売れない役者が殺し屋に。記憶喪失の殺し屋が役者に。二人の人生が入れ替わる!そこに婚活女性が現れ、それが喜劇の始まりだった……
2012年に日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した、堺雅人×香川照之+広末涼子で送る日本のコメディ映画でもおすすめできる1本!心が温まったり、腹がよじれたり、上半身が忙しいことこの上なし!
普段重たい映画ばかり見ている諸君、たまにはこんな映画を見ようじゃないか。
- 製作:2012年,日本
- 日本公開:2012年9月5日
- 上映時間:128分
Contents
- 1 予告
- 2 あらすじ
- 3
映画を見る前に知っておきたいこと
- 3.1 とにかく脚本が面白い!
- 3.2 エンドロールにオチがある
- 4 感想
予告
あらすじ
売れない役者・桜井は貧乏なアパート暮らしで、かつて結婚まで考えた相手が別の誰かと結婚することを知り、自殺を考えていた。しかし、なぜか死ぬ前に銭湯に行くことに。後から銭湯に入ってきた金持ちそうな男が桜井が落とした石鹸を踏んで転倒し、気絶してしまう。その時、桜井はちょっとした出来心で男のロッカーの鍵と自分の鍵をすり替えてしまう。病院で目を覚ました男は自分を桜井だと思い込む。しかし、男の正体は誰も顔を見たことのない伝説の殺し屋・コンドウだった。コンドウに成り代わった桜井のもとに、やくざの工藤から大金が絡む殺しの依頼が舞い込み、桜井はやむなく引き受けてしまうのだった。
一方、自分は桜井だと思い込んでいるコンドウはもともとが几帳面な性格だったため、一流の役者となることを目指して真面目に努力する。そんなひたむきな姿に胸を打たれた女性編集長の香苗は彼に求婚する。
人生が変わった事で、死のうとしていた桜井は自分が殺しの依頼を受けた女を助けようと奔走する。しかし、あるきっかけでコンドウの記憶が戻ってしまう。
追いつめられた桜井を助けるため、コンドウは桜井と共に渾身の演技でやくざの工藤を欺く計画を立てるが、運悪くその場に香苗が現れてしまうのだった……
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映画を見る前に知っておきたいこと
とにかく脚本が面白い!
監督の内田けんじが脚本も書いているが、2012年に日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞していることからもそのストーリーの秀逸さがうかがえる。多くの受賞歴の中でも脚本賞や作品賞が目立つ。評価は高いと思うが、映画としては深いテーマがあるわけでもなく、単純明快なコメディである。ただ、コメディ映画にとって脚本以上に重要なものはないので、最高の評価とも取れる。
観客は何も考えずにただ楽しめる、これぞエンターテイメントという作品だ!
そういえば「名探偵コナン」の連載20周年記念に放送されたアニメで『鍵泥棒のメソッド』とのコラボ企画があった。アニメの脚本を内田けんじが担当し、映画をリメイクしたような内容になっていた。
2016年には韓国で『キー・オブ・ライフ』としてリメイクされている。ハリウッドなんかでもそうだが、リメイクされるのは基本的に脚本が秀逸な作品だ。
僕は、普段は洋画を見る事の方が多い。しかも、社会派映画や難解な映画を好んで見る。コメディと言ったらコーエン兄弟の映画だ。そんな僕でも、この作品には引き込まれた。感動は別にないが……笑いと意外にスリリングな展開の虜だ。
僕みたいに普段は重たい映画ばかり見ている人に是非見てもらいたい。そんな人が面白いと感じてくれればこんなに嬉しいことはない。
エンドロールにオチがある
この映画は最後のエンドロールにちょっとしたオチがあるので見逃さないようにしよう。
そこは蛇足感が凄いが、この映画の雰囲気にはピッタリだ。観客が望むもう一押しがそこに用意されている。
感想
凄く好きな映画だし、面白い。感想なんて、それぐらいしかないかもしれない……
頭の中を空っぽにして見れる映画なので、見て楽しんだ人の勝ちだ。
まあどこが好きかと言えば、意外にスリリングな展開ながらどこか淡々とした空気が映画全体を覆っているそのコントラストが心地良い。
堺雅人×香川照之+広末涼子という豪華なキャストとも見合わない安い演出も嫌いではない。これだけの演技派を揃えておきながら、恋に落ちた瞬間は「キューン」という効果音が入る。それでも広末涼子はブルーリボン賞や日本アカデミー賞で助演女優賞を受賞しているが……
この映画が持っている、暗過ぎず、派手過ぎないそのバランス感覚は絶妙だ。もちろん見ている最中はそんな事はまったく考えていない。
こんなに感想がないのに、人にすすめたい映画というのも他にない。