すれ違う、一瞬の幸せ。
そして、永遠のサヨナラ。
2001年にタイム誌が選ぶベストショー10に選出され、オフ・ブロードウェイで上演されるとカルト的な人気を博したジェイソン・ロバート・ブラウンの同名舞台を、『P.S.アイラヴユー』(07)のリチャード・ラグラヴェネーズ監督が映画化したミュージカル・ラブストーリー。
出会いから別れまでの5年間が、男女の時間軸がそれぞれ逆行する形で映し出され、トリッキーな構成そのものがすれ違う夫婦の想いを表現する。
ディズニーのミュージカル映画『イントゥ・ザ・ウッズ』(14)でシンデレラを演じたアナ・ケンドリック、トニー賞候補にもなったブロードウェイの新鋭ジェレミー・ジョーダン。その歌唱力と演技によってミュージカルで最も存在感を発揮する二人の時間軸が一瞬だけ交差する。
Contents
- 1 予告
- 2 あらすじ
- 3
映画を見る前に知っておきたいこと
- 3.1 舞台の映画化に成功した作品
予告
あらすじ
ジェイミーは出て行ってしまった。そして私はまだ傷ついたまま……
ニューヨークで出会った女優志望のキャシー(アナ・ケンドリック)と小説家を目指すジェイミー(ジェレミー・ジョーダン)。二人は出会ってすぐ恋に落ち、一緒にいるだけで笑顔がこぼれ、共に夢を追いかけた。

© THE LAST FIVE YEARS THE MOTION PICTURE LLC
しかし、夫が若くして成功を収めていく一方、キャリアに伸び悩む妻の心は徐々にすれ違っていく。互いにこんなはずではなかったという思いを抱えながら、ついに破局を迎えた。

© THE LAST FIVE YEARS THE MOTION PICTURE LLC
出会いから別れまでの5年間の愛の軌跡。二人の時間、二人の想いが交わるのは、たった一瞬だけ ──
映画を見る前に知っておきたいこと
恋に破れたキャシーがその胸中を切ない歌声で語るところから映画は始まる。女優を目指す妻キャシーの物語は愛の終りから遡り、小説家を志す夫ジェイミーの物語は出会いから破局へと向かっていく。そして、二人の愛の絶頂の瞬間にお互いの時間軸が初めて交差するという手法は、舞台においてもかなりトリッキーな構成だ。
リチャード・ラグラヴェネーズ監督は、この舞台を映画化するのに実に7年の歳月を要している。舞台ではその構成とは裏腹に、二人の役者が交互に演じてみせるだけのシンプルな演出がオフ・ブロードウェイの空気にぴったしだった。しかし、舞台最大の魅力は目の前で体感する臨場感であり、それを補うためには映像としてのロケーション一つからも見直さなければならない。
それでもアナ・ケンドリックとジェレミー・ジョーダンの存在によって、ミュージカル舞台の映画化に成功した作品と言える。
舞台の映画化に成功した作品
舞台としてのライブ感を演出するため、リチャード監督は撮影中に歌を同時録音するという手法をとった。そしてこれを実践するためには、演じながら歌える俳優に求められるわけだが、まさにこの二人はうってつけの存在だった。
12歳という史上3番目の若さでトニー賞にノミネートされたアナ。『Newsies』でトニー賞ミュージカル部門主演男優賞にノミネートされたブロードウェイの新鋭ジェレミー。歌唱力と舞台での経験を併せ持つ二人が、映像に生き生きと映し出されるだけでしっかりとした臨場感が伝えられる。
しかし、本作は舞台の映画化に成功しているからこそ、映画としての好みが大いに分かれる作品だ。時間軸を両端から追う構成でも観客を置き去りにしないシンプルなストーリーは映画として物足りなさを残し、本場のミュージカルを強く意識した作風に苦手意識が働く人もいるだろう。
作品データ
原題 | 『The Last Five Years』 |
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製作国 | アメリカ |
製作年 | 2014年 |
公開日 | 2015年4月25日 |
上映時間 | 94分 |
原作 | 舞台『The Last Five Years』 ジェイソン・ロバート・ブラウン |
キャスト
キャスト | アナ・ケンドリック |
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ジェレミー・ジョーダン |
監督・スタッフ
監督 | リチャード・ラグラベネーズ |
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脚本 | リチャード・ラグラベネーズ |
製作 | リチャード・ラグラベネーズ |
ローレン・ベアセル | |
カート・ドイッチェ | |
ジャネット・ブレナー |
ジェレミー・ジョーダンの写真が別人です…
noさん、ご指摘恐れ入ります。なかなか自分では気付かないことも多いので助かります。
キャストの紹介もつまらないので、これを機に書き直してみました。