最低オヤジの最悪のゲーム
目指すは最高の勲章!!!!!!
エーゲ海でクルージングを楽しむ6人の中年男は、互いの全てを評価し合うことで“ストロングマン(最高の男)”を決める奇妙なゲームに興じる。
2016年に日本の映画ファンを大いに楽しませてくれた怪作『ロブスター』(15)を送り出した脚本家エフティミス・フィリップが、またしても異色のコメディを生み出した。
そして彼の脚本をスクリーンに映し出すのは、かつてアテネオリンピックの演出も担当したというギリシャの女流監督アティナ・ラヒル・ツァンガリ。
本作は2017年アカデミー外国語映画賞のギリシャ代表作品に選出され、批評家からも高い評価を得ている。
Contents
- 1 予告
- 2 あらすじ
- 3
映画を観る前に知っておきたいこと
- 3.1 エフティミス・フィリップの脚本
予告
あらすじ
エーゲ海でクルージングを満喫する6人の中年男。船がアテネに帰港するまでの間、彼らは誰がストロングマン(最高の男)かを決めるゲームに興じるのだった。

© 2015 Faliro House & Haos Film
それはズボンのベルトの位置、コレステロール値、料理の知識、男としてのあらゆる資質を点数化し、互いに評価し合うバカバカしい男たちのゲーム。勝者には指輪が贈られるとし、6人は冗談半分で男の中の男決定戦を楽しんでいた。

© 2015 Faliro House & Haos Film
しかし、ゲームは次第にヒートアップ。いつしか男の意地とプライドを懸けた争いへと変わっていた ──
Sponsored Link映画を観る前に知っておきたいこと
『ロブスター』の脚本家エフティミス・フィリップが生み出す新たなブラックコメディ。たったこれだけの煽りで、僕がこの映画にどうしようもなく惹きつけられてしまうのは、彼が脚本を書いた映画がことごとく癖になってきたからである。
僕と同じような感想を持つ映画ファンにとって本作は外せない。
エフティミス・フィリップの脚本
フィリップは2009年にもアカデミー外国語映画賞ギリシャ代表作品の脚本に参加している。その作品というのが他でもない『ロブスター』の監督ヨルゴス・ランティモスによる『籠の中の乙女』だ。ここで描かれていたのは、外の世界は危険だと両親に洗脳され、家から一歩も出ずに育った子供たちだった。
『ロブスター』は更に奇妙で、独身が罪とされる社会で暮らす独身者たちはとあるホテルへと集められ、45日以内にパートナーを見つけなければ動物にされてしまうという驚くべき発想によって生まれている。
そう、ランティモス監督作品にかつて見た奇妙なマイルールに支配されたコミュニティという切り口は、見事に本作へと通じているのだ。どうやら脚本家エフティミス・フィリップこそが、怪作を生み出し続ける張本人だったようだ。
そして、クルージングを楽しむ6人の中年男というごく小さなコミュニティの中で、人より優れていたいという男共の愚かな姿を冷静かつ皮肉たっぷりに切り取っていくのが、ギリシャ期待の女流監督アティナ・ラヒル・ツァンガリである。
フィリップの脚本が冷ややかな女性の眼差しを通してスクリーンに映し出された時、男という生き物はかつてないほど滑稽に見える。またしてもギリシャから恐るべき怪作が生まれてしまった。
作品データ
原題 | 『Chevalier』 |
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製作国 | ギリシャ |
製作年 | 2016年 |
公開日 | 2017年3月25日 |
上映時間 | 115分 |
映倫区分 | R15+ |
キャスト
キャスト | ヨルゴス・ケンドロス |
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パノス・コロニス | |
バンゲリス・ムリキス |
監督・スタッフ
監督 | アティナ・ラヒル・ツァンガリ |
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脚本 | アティナ・ラヒル・ツァンガリ |
エフティミス・フィリプ | |
ロブスターはかなり癖の強い映画でしたが
独特のユーモアが笑っていいのかどうかの絶妙なギャグセンスに満ちてたので、本作にも受け継がれているのか気になるところです!
コメントありがとうございます。
僕の見解ではエフティミス・フィリップこそがあの癖を生み出した張本人だと思っています。『ロブスター』が好みの人には是非観てもらいたいですね。