映画を観る前に知っておきたいこと

サイレント・ナイト 悪魔のサンタクロース
伝説的カルト・スラッシャーが現代に蘇る!

投稿日:2016年7月15日 更新日:

サイレント・ナイト 悪魔のサンタクロース

サンタが殺しにやってくる。

1984年、サンタクロースに扮した殺人鬼という設定が問題視されたホラー映画『悪魔のサンタクロース/惨殺の斧』。キリスト教団体やPTAからの猛烈な非難により全米で上映禁止が続出、その事は作品の内容云々を置き去りにして映画の知名度を高めることとなる。結果、『悪魔のサンタクロース/惨殺の斧』は伝説的カルト・スラッシャーという地位を手に入れてしまった。

当時、“18歳未満視聴禁止”の認可すらままならなかったこの問題作が2012年にリメイクされ、『サイレント・ナイト 悪魔のサンタクロース』として帰ってきた。

良い子にはプレゼントを、悪い子には死を。再びサンタが殺しにやってくる……

予告

あらすじ

ウィスコンシン州の田舎町で両親と共に暮らす女性保安官オーブリー。彼女の父親も元保安官だった。クリスマス・イブで非番だった彼女の元にシェリフ所長から急な出勤要請が入る。当直のジョーダン保安官が行方不明で人手が足りないという。

やむなく出勤したオーブリーは巡回中に「空き家から異臭がする」との通報を受け、現場へと急行した。そこには変わり果てたジョーダンと不倫相手の遺体が……

サイレント・ナイト 悪魔のサンタクロース

© 2012 SILENT NIGHT PRODUCTIONS LLC.

時を同じく、モーテルの一室では男女がポルノの撮影中に惨殺される事件が発生。現場に残されたビデオカメラには、サンタクロースの姿をした殺人鬼が映っていた。

クリスマス・パレードが開催中の平和な田舎町で次々と起こる連続殺人事件。しかし、シェリフ所長は応援を要請せずに自分たちだけで事件を解決しようとする。普段そんな物々しい事件など起こらない田舎町の警察署には、女性保安官オーブリー、威勢だけは良いシェリフ所長、血が苦手な保安官ジャイルズ、電話番のブレンダの4人しかいない。

サイレント・ナイト 悪魔のサンタクロース

© 2012 SILENT NIGHT PRODUCTIONS LLC.

父に励まされ、オーブリーは恐怖心と闘いながら殺人鬼を追跡する。そして殺害現場に共通のプレゼントが置かれている事に気付く。そのプレゼントは両親の元にも届けられていた……

映画を見る前に知っておきたいこと

本作の基となった『悪魔のサンタクロース/惨殺の斧』は、当時全米で上映禁止の劇場が続出した事から、伝説的カルト・スラッシャーと言われるようになった。しかしそんな話題性を抜きにしても、いわゆるB級ホラー映画の中ではサスペンスとして秀逸なおもしろさがある。

本作では根本的な設定から見直され、さらに物語のディティールが固められている。

秀逸な脚本

良い子にはプレゼントを、悪い子には死を。この殺人鬼の話は、そう単純ではない。

映画の中には、殺された者と殺されなかった者が存在する。そこには、サンタに扮した殺人鬼の過去が関係している。彼が行う殺人の線引きには明確な動機が隠されているのだ。

単純なホラー映画ではなく、観客自身に殺人鬼の人格を考察させることでサスペンスフルな物語を演出している。

良い子と悪い子の明確な線引きができた時、観客はこの映画のおもしろさに気付くだろう。

『悪魔のサンタクロース/惨殺の斧』へのオマージュ

この映画は、『悪魔のサンタクロース/惨殺の斧』へのオマージュが挿入されているため、事前情報がなければ意図を読み取り辛い描写が出てくる。

例えば、映画の前半に惚けた老人の意識が突然覚醒して話し出すシーンがある。老人が話す内容はこれから起こる惨劇を予告しているようにも取れるが、そのシーンは少し唐突に使われている。映画の中ではこのような、原作を彷彿とさせる場面が幾つか用意されている。

-ホラー, 洋画
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