まさかの歌舞伎化!ついに映画館に登場!!
あの国民的漫画「ワンピース」が歌舞伎に!?次世代を担う花形歌舞伎俳優の一人であり、伯父の三代目市川猿之助(現猿翁)が創出した「スーパー歌舞伎」の精神を受け継ぎ、「スーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)」を生み出した四代目市川猿之助が「ワンピース」を演出します。しかも、漫画「ワンピース」の中で最大の盛り上がりを見せたあの「頂上戦争編」がモチーフになっています。
大量の水が滝のように流れる中での大立廻りや、2階・3階席からも手が届きそうな宙乗り、最新のプロジェクションマッピング、ミュージカルさながらのダンスなど、エンターテイメント性溢れる演出は子供が喜ぶこと間違いなしです。ただ、歌舞伎舞台を映画で楽しめるシネマ歌舞伎ですので、どれだけの臨場感があるのかが問われるところだと思います。
Contents
- 1 予告
- 2 あらすじ
- 3
映画を観る前に知っておきたいこと
- 3.1 スーパー歌舞伎II(セカンド)とは?
- 3.2 シネマ歌舞伎とは?
予告
あらすじ
シャボンディ諸島での海軍との戦いの中で、麦わらの一味はバラバラに吹き飛ばされてしまう。吹き飛ばされたルフィ(市川猿之助)は辿りついた島で兄エースの公開処刑の知らせを耳にする。ルフィはエースを助けるために脱獄不可能の海底監獄インペルダウンへ向かうことを誓うのだった。
© 尾田栄一郎/集英社・スーパー歌舞伎II「ワンピース」パートナーズ
海底監獄への侵入に成功したルフィは、そこでボン・クレー(坂東巳之助)に再会する。エース救出のために共に戦う二人であったが、監獄署長のマゼランによってルフィは絶体絶命の状態に…!さらに、エースはすでに海軍本部へ移送されてしまった後であった!
© 尾田栄一郎/集英社・スーパー歌舞伎II「ワンピース」パートナーズ
エースを助けようとする白ひげ海賊団、ルフィが海軍本部に集結し、いよいよエースを巡って海賊たちと海軍の頂上戦争が今はじまる!
Sponsored Link映画を観る前に知っておきたいこと
映画の枠を超えている上、あまりの斬新さに正直、僕自身もどう評価して良いかわかりません。毎年、子供を連れて「ワンピース」の映画を観に行くのが恒例化しているのですが、さてどうしたものか……
そこで「スーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)」や「シネマ歌舞伎」とは一体何なのか?簡単に紹介しておきます。皆さんも僕と一緒に悩みましょう。
スーパー歌舞伎II(セカンド)とは?
これまでの歌舞伎の常識を打ち破った「スーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)」とは一体何なのか?
本作の舞台演出を手掛ける四代目市川猿之助の伯父である三代目猿之助(香川照之の父親でもある)が、1986年に創出した「スーパー歌舞伎」がそのはじまりである。古典芸能化した歌舞伎とは異なるよりエンターテイメント性の高い演出による現代風歌舞伎として生み出された。
「スーパー歌舞伎」以前から、三代目猿之助は“宙乗り(人体を宙につりあげての演技)”などの演出を歌舞伎に取り入れていた。“宙乗り”を初めて披露した「四ノ切」は、観客への評判は上々だったものの歌舞伎役者や劇評家たちからは相手にされないほどの酷評を受けた。当時は三代目猿之助の本名の喜熨斗(きのし)にひっかけ「喜熨斗サーカス」と揶揄されたようだ。
しかし“宙乗り”のない「四ノ切」の人気がなくなると、本家の歌舞伎役者たちもこぞって猿之助版の「四ノ切」を上演しはじめるようになった。
そんな三代目猿之助による歌舞伎界の新しい潮流の集大成とも言えるのが「スーパー歌舞伎」だ。そして、その精神を受け継いだ四代目市川猿之助により、さらにエンターテイメント性を増した歌舞伎が「スーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)」である。
歌舞伎×「ワンピース」、それは一見色物のようにも映るが、これが現代歌舞伎のひとつの形でもあるのだ。それにしても今度は「喜熨斗海賊団」などと言われそうなほど、革新的なコラボレーションだ。
シネマ歌舞伎とは?
シネマ歌舞伎とは、歌舞伎の舞台公演をHD高性能カメラで撮影しスクリーンで上映するという、映画とは異なる映像作品だ。
近年ではシネマ歌舞伎のように、舞台を映画化する「ナショナル・シアター・ライブ」という企画もある。
映像や音響の進化により、舞台に近い臨場感を再現できるようになったためこうした流れが出来上がってきたのだろう。舞台を映画ぐらい身近なものとして簡単に、そしてリーズナブルに楽しむことができるというのが大きなメリットだ。
これもまた、「スーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)」のような新しい潮流と言える。そういう意味では、本作は現代エンターテイメントの結晶のような試みである。
ただ、「スーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)」の演出がエンターテイメント性を増すことで、映像体験として舞台の臨場感を再現することが難しくなるという矛盾もある。
実際の舞台の評価は、楽しめたという声も多く聞かれた。もちろん演目が日本随一の漫画であるため、そこには否定的な意見もある。しかし、「ワンンピース」目的で観劇した多くの人が歌舞伎を理解しているとは言い難い。