かつ攻撃的な映画批評を多数執筆したことで、“フランス映画の墓掘り人”と畏怖されていた。
そんなトリュフォーが、長年に渡りアメリカでの評価にフラストレーションを募らせてきたヒッチコックに正当な評価をもたらしたのが「定本 映画術 ヒッチコック/トリュフォー」だった。ヒッチコックに敢行した50時間のインタビューを書き起こし、一作ごとに豊富なスチール写真やコマ撮りのイメージでヒッチコックのテクニックと映画理論を解説してみせたのだ。
それが各国で翻訳され、今では世界中の若い映画作家や映画ファンのバイブルとなっている。
ヒッチコックにとって、トリュフォーは“フランス映画の墓掘り人”とは真逆の人物に映っただろう。
「あなたが世界中で最も偉大な監督であると、誰もが認めることになるでしょう」
フランソワ・トリュフォー
作品データ
原題 | 『Hitchcock/Truffaut』 |
---|---|
製作国 | フランス・アメリカ |
製作年 | 2016年 |
公開日 | 2016年12月10日 |
上映時間 | 80分 |
原作 | 「定本 映画術 ヒッチコック/トリュフォー」 フランソワ・トリュフォー アルフレッド・ヒッチコック |
キャスト
キャスト | マーティン・スコセッシ |
---|---|
デビッド・フィンチャー | |
アルノー・デプレシャン | |
黒沢 清 | |
ウェス・アンダーソン | |
ジェームズ・グレイ | |
オリビエ・アサイヤス | |
リチャード・リンクレイター | |
ピーター・ボグダノビッチ | |
ポール・シュレイダー |
監督・スタッフ
監督 | ケント・ジョーンズ |
---|---|
脚本 | ケント・ジョーンズ |
セルジュ・トゥビアナ | |
製作 | チャールズ・S・コーエン |