映画を観る前に知っておきたいこと

【マイケル・ムーアの世界侵略のススメ】世界のジョーシキを侵略せよ!

マイケル・ムーアの世界侵略のススメ

『ボウリング・フォー・コロンバイン』(2002)でコロンバイン高校銃乱射事件を描きアカデミー長編ドキュメンタリー映画賞を受賞し、『華氏911』(2004)ではアメリカ同時多発テロ事件でのブッシュ政権の対応を批判する内容でカンヌ国際映画祭においてパルム・ドールを受賞したマイケル・ムーアの最新作。『シッコ』(2007)ではアメリカの医療制度に、そして『キャピタリズム~マネーは踊る~』(2009)では資本主義に深く切り込むなど、彼のドキュメンタリーは常に過激なテーマに挑み続けたが、今回はひと味違う!

なんと本作ではムーアはこれまで一貫して批判してきたはずの権力の片棒を担ぎ、アメリカの “侵略”政策に参加してしまう。彼に課せられたミッションは、“世界のジョーシキ”を根こそぎ略奪すること。それは今のアメリカに最も必要なものなのだ。“侵略”する先々で知ることになる事実、ちりばめられたブラック・ユーモア、予定調和で終わらない“侵略”行為。アメリカ人だけでなく、我々日本人も、いや世界中の誰が見ても驚きと笑いと感動を隠せない、マイケル・ムーアの集大成がここにある。

アメリカが誇る最終兵器(リーサル・ウェポン)が世界に向けて放たれる……


  • 製作:2015年,アメリカ
  • 日本公開:2016年5月27日
  • 上映時間:119分
  • 原題:『Where to Invade Next』
  • 映倫区分:PG12

予告

あらすじ

これまで政府に目の上のたんこぶ扱いされてきた映画監督のマイケル・ムーアは、ある日、アメリカ国防総省のお偉方たちにある相談を持ち掛けられる。マイケル・ムーアの世界侵略のススメこれまでの“侵略戦争”の結果、いっこうに良くならないアメリカ合衆国を憂う彼らの必死の訴えに心を動かされたムーアは、国防総省に代わり自分が侵略者として世界中に出動することを提案する。マイケル・ムーアの世界侵略のススメ“世界のジョーシキ”をターゲットにムーアは空母ロナルド・レーガンに乗り込み、ヨーロッパへと向かう……

マイケル・ムーアに狙われた“世界のジョーシキ”

  • イタリア
    年間8週間も有給がある!昼休みは2時間!!
  • ポルトガル
    麻薬使用が犯罪にならない国!
  • フィンランド
    宿題がない国!しかし、学力トップクラス国家!!
  • ドイツ
    休日に部下に連絡すると、「法律違反です」と言われる上司!
  • ノルウェー
    ナイフを所持している囚人!しかも牢屋が一軒家!!
  • フランス
    小学生の給食がフレンチ・フルコース!フランス人はフレンチフライを食べない!!


映画を観る前に知っておきたいこと

マイケル・ムーア作品には常に愛国心がある!

本作はマイケル・ムーアの集大成というふれこみだが、予告編を見ても彼が今回一体何をやろうとしているのかわからない。予告中でアイルランド女性は「アメリカ人が非ジョーシキなだけ!」とムーアに断言するシーンがあるが、今回扱われる“世界のジョーシキ”はどう考えてもおかしなものばかりだ。彼はこんな非ジョーシキをアメリカに持ち帰ってどうしようというのか?

そして、これまでの作品と最も違うのは、アメリカの外にカメラを向けていることだ。過去の作品ではコロンバイン高校銃乱射事件、アメリカ同時多発テロ事件、アメリカの医療制度、アメリカの資本主義など国内から問題提起を行ってきた。

この辺りからも本作がこれまでの作品と比べてもひと味違うことが伺えるが、マイケル・ムーア監督はどの作品でもアメリカの問題に切り込みながらも、アメリカがもっと正しい道を歩むことを願っている。批判しながらも愛国心を感じる作品ばかりだった。

『ボウリング・フォー・コロンバイン』はコロンバイン高校銃乱射事件を題材とし、アメリカ銃社会に対して問題提起を行っているが、作品内で自身が全米ライフル協会の生涯会員であるとも述べている。これは彼が批判するだけではなく、自分も社会の渦中にあることを意味している。

また、『華氏911』はアメリカ同時多発テロ事件でのブッシュ政権の対応を批判する内容が話題を呼んだが、彼は記者会見の席で「この映画はブッシュ氏批判ではなく、9・11後に起きた、より大きな問題を考えるのが目的」と語った。映画を通してアメリカ社会がより良い方向に進むことを願っている。

あまりにも強烈なユーモアゆえ、政府からも敵視され、危険人物のように言われているが、その思想事態は危険でも過激でもない。ただやり口がおもしろいだけだ。

話は戻るが、本作も必ずアメリカに対して愛のある作品となっていることは間違いないだろう。ましてや集大成と言うのならなおさらだ。そして相変わらずのユーモアで驚きと笑いと感動を観客に届けるはずだ。しかし、今回ばかりは何をどうやってそうするのか予測がつかない……

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