映画を観る前に知っておきたいこと

【パージ:アナーキー】進化するエクストリーム・スリラー

パージ:アナーキー

低予算ながら世界興行収入シリーズ累計200億円という驚異的なヒットとなったエクストリーム・スリラー。先日、日本で公開されたばかりの『パージ』の続編。

プロデューサーは前作同様『パラノーマル・アクティビティ』のジェイソン・ブラムと『トランスフォーマー』のマイケル・ベイが務め、監督も脚本家やプロデューサーとしても活躍するジェームズ・デモナコが続投。

また、本作では『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』のフランク・グリロが主演を務める。

そして3作目となる『The Purge 3』も2016年夏に公開が決まっている。

「パージ」とは、殺人を含む全ての犯罪が合法となる法律。それは1年に1度、政府による放送とサイレンで始まる夜の7時から朝の7時までの一晩だけ。逃げるか、戦うか、あなたならどんな選択をする?


  • 製作:2014年,アメリカ
  • 日本公開:2015年8月1日
  • 上映時間:103分
  • 映倫区分:R15+
  • 原題:『The Purge: Anarchy』

予告

あらすじ

経済が崩壊したアメリカでは、「新しいアメリカ建国の父たち」を名乗る集団が全体主義的な統治を行っていた。そして、人々の生活を裕福にするため、安全を維持するために「1年に一晩(12時間)だけ殺人を含む全ての犯罪が合法になる」法律「パージ」を定めた。国民はこの夜に1年の間に溜まった「怒り、憎しみ、恨み」すべてを解き放つ。その間、警察・消防・医療などの救急サービスは全て停止する。

「パージ」の導入によって、犯罪率と失業率は1%にまで低下し、経済状況も改善し、国民は「パージ」をカタルシスをもたらしてくれる、ある種の行事だと思っていた。しかし実際は国民をコントロールするための法律であった。なぜなら、「パージ」の夜に犯罪の標的となるのは富裕層ではなく、貧困層だったからである。

2023年、6度目の「パージ」の夜が訪れる・・・

パージ:アナーキー

病気の父を持つシングルマザーのエヴァと娘のカリは、セキュリティもない貧民街でその夜をなんとかやり過ごそうと考えていた。しかし、家に侵入してきた謎の特殊部隊によってエヴァたちは拉致される。

パージ:アナーキー

息子を事故で亡くしたレオは、「パージ」に乗じて事故を起こした相手に復讐をしようと考えていた。レオは、エヴァたちがバンに乗せられて連れて行かれそうなところに、たまたま通りがかり助けを乞う彼女たちを救おうとする。

パージ:アナーキー

仲が冷め切った夫婦、シェーンとリズは、「パージ」開始目前で車がパンクし、今夜の「パージ」に興じるとみられる輩に絡まれ逃げ遅れてしまっていた。そして彼らもたまたま、レオやエヴァたちと遭遇する。

パージ:アナーキー

暴徒や謎の特殊部隊に追われながら、5人は命からがらその場を逃げ切る。協力してこの夜を乗り切ろうとする彼らが、辿り着く先で、「パージ」の秘密が明らかになる。

映画を見る前に知っておきたいこと

前作を超えて進化していく『パージ』

前作となる『パージ』では大ヒットとは裏腹に批評家たちからは酷評もあった。「パージ」という法律がアメリカ政府によって定められたという設定が非現実的で、陳腐だという意見が目についた。しかし、本作『パージ:アナーキー』では「パージ」という法律の裏側にある思惑がより強く描かれている。これにより、単純にスリラーの枠を出てしまった感はあるが、完成度では前作を上回るのではないだろうか。

本作では、息子を事故で亡くし「パージ」に乗じて事故を起こした相手に復讐をしようとする男が主人公となっているが、エヴァたちを助けようとする優しい側面を持ち、彼が本当に復讐を遂げるのかという人間ドラマもある。

「パージ」の夜が繰り返される度に、その幅を広げていくシリーズ。エンドロールでも“次のパージまで364日”と表示され続編への期待を煽っている。3作目となる『The Purge 3』も既に2016年夏に公開が決まっているが、次は一体どんな「パージ」の夜が訪れるのだろうか。

追記だが、先に『パージ:アナーキー』から観ても、独立したストーリーなので充分楽しめると思う。前作よりおもしろいという意見も多いので、こちらを観た後に前作の『パージ』を観てみるのもいいかもしれない。

設定が素晴らしくいい

“殺人を含む全ての犯罪が合法となる法律。それは1年に1度、政府による放送とサイレンで始まる夜の7時から朝の7時までの一晩だけ。”この設定が素晴らしくいい。

批評家の「設定が非現実的で、陳腐。」という意見もあったが、誰もが本当にこんな世界があったらという視点で観てしまえるのがいい。この時点でスリラーとしてはこの上なく成立している。そして何より、この設定で無限にストーリーが生まれるという点だ。

1作目では暴力、復讐といった「パージ」の危険な部分を全面に押し出し、密室ホラーの要素が強かった。2作目は、舞台を“街”にしたことでストーリーが更に広がり、閉鎖空間で行われるホラーの要素を削って、そこに「パージ」の真意や人間ドラマがプラスされた。回を追うごとにこの設定で何でもできることを証明してきた。3作目ではどんな要素を入れてくるのか。昨今1作目を超えれない映画が多い中、この設定があれば焼き増しにならず、更におもしろくなっていくのではないかと期待してしまう。

感想

相変わらずわかりやすい娯楽作品

前作の『パージ』より、本作の方がおもしろいという意見が多いが、それには僕も賛成だ。ただ、前作同様に非常にわかりやすい娯楽作品であったことに変わりはない。これは万人受けしやすいという良い意味だ。

物語の舞台が街となったことでアクション映画のような爽快さがプラスされているが、前作の焼き増しになっていない感じは好感が持てる。

「殺人を含む全ての犯罪が合法となる法律」という設定を使って次回作は何をするのか気になるところではあるが、個人的にはスリラーですらなくなってしまうとよりおもしろくなるのではないかと思っている。

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