映画を観る前に知っておきたいこと

【最高の花婿】フランス人の5人に1人が見た大ヒット映画

投稿日:2016年2月14日 更新日:

最高の花婿

フランスで興行収入第1位、観客動員数1200万人という異常なヒットを記録した笑いと涙に溢れた感動作。この映画、フランス人の5人に1人が見た計算になる。

フランスのロワール地方のとある家族。4人の娘の結婚相手は全員が外国人!?アラブ人、ユダヤ人、中国人、そして末娘が連れてきたのはコートジボワール人だった。国際結婚の嵐となった家族に幸せはあり得るのか?

本作で監督・脚本を務めたのはフランスのヒットメーカー、フィリップ・ドゥ・ショーヴロン。

リュミエール賞オリジナル脚本賞受賞作品。

  • 製作:2013年,フランス
  • 日本公開:2016年3月19日
  • 上映時間:97分
  • 原題:『Qu’est-ce qu’on a fait au Bon Dieu?』

予告

あらすじ

フランス西部にあるロワール地方に暮らすヴェルヌイユ家の家族は他人には相談できない悩みを抱えていた。ヴェルヌイユ家の4人の姉妹のうち3人がアラブ人、ユダヤ人、中国人と次々と国際結婚をしてしまったため、普段の生活は様々な宗教儀式から食事のルールまで、異文化への驚きと気遣いばかりだった。そんな生活に疲れ、うんざりした両親は末娘の結婚に最後の希望を託していた。末娘だけはカトリックの婿をとって、教会で結婚することを願っていた。最高の花婿そんな時、末娘が連れてきた相手は両親の希望通りのカトリック教徒の男性だった! しかし、大喜びの両親の前に現れたのは黒人青年だった。末娘の婚約者はなんとコートジボワール人。しかも、フランス人嫌いの彼の父親が結婚に大反対する始末。果たして、こんな家族に愛と平和は訪れるのか!?

映画を見る前に知っておきたいこと

統計からわかる国際結婚の難しさが映画をおもしろくする!

本国フランスでは歴史的なヒットを記録した本作だが、テーマが国際結婚なのでイマイチ感情移入しづらいかもしれない。日本でも昔に比べれば国際結婚というのも増えたが、単一民族の国ということもあって全体の3%程度である。それに比べるとフランスは多くの民族が暮らす多民族国家であることから、国際結婚というものがもっと身近なものである。国際結婚率も当然日本より高く、フランスでは13%が国際結婚をしている。

しかし、国際結婚の難しさという意味では日本もフランスもあまり変わらないと思う。文化の違いや、言葉の壁は共通のテーマだろう。(本作でもそこが笑いを誘うポイントとなっている)それをよく表しているのが国際結婚における離婚率の高さだ。日本では国際結婚したカップルの7割が離婚しているというデータがある。これは日本人同士の結婚と比べて倍近い数字である。

こんな現実を踏まえれば、家族の中で4人も国際結婚をすることは家族の平和を脅かすことだと言える。誰一人離婚せずに円満にいくことは統計から考えれば確率的にかなり難しい。4人の娘が全員、国際結婚するということもかなりあり得ないことだが、全員が円満であることはそれ以上にあり得ないことだ。

これは決して本作を非現実的な映画と、こき下ろしているわけではない。国際結婚はそれぐらい難しいということを理解して見ると、ヴェルヌイユ家の両親の苦悩が余計おもしろくなるのだ。

リュミエール賞とは?

本作がオリジナル脚本賞を受賞したリュミエール賞について。

この賞はフランス国内の映画賞であるが、わかりやすく言うとセザール賞がフランス版アカデミー賞であるのに対して、リュミエール賞はフランス版ゴールデン・グローブ賞である。実際、1966年にアメリカのゴールデン・グローブ賞に習って創設された賞である。

ちなみにゴールデン・グローブ賞の特徴は、アカデミー賞が映画だけが対象なのに対して、映画とテレビの両方が対象となっていることである。ゴールデン・グローブ賞には映画部門とテレビドラマ部門がある。そして、アカデミー賞の前哨戦としての意味合いも強い。

-3月公開, ヒューマンドラマ, 洋画
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