映画を観る前に知っておきたいこと

リベンジ・リスト
再び自我に揺れるジョン・トラボルタ

リベンジ・リスト

復讐して、何が悪い。

目の前で妻を殺された特殊部隊の元工作員。事件が闇に葬られる中、“絶対に怒らせてはいけない男”の復讐劇が始まる。

フェイス/オフ』(97)から20年。復讐のためだけに生きる男スタンリーとして、あのジョン・トラボルタが本格アクションに完全回帰。理不尽な暴力と腐敗した権力を目の前に、怒りに任せた圧倒的な戦闘力で悪党共を駆逐していく。

監督は、かつて『イレイザー』(96)をヒットさせたチャック・ラッセル。アメリカ社会に巣食う闇を描きながら、往年の肉体派アクション・エンターテイメントを演出する。


予告

あらすじ

失業中のスタンリー(ジョン・トラボルタ)はカリフォルニアでの面接を終え、家族の待つオハイオへと帰ってきた。空港で出迎えてくれた妻ビビアン(レベッカ・デモーネイ)に、面接での手応えを嬉しそうに話すスタンリー。しかし、これからの暮らしに胸を躍らせる夫婦に突然の悲劇が襲う。空港の駐車場で3人の強盗によって、スタンリーは目の前で妻を殺されてしまうのだ。

リベンジ・リスト

© 2016 I Am Wrath Production, Inc.

やがて容疑者は捕まるが、裏社会と繋がっている悪徳警官によって釈放、事件は闇に葬られる。理不尽な社会と妻を守れなかった己の無力さへの怒りが、スタンリーの血塗られた過去を呼び覚ます。かつて数々の殺しを請け負った特殊部隊の工作員だった彼は、封印していた殺人術を解放し、復讐に手を染めていく。

リベンジ・リスト

© 2016 I Am Wrath Production, Inc.

ターゲットの一人である彫り師ラースの店へと潜入したスタンリーは、自分の背中に“I Am Wrath(我こそは怒りなり)”というタトゥーを彫らせ、その場で殺害する。しかし、妻を殺した犯人を一人、また一人と冷酷に狩っていく中で、彼は妻の死に隠された巨大な陰謀を知ることとなる……


映画を観る前に知っておきたいこと

本作では大掛かりなセットを使わず、実際の街中でゲリラ的な撮影を敢行したチャック・ラッセル。かつて、そのド派手なアクションによって『イレイザー』(96)をヒットさせた監督は、臨場感溢れる映像を前に、自身のルーツに戻ったような感覚だと語る。そして、『フェイス/オフ』(97)以来の本格アクション参戦となったジョン・トラボルタも、ラッセルの撮影方法に呼応するようにスタントマンを使わず危険なコンバット・アクションに挑む。

そんな同世代の二人が創出する世界観は、ダークなノワールの中に、どこか90年代の懐かしさを感じさせる。あのロバート・デ・ニーロが演じた『ケープ・フィアー』(91)の復讐鬼マックスのように、己の信念を背中一面に刻みつけた男スタンリー。そして、復讐心に駆られ己を見失っていく姿が、『フェイス/オフ』でトラボルタ自身が演じたFBI捜査官アーチャーとも重なる。

再び自我に揺れるトラボルタ

リベンジ・リスト

© 2016 I Am Wrath Production, Inc.

90年代を代表するアクション映画として、必ずその名が挙がる『フェイス/オフ』。ジョン・トラボルタとニコラス・ケイジ、二人の大物俳優が演じてみせた、観る者すら困惑させる完璧な入れ替わり劇は、アクション映画の域を超えて衝撃的だった。それは、息子を殺した最も忌むべき相手の顔を移植し潜入捜査に臨むFBI捜査官アーチャーが、本来の自分を見失っていく葛藤までを描き出していたからだ。

そしてこの『リベンジ・リスト』でも、再びトラボルタが自我に揺れる主人公を演じてみせる。

かつて特殊部隊の秘密工作員として数々の殺しを請け負ったスタンリーは、目の前で妻を殺されたことから己の中に秘めた殺人術を解放し、次々と実行犯をその手にかける。しかし、妻の死の真相が明らかになるにつれ、復讐のターゲットはまた一人と増え続け、やがて完全に引き際を見失ったスタンリーは、自らが過去に奪った命の重さを感じ始める。

自分が犯した罪の因果によって妻は殺されたのか?運命を呪うように教会で告解を求めるスタンリーの姿は、冷酷な復讐者らしからぬ人間らしさを滲ませていく。妻のために一度は過去を捨てたスタンリーだったが、皮肉にも妻の死によって、過去の自分と向き合うことになるのである。

トラボルタが新たに演じる“絶対に怒らせてはいけない男”は、その怒り以上の悲哀を抱える故に、この復讐劇は誰にも止められない。

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